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エンコーディングを理解する

Last updated at Posted at 2025-01-01

はじめに

エンコーディングについて正しく理解するよう整理します。
ファイルのエンコーディングとは何か、UTF-8をエンコーディングとするとは、HTMLエンコーディングとは、HTMLエンティティとは、デコードとは、をちゃんと迷わず理解するのが目的です。

エンコーディングとは

「エンコーディング」だけでは曖昧です。
その意味合いを明確にするためには「ファイルのエンコーディング」「テキストのエンコーディング」などの前置きが必要になる場合がほとんどです。

1. 「エンコーディング」という言葉の意味

  • 「エンコーディング」とは、一般的に**「情報を一定のルールに従って変換すること」**を意味します。
    • 文字をバイナリデータに変換する文字コード(例: UTF-8, Shift_JIS)もその一例です。
    • 映像や音声にもエンコーディングがあり、それぞれの分野で使われています(例: MP3やH.264)。

ただし、文脈が曖昧だと何を指しているのか分かりにくいため、「ファイルのエンコーディング」や「文字コード」など、具体的な言葉を補います。

2. 「エンコーディング」という言葉に前置きが必要な理由

  • 単に「エンコーディング」と言われると、何を指しているのか曖昧になりがちです。
    • 例えば:
      • 「ファイルのエンコーディング」 → ファイル保存時の文字コード形式(例: UTF-8, Shift_JIS)。
      • 「HTMLのエンコーディング」 → HTML文書内でブラウザに指示する文字コード形式。

「ファイルのエンコーディング」と補足することでの明確化

  • 「UTF-8やShift_JISのこと」と前置きがあることで、「テキストファイルやHTMLがどの文字コードで保存されているか」という具体的な意味を持たせられます。

ファイルのエンコーディングとは

先ほど記載の通り「ファイルの」と前置きを記載させて頂きます!
ファイルのエンコーディングとは、ファイルがどの文字コード形式で保存されているかを指します。

ファイルのエンコーディング

  • 文字コード(エンコーディング)は、文字(例: 「あ」や「A」)をバイナリデータ(0と1の並び)に変換するルールです。
  • ファイルのエンコーディングは、テキストデータをどの文字コード規則で保存するかを決めます。

  • UTF-8エンコーディング
    • 「あ」はUTF-8形式ではバイナリで E3 81 82 として保存されます。
  • Shift_JISエンコーディング
    • 同じ「あ」はShift_JIS形式ではバイナリで 82 A0 として保存されます。

ファイル形式とエンコーディングの違い

  • ファイル形式

    • ファイルがどの種類のデータを含むかを定義するものです(例: .txt, .html, .xls)。
    • 例:
      • .txt: プレーンテキストデータ
      • .xls: Excelのバイナリデータ形式(テキストや数値が含まれる)
  • ファイルのエンコーディング

    • テキストデータの保存方法(文字コード)を決めるものです。
    • 例:
      • UTF-8, Shift_JIS, EUC-JP, ISO-8859-1 など。

関係性

  • テキストファイル(例: .txt.html)はエンコーディングに従って保存されます。
  • 一方、ExcelやPDFなどの特定の形式(.xls, .pdf)では、独自の構造とエンコーディングが定義されています。

ファイルのエンコーディングを知る方法

  1. テキストエディタで確認

    • メモ帳、VSCode、Sublime Textなどのエディタでは、開いているファイルのエンコーディングを確認できます。
    • 多くのエディタでは、エンコーディングを変更して保存も可能です。
  2. ブラウザや開発ツール

    • HTMLファイルの場合、ブラウザがエンコーディングを自動検出して表示します。
    • <meta charset>タグやHTTPレスポンスヘッダーで指定されたエンコーディングが使われます。

エンコーディングの重要性

  • 一致する必要がある
    • ファイルが保存されているエンコーディングと、読み取る際に使用するエンコーディングが一致しないと、文字化けが発生します。

  • ファイルをShift_JISで保存した場合:

    • <meta charset="Shift_JIS">を指定すれば正しく解釈されます。
    • <meta charset="UTF-8">を指定すると文字化けします。
  • ファイルをUTF-8で保存した場合:

    • <meta charset="UTF-8">を指定すれば正しく解釈されます。

まとめ

  • ファイルのエンコーディングとは、「ファイル内の文字をどの文字コード形式で保存しているか」ということを指します。
  • エンコーディングとファイル形式(.txt, .html, .xlsなど)は異なる概念ですが、テキスト形式のファイルではエンコーディングが重要です。
  • 保存形式(エンコーディング)と読み取り形式(ブラウザやエディタで指定されるエンコーディング)が一致することが重要です。

HTMLエンコーディングとUTF-8、Shift-JISの関係

HTMLエンコーディングとは、HTMLファイル全体がどの文字コード(例: UTF-8, Shift_JIS)で保存されているかを指します。

1. UTF-8やShift_JISでのエンコーディング

  • UTF-8やShift_JISは、文字をバイト列として保存または送信する際のルールを定めたものです。

    • 文字をバイナリ(0と1の列)に変換します。
    • 例: 「あ」をバイト列として保存する場合
      • UTF-8: E3 81 82(3バイト)
      • Shift_JIS: 82 A0(2バイト)
  • ファイルのエンコーディング

    • ファイル自体がどの文字コード(エンコーディング)で保存されているかを指します。
    • HTMLファイルでも同様に、文字をバイト列で保存しています。

補足

  • UTF-8やShift_JISは、データ(テキスト)を保存・送信する際に使われるエンコーディングです。
  • ブラウザやテキストエディタは、このバイト列を解釈して「人間が読める文字」に変換します。

2. HTMLエンティティ(例: &#12354;)とは?

  • HTMLエンティティ(例: &#12354;&#x3042;)は、文字そのものではなく、文字を表現する特殊な記法です。
    • 例: &#12354; は Unicode コードポイント U+3042 に対応する「あ」を表します。
    • &#x3042; は同じ文字を16進数で表現したものです。

HTMLエンコーディングとエンティティの違い

  1. HTMLのエンコーディング

    • HTMLファイル全体がどの文字コード(例: UTF-8, Shift_JIS)で保存されているかを指します。
    • これはバイト列で保存され、ブラウザが解釈します。
  2. HTMLエンティティ

    • 特定の文字をエスケープするために使用されます。
    • HTMLエンティティは文字列としてファイル内に保存されますが、ブラウザがこれを解釈して実際の文字(例: 「あ」)として表示します。

3. 例で確認

以下の例で両者を区別して確認できます:

ファイルのエンコーディングがUTF-8の場合:

<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
  <meta charset="UTF-8"> <!-- UTF-8で保存されていることを示す -->
  <title>エンコーディングの例</title>
</head>
<body>
  <!-- 文字を直接記述 -->
  <p>直接記述: あ</p>

  <!-- HTMLエンティティで記述 -->
  <p>HTMLエンティティ (10進数): &#12354;</p>
  <p>HTMLエンティティ (16進数): &#x3042;</p>
</body>
</html>

結果

  1. 直接記述

    • 「あ」はUTF-8のバイト列 E3 81 82 として保存され、ブラウザがそのまま解釈して表示します。
  2. HTMLエンティティ

    • &#12354;&#x3042; はファイル内でそのままテキストとして保存されます。
    • ブラウザはこれを解釈し、結果として「」を表示します。

4. 重要なポイント

  • ファイルのエンコーディング(UTF-8やShift_JIS)は、ファイルがどの形式で保存されているかを決めるもので、バイト列で管理されます。
  • HTMLエンティティ(例: &#12354;)は、特定の文字をエスケープするための記法であり、ファイルのエンコーディングとは別の概念です。

したがって、HTMLのエンコーディングを指すのはファイル全体の保存形式であり、エンティティ(&#12354;)は特定の文字の記述方法です。

再整理

以下はいきなり読むとわかりにくいですが、上記を読むと読みやすいと思います。

」の表示で、「」のように直接記入する場合と、&#12354;&#x3042;と記入する場合の違いは?、どちらも「」が表示されます。
直接記入する場合の流れを記載し、HTMLエンティティとの表示の違いを理解します。

1. 直接記入時の流れ

HTMLやテキストファイルに「」と直接記入した場合、以下のプロセスを通じて表示されます:

(1) ファイルのエンコーディング

  • ファイル自体の文字コード(例えば UTF-8、Shift_JIS など)が「」を適切にエンコードしています。
    • 例: UTF-8 では「あ」のバイナリ表現は E3 81 82 です。
  • ブラウザは、HTMLの <meta charset="UTF-8"> やサーバーのHTTPヘッダーで指定されたエンコーディングに従い、このバイナリデータを読み取ります。

(2) デコード

  • ブラウザはバイナリデータをデコードし、Unicode文字として解釈します。
    • 「あ」のUnicodeコードポイントは U+3042 です。

(3) 表示

  • ブラウザは、フォントを使用して文字をレンダリングし、画面に「」を表示します。

ポイント:

  • 普段はエンコード・デコードが自動で行われるため、開発者やユーザーが気にする必要はありません。

2. &#12354;&#x3042; を使う場合

&#12354;&#x3042; のように書くと、ブラウザはHTMLエンティティとしてこれを解釈し、対応するUnicode文字(「あ」)を表示します。

(1) 違い

  • この形式は、HTMLコード内で特定の文字をエスケープする必要がある場合に便利です。
    • 例: 特殊文字(<, >, & など)がHTMLの構文と混同されるのを防ぐ。
  • 直接文字を記述できない場合(特に、特定のエディタやエンコーディングの制限がある場合)にも使われます。

3. 実用例

例えば、次のコードを考えます:

<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
  <meta charset="UTF-8">
  <title>文字の表示</title>
</head>
<body>
  <!-- 直接記述 -->
  <p>直接記述: あ</p>
  <!-- HTMLエンティティ -->
  <p>16進数エンティティ: &#x3042;</p>
  <p>10進数エンティティ: &#12354;</p>
</body>
</html>

image.png

特別な理由がなければ、エンティティを使わず、直接文字を書く方が簡単で効率的です。

以上

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