はじめに
こんにちは。論文を読んだ結果の紹介記事です。
今回紹介するのは、「システム健全性管理のための時系列処理の課題とアプローチ」という論文です。
- タイトル: システム健全性管理のための時系列処理の課題とアプローチ
- 出典: 人工知能学会第二種研究会資料/2024 巻 (2024) SMSHM-001 号
- URL: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsaisigtwo/2024/SMSHM-001/2024_39/_pdf/-char/ja
概要
センサー時系列処理の課題とその解決アプローチを概観する。
特徴
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センサー時系列の特徴
- 画像が同質な二次元で平行移動不変性をもつのに対して、次元毎に不均質で次元の順序には意味がない
- 時間的な多様なスケール
- 物理/化学法則が必要なサンプリング周期依存性
- センサ値の変動パターン(何がノイズで何が信号であるかは対象の物理やセンサーの機能から決まる、など)
- 運転者の意図に従った操作系列によるレジーム変化
- 新たなデータの観測に伴い結果を修正していく必要があるオンライン性
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時系列処理のアプローチ
- フーリエ解析に代表される基底関数展開アプローチ
フーリエ解析は、振動データのように、時系列を生成する方程式の解がフーリエ級数で近似的に表現できる場合に向いている - ARモデルに代表されるシステム同定アプローチ
適切な窓サイズがわかっている定常データに適する - 単語の出現傾向や並びで時系列を表現するボキャブラリアプローチ
時系列のMotif発見、異常検知、セグメンテーションなどに応用 - Spikeletアプローチ
時系列をスパイク状のパターンに分解して、スパイクの並びの類似性を用いて、Motifを抽出する。
基本的なアイデアは、「時系列の山と谷を照合するパスは、DTW 距離が小さくなる」に注目して、時間方向に同じ長さのセグメントを切り出すのではなく、値方向の変動に応じた時間幅を切り出すことにある。
- フーリエ解析に代表される基底関数展開アプローチ
想定される適用例
- センサー時系列の分析全般
- 異常検知や寿命予測など