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エンジニアがフィリピンでリアルなサービスをやってみた

Last updated at Posted at 2021-06-07

お掃除サービスを作ってみた

フィリピンでハウスクリーニングサービスをスポットで依頼出来るサービスをやってます。
ユーザーがサイトにアクセスし、サービスの日にち、時間、サービス内容を選び、名前、住所などの情報を入力すると指定の日にち、時間にクリーナーが家に来て掃除をしてくれるサービスです。
日本だと、ダスキンやおそうじ本舗がやっているようなサービスで、エアコンクリーニングなど難しいことはせずに、床掃除、トイレ掃除などを専門に行なっています。

なぜ作ったのか

エンジニアとしてWebサービスの開発などに関わっているが、広告運用、マーケティングなどにも興味があり、せっかく勉強するなら実際にやってみようと思い、かんたんに始められてダメだったときに撤退が容易なサービスを考えたときにハウスクリーニングサービスを思いつきました。

(フィリピンはフルタイムの仕事がほとんどなのでスポットで働ける仕事があまり無く、シングルマザーなど1日家を空けることができない人が働ける仕事を用意してあげたい。的なことをもうちょっとカッコよく対外的には説明したりしています。)

本稿の目的

サービス開発をするときにどのようなことを考え、どのような学びがあったのかを共有したいと思い書いています。
システム的なことではなく(そもそもちゃんとしたシステムないですが。。)どのようなサービスを使用しそこにどんな学びがあったのかを共有できればと思っています。

サービスの構成

AWS + Wordpress
AWSのEC2にWordpressをインストールして使っています。
予約の管理にはWPプラグインのBooking Packageを使っています。
WPのテーマは適当に選びました。

サイトの作成

サービス名の決定

クリーニングサービスなのでCleanは入れたくて、今すぐに掃除をしてくれるという意味でnowを付け
cleannowとしました。

ドメイン取得

まずはじめにドメインの取得を行います。
フィリピンのサービスなので.phで終わるドメインがいいと思い、https://www.dot.ph/
でドメイン(cleannow.ph)を取得しました。
年間でドメイン費用が1000円くらいです。

ロゴ作成

ロゴを作成出来るほどのIllustratorやPhotoshopのスキルが無いため、
「ロゴ 作成 無料」などでググって最初に出てきたサイトでロゴ作成をしました。

サイト作成

サービスの性質上大量アクセスをさばく必要が無く、初期費用を抑えたかったので
AWSのEC2無料枠で使えるT2MicroにWordPressをインストールしました。
WordPressは仕事で使ったことのあるKusanagiを使用しています。
RDSを使わず、EC2の中にMySQLもインストールしてあります。
現在は無料枠の1年が過ぎているので月に700円くらいを支払っています。

予約機能の作成

WordPressで予約機能を実現するためにいくつかプラグインを探しました。
最終的に必要機能と値段的にBooking Packageを選択しました。
クレジットカードの支払いも受け付けたかったので有料プランを選択し、
料金は月4ドル支払っています。
もともとフィリピンの通貨(フィリピン・ペソPHP)が無かったのでサポートに問い合わせたらすぐにフィリピン・ペソに対応していただけたことも選定した理由の一つです。
日本語での対応をしていただけました。

支払い機能

Booking PackageはクレジットカードとPaypalでの支払いに対応しているため、Stripeのアカウントを作成してクレジットカードの支払いが出来るようにしました。
アカウント自体の作成は非常にかんたんで1日位で使用可能になりました。
Stripe管理画面に表示されるコードをBooking Packageに入れてサイトでの支払いも出来るようになりました。

集客

メールアドレス、電話番号の取得

メールアドレスはドメイン名のものを使えると思っていたのですが、ドメイン購入したところでホスティングしないと使えないようになっているらしく、泣く泣くGmailを使っています。下調べ重要です。
電話番号はフィリピンでは簡単にSimカードが手に入るので、ショッピングモールで購入しました。
1枚300円位で、フィリピンでメジャーな会社2社を用意しました。

フライヤーの作成

やっぱりチラシ必要でしょ。と思ったのでフライヤーを作成することにしましたが、IllustratorもPhotoshopもフライヤーを作るほどは使えないので「チラシ 無料 作成」でググって一番最初に出てきたサイトでフライヤーを作りました。
デザイナーさんってすごいなと感じています。
いつか儲かったらちゃんとデザイナーさんにお願いしたいです。
印刷はフィリピンでやると高いので、「印刷 格安 東京」でググって出てきた会社を使い、一時帰国したときに持ってきました。
東京カラー印刷通販を使い、2000枚で2000円くらいだったかと思います。
結局作ったはいいものの、あんまり配る機会も無く、家に大量に余っています。

Cleannow_flyer_new.png

FBページの作成

フィリピンはインターネット=Facebookな国なので、Facebook Businessでページを作成しました。
FBメッセンジャーでの依頼や質問が来ることも多々あります。
あまりWebサイトを見て料金を確認するなどといった文化がないので、メッセンジャーの自動応答機能で
料金、電話番号、メッセンジャーでも予約が出来ることなどを表示しています。

Google My Business

Googleで検索したときに上や右に出てくるあれです。
電話番号や評価、サービスエリアなどが表示されます。
エリアの設定を行うので、もし同じ名前のサービスがあってもアクセスしている場所を見て上に表示してくれます。(たぶん)
SEO的にも良いと思います。
また、Google Mapでも表示してくれます。
「cleaning service near me」「cleaning service manila」などで検索し、表示される電話番号に直接電話してくれる人も多いので、役に立っています。
image.png

広告配信

広告はFBとGoogleのリスティング広告を試しました。
結論から言うと現在はGoogleの広告のみを使用しています。
サービスを利用してくれる層が30-40代女性が多く、ハウスクリーニングの求職者も30-40代の女性が多いため、広告をFBで打っても求職者にヒットしていまい、ターゲットとする人たちにリーチできませんでした。

Google広告

Google広告ではFB広告よりも詳細にターゲットが絞れるため、Google広告を使用しています。
現在の設定は、26歳以上の男女、世帯収入上位50%、PCのみに広告を配信しています。
Google広告では除外キーワードも設定出来るので、
job,apply,hiering,wanted,employmentなど求職に関わりそうなキーワードも除外しています。

PCのみに配信

フィリピンではPCを持っている人があまりいないため、PCを持てる位の経済レベルの人たちにターゲティング出来るようにです。
こちらもFB広告と同様にスマホに配信すると求職者が広告をクリックしてしまい、ターゲットにアプローチできませんでした。

コロナの影響

フィリピンでは2020年3月よりロックダウンが始まり、最初の3ヶ月ほどは交通機関も止まっていたため全く営業ができませんでした。現在もコンドミニアム(日本で言うマンション)では部外者の立ち入りを制限されていたり、PCR検査での陰性の証明が必要だったりで完全な状態での営業はまだできていません。
しかし、もともと損益分岐点を低く設定して始めたビジネスなので、なんとかやっていけています。

これから

システム面

まだまだ手作業でやっている部分が多く、顧客の管理、売上の管理などもきちんとできていないので、仕組み化したいです。
顧客の管理では、利用してくれた顧客のリスト化と利用後1ヶ月後などに自動でメール送信などを行いリマインドできる仕組みを構築できればと思っています。
また、料金プランも一覧化し、電話応対などの時間を節約出来るようにしたいと考えています。

ビジネス面

ハウスクリーニングサービスを使用する層はフィリピンではかなり高収入で、その富裕層の時間を3時間以上貰えるというところを活かして高級品の試供品を提供したり、旅行、家具などパンフレットを渡すなど、富裕層ターゲットの別会社と組んでクリーニング以外の収入を得られればと思っています。
また、エアコンクリーニング、水道工事などの会社とも組んでサービスの内容の充実化ができればと思っています。

さいごに

サービスの開発を通して普段業務で開発している範囲の外の流れをざっくりとつかめたことが一番の収穫だったと思っています。
とくに、広告運用、デザインなど近くにいるけど業務範囲がかぶっていない人のやっていることがちょっとわかり、興味が湧いてきたことが収穫でした。

また、フィリピン人の優秀なクリーナーの職が作れ、それなりの給料を渡すことができたことが喜びです。

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