はじめに
こんにちは。論文を読んだ結果の紹介記事です。
今回紹介するのは、「ファジィニューラルネットワークによる建築設備の異常予兆監視」という論文です。
- タイトル:ファジィニューラルネットワークによる建築設備の異常予兆監視
- 出典:鈴木雄介, et al.; 人工知能学会, 2019
- URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/shasetaikai/2019.8/0/2019.8_157/_pdf/-char/ja
概要
現状、定期点検などによる予防保全が主流である。
時系列データから、設備の正常データをファジィニューラルネットワーク(FNN)学習し、いつもと違う動きをオンラインで捉える。
次ステップとしてクラウド環境にAIエンジンを搭載し、複数の設備での適用性検証を進める。
- ファジィ推論法・・・ファジィとはあいまいさや不正確さを取り扱う応用数学の体系のことで、この体系を通して現象を予想する方法。厳密な(一般の)集合では部分集合が全体集合に属すか属さないかを明確に区別するが、ファジィ集合では明確ではなく確率的に区別する。
- ファジィ理論・・・真理値が真(1)と偽(0)の二値ではなく、1と0の間の任意の数で表わされる数学理論。人間の言語や推論にみられるようなあいまいさをもつ情報を扱うことができ、コンピュータや機械制御に応用される。あいまい理論。
技術的特徴
- FNNを使用。非線形回帰。
- 正常時のデータでモデル構築。実測値が、モデルによる幅を持つ予測の範囲内か、によって異常を判断。
- 目的変数は、監視対象設備の故障モードに起因する変数を選定。
- 説明変数は、目的変数と送還関係にあるものを選定。
- 直近1カ月のデータでモデル作成
- リニアに変化する異常の3パターン、急激に変化する異常の3パターン、で評価。(疑似データ)
- 約1年半のデータでモデル作成し精度向上を判断。
想定される適用例
- 時系列データでの異常検知全般