[メモ]C# 8/9の言語機能を.NET Frameworkで使う

C# 8/9の新機能は、コンパイラーさえ新しければ(例えばVisual Studio 2019を使えば)、ターゲット環境が.NET Frameworkでも使用できます。
(なお推奨されない使い方です。)

ただし、Nugetパッケージ参照が必要だったり、Shimコードが必要だったりします。

プロジェクトファイルの編集

.NET Frameworkのデフォルト言語バージョンは7.3なので、<PropertyGroup>タグの中に

<LangVersion>9.0</LangVersion>

を足しましょう。

古いcsprojファイル形式のままでも、<LangVersion>を足すだけで大丈夫です。

C# 8.0新機能

C# 8.0		Note
読み取り専用メンバー	✔
既定のインターフェイス メソッド	✖
パターン マッチングの拡張機能	✔
using 宣言	✔
静的ローカル関数	✔
Dispose可能な ref 構造体	✔
Null 許容参照型	⚠	コードには付けられるが、BCLが対応していない
非同期ストリーム	⚠	サードパーティーのパッケージが必要
非同期のDisposable	⚠	サードパーティーのパッケージが必要
インデックスと範囲	⚠	サードパーティーのパッケージが必要1
null 合体割り当て	✔
構築されたアンマネージド型	✔
入れ子になった式の stackalloc	✔
逐次補間文字列の拡張	✔

C# 9.0新機能

C# 9.0		Note
レコード	⚠	IsExternalInitの定義が必要
init 専用セッター	⚠	IsExternalInitの定義が必要
最上位レベルのステートメント	✔
パターン マッチングの拡張機能	✔
ネイティブ サイズの整数	✔
関数ポインター	⚠	managedポインターは可。unmanagedポインターは不可。
localsinit フラグの出力を抑制する	⚠	SkipLocalsInit属性の定義が必要
ターゲット型の新しい式	✔
静的な匿名関数	✔
ターゲットにより型指定された条件式	✔
共変の戻り値の型	✖
foreach ループの拡張機能 GetEnueeeemerator サポート	✔
ラムダ ディスカード パラメーター	✔
ローカル関数の属性	✔
モジュールの初期化子	⚠	ModuleInitializer属性の定義が必要
部分メソッドの新機能	✔

IsExternalInitクラス

namespace System.Runtime.CompilerServices
{
    internal static class IsExternalInit
    {
    }
}

SkipLocalsInit属性

namespace System.Runtime.CompilerServices
{
    [System.AttributeUsage(System.AttributeTargets.Class | 
        System.AttributeTargets.Constructor | 
        System.AttributeTargets.Event | 
        System.AttributeTargets.Interface | 
        System.AttributeTargets.Method | 
        System.AttributeTargets.Module | 
        System.AttributeTargets.Property | 
        System.AttributeTargets.Struct, Inherited = false)]
    internal sealed class SkipLocalsInitAttribute : System.Attribute
    {
    }
}

ModuleInitializer属性

namespace System.Runtime.CompilerServices
{
    [System.AttributeUsage(AttributeTargets.Method, Inherited = false)]
    internal sealed class ModuleInitializerAttribute : System.Attribute
    {
    }
}

1. 例えばIndexRange ↩