はじめに
こんにちは。論文を読んだ結果の紹介記事です。
今回紹介するのは、「平均画像に対するVAE異常検知の適用による道路落下物検出」という論文です。
- タイトル:平均画像に対するVAE異常検知の適用による道路落下物検出
- 出典:山本健生, et al.; 人工知能学会, 2021
- URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/pjsai/JSAI2021/0/JSAI2021_2F1GS10f03/_pdf/-char/ja
概要
既存手法では、以下の課題がある。
- 多種多様な落下物を教師ありで学習することは困難
- 背景差分法は、光の当たり方、影など、誤検出してしまう
関連研究の手法は以下。
- 背景差分法+時間差分法
- MRF(Markov Random Field)モデルで車両奇跡を活用
- 混合ガウス分布
今回、VAEによる異常検知を行う。落下物が存在しない画像のみをVAEに学習させたとき、落下物が映りこんだ画像から抽出した潜在変数は分布から離れると仮定。
画像から抽出した潜在変数と原点のマハラノビス汎距離を異常スコアとして、閾値以上の場合に落下物が存在すると判定。
画像データは約3200枚、学習:評価=3:1で分割。明るい時間と暗い時間の両方を含む。
評価方法は、落下物データ(異常データ)に対する検出可否と、誤検出率(誤って検出した枚数/全枚数)。VAEが、背景差分法より、検出可能数が多く、誤検出率が低くなった。
今回、照明変動の検証はできたが、季節、天候などの変動については今後の課題。
技術的特徴
- VAEを使用
- CNN
- 教師なし異常検知
- 時系列に並べた画像の平均画像
想定される適用例
- 画像データでの異常検知全般