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AIの時代になぜ英語を勉強しなければいけないのか

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前回英語について書いてからずいぶん間が開いてしまいましたが、今回は何故英語が必要になるのかについて書きます。

"A-Go" (English) as a tool for developers

こちらのスライドの6ページ目以後を見てください。おそらく、程なくして実用的な音声認識 + 自動翻訳はかなりの精度(個人的には60%くらいのレベルに数年で到達するように思います。)を実現してくれるでしょう。そうなると、もう英語を勉強する必要はないんじゃないか、と思うのも無理はないと思います。それでも、私は今英語を勉強することに意味があると思っています。

文化的背景・考え方を知るための英語

ある文化や思考の過程は、長い年月をかけて言語と相互作用を持って練り込まれていて、言語を学ぶことで相手の背景にある基本的な考え方を知ることができます。

例えば、日本語と英語の間でよくある「Yes/No」問題というものがあります。ここに座ってもいいですか?= "Do you mind if I sit here?" と聞かれた場合、問題ない、肯定したいという気持ちが "Yes" という単語と紐づいて Yes と答えてしまいそうになりますが、座っていいのであれば No, please となります。

多くのケースで、日本語でのはい・いいえ、は自分を含む少し広い環境や状況に対して肯定・否定をすることが多く、英語の Yes / No においては個人が自分がどう考えるのかを表現することに使われることが多いです。このような単純な例以外にも、単語の成り立ちや慣用句などからは文化的な背景を読み取れることも多く、単純に「翻訳」することにあまり意味がなかったり、うまく意味が通らないものもあります。映画の字幕に違和感を覚えたりするのはそういった違いが原因になっていることも多いです。相手をよりよく知るためにも、言語を学ぶことはよい気付きを与えてくれます。

「論理コミュニケーション養成ギプス」としての英語

少し自分の業界に近い話をします。落合陽一さんの著書「これからの世界を作る仲間たちへ」で、落合先生はこう書かれています。

「大事なのは英語力ではありません 。たとえばコンピュ ータが翻訳しやすい論理的な言葉遣いが母語でちゃんとできること 、つまりそのような母語の論理的言語能力 、考えを明確に伝える能力が高いことのほうが 、はるかに重要です 。」

これには完全に同意です。最近Amazon Echoに話しかける時にすら感じますが、はっきりと順序と論理が通った発言をすることは、「コンピュータが翻訳しやすい論理的な言葉使い」をするのにとても大事だと思います。一方、日本で日本語を使いながら曖昧な表現とハイコンテクスト(相手との間に暗黙的な文脈の相互理解があること)な状態に「浸かって」生きてきた我々にとって、日本語で曖昧さを排除することがとても難しくなっています。

社内でミーティングをする場合にも、日本語をベースにしていると代名詞やなんとなくの表現が多くなって来ることに気づきます。一方、英語で話すことを矯正すると、そもそも曖昧な表現を知らない(!)し、英語の構造上結論を先延ばしにもしにくいので、英語が「論理コミュニケーション養成ギプス」のような働きをしてくれます。これは、日本における慣習を説明しなければいけないようなケースでも同じで、大会社が「うちはこういう会社だから」みたいな話をしたとしても、「こういう」とは一体どういう状態なのか、しっかり説明できる状態でなければ英語で伝えようもありません。

実は、日本語をベースとしたコミュニケーションであったとしてもうやむやにできないことが、なんとなく共有した状況や雰囲気で曖昧になってしまうことは多々あります。この状態だと、弊社の本社メンバーや他の拠点のメンバーには伝えようがありません。コンピュータに翻訳しやすい状態とは、曖昧さを排除した状態だと理解しています。その曖昧さすらも学習させる可能性がありますが、そうだとしても一度その曖昧な状態を通訳して教えているはずです。私としては、英語をそのようなものとして捉えています。

また、伝える相手が人間だけでなくコンピュータだという前提に立った時に、その論理の組み立て順は「コンピュータを作っている人の論理順序に従っている」ことが多くなるでしょう。そう考えた時にも、現在のコンピュータの大半が英語圏からやってきたものであり、その論理構造や順序をとらえることが重要になってくると考えています。 

お金に変わるものとしての英語

 また、今のところ英語をある程度使える(少なくとも英語に抵抗感がなく、今すぐに喋れないとしても短期間に本気で習得することを決めている、というレベルで良い)ことによって、簡単に年収が上がってしまう事実もあります。昨今の「働き方改革」をしっかり意識している会社(というよりそれが当たり前である会社)は、英語を業務に必要としていることが多いと思います。私自身も採用をしているのでわかりますが、英語を条件にした途端に人材の母集団は急激に減ります。この状況があとどれくらい続くかどうかはわかりませんが、少なくとも短期的に勉強する対象としてはリーズナブルではないかと思います。

文化的な認識の違い、論理構造や順序の違い、70億人相手にする時に相手が私たちに合わせてくれるか、あるいはこちらが相手に合わせにいくかは自分の気持ち次第だと思っています。

私は現在、英語を喋ってみるコミュニティ「en_jp」を運営しています。月一程度でmeet up を渋谷で行なっています。すでに喋れる人、毎日英語を使っている人から、人前で英語を喋ることはほぼない人まで様々なレベルの人が来ますが、とにかくこれまで学んで来た英語を「使う機会」を提供しようとして始めているものです。是非、恐れずに今持っている英語を使っていただき、間違っていれば修正すればいいと思います。みなさんとお会いできるのを楽しみにしております!

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