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データベースの基礎知識まとめ

Last updated at Posted at 2024-12-04

はじめに

本日からは、データベーススペシャリスト試験に向けて勉強した内容をまとめていきます。このタイミングで学んだことを思い出しながらアウトプットすることで、長期的な記憶に定着しやすくなると考えています。

本文

データベースとは?

「データベース」という用語は、1950年頃の米国国防総省(DoD: Department of Defense)で生まれたと言われています。分散していた軍事情報を一箇所のデータの基地(Data Base)に集約し、データの重複を排除して、アクセスのしやすさを向上させることで業務効率化を図る目的がありました。

DoDは、データベースの他にも、ネットワーク分野で知られるTCP/IPプロトコルを開発しました。これらの技術は、現在のITの基本となっており、アメリカの軍事産業での研究が多くの技術の基盤となっています。データベースの発展は、情報の一元管理とデータ独立性の重要性を示し、その後のデータベース管理システム(DBMS)の開発に大きく寄与しました。

また、1960年代にはIBMが階層型データベースの代表例であるIMS(Information Management System)を開発しました。1970年代にはエドガー・F・コッドが関係モデルを提唱し、これが現代のリレーショナルデータベースの基礎となりました。

データモデル

データベースを構築する際には、現実世界のデータを適切に格納できるようにモデル化します。このデータを表現するためのモデルを「データモデル」と呼び、以下の3つに分類されます。

  1. 概念データモデル
  2. 論理データモデル
  3. 物理データモデル

概念データモデルは、業務の全体像を抽象的に表現し、エンティティやその関連を示します。論理データモデルは、データベースの論理的な構造を定義し、テーブルやカラムの設計を行います。物理データモデルは、実際のデータベースシステム上でのデータの物理的な配置やアクセス方法を定義します。

主な論理データモデルとして、以下の4つが知られています。

  • 階層型(ハイアラキカル)モデル: データがツリー構造で表現され、親子関係のみを持ちます。データ独立性は低いです
  • ネットワークモデル: データがグラフ構造で表現され、多対多の関係を持つことができますが、複雑になりやすく、データ独立性は考慮されていません
  • 関係(リレーショナル)モデル: データ独立性を実現するために数学的に考案され、現在最も広く利用されています
  • オブジェクト指向モデル: オブジェクトの概念を取り入れ、データとその操作を一体化して管理します

データ独立性とは、データの物理的な構造と論理的な構造を分離し、システムの変更がデータの定義やアプリケーションに影響を及ぼさないようにする概念です。階層型やネットワークモデルはデータ構造がプログラムに強く依存しており、データ独立性が低い問題がありました。

近年では、ビッグデータや非構造化データの増加に伴い、NoSQLデータベース(キー・バリュー型、ドキュメント型、カラム指向型、グラフ型など)も注目されています。これらは柔軟なデータモデルを持ち、スケーラビリティや高速なデータアクセスを実現しています。

関係モデル

関係モデルは、計算機科学者のエドガー・F・コッドによって1970年に提唱されました。数学的、形式的な観点から考案され、データ独立性を実現しています。これにより、システムの変更が容易になり、開発効率が大幅に向上したため、関係モデルは広く普及しました。

関係モデルでは、データやデータ間の関連をすべてリレーション(関係)とタプル(組、行)で表現します。また、ドメイン(定義域)という概念があり、人名や年齢などの属性の集合を指します。全ての組み合わせを表した直積の部分集合をリレーションと呼び、これは表(テーブル)として表現できます。テーブルの縦の列はカラム(列、属性)と呼ばれます。

関係モデルの数学的基盤は、集合論と述語論理にあります。関係代数関係演算(選択、射影、結合、和、差、積など)を用いて、データの操作や問い合わせを定義します。これにより、データ操作言語であるSQL(Structured Query Language)が生まれ、データベースの標準的な操作が可能になりました。

また、正規化理論により、データの冗長性を排除し、一貫性と整合性を保つ設計が可能となっています。正規化には第1正規形から第5正規形までがあり、特に第3正規形までが一般的に用いられます。

データベースの三値論理

データベースでは、通常の二値論理(真と偽)ではなく、三値論理を使用します。真、偽の他にNULLを利用することで、様々な状況を表現できます。

代表的な利用方法として、以下の2つがあります。

  1. Unknown(不明、未知): 値は存在するはずだが、どのような値かわからない場合。例として、顧客の電話番号が未登録の場合にNULLを設定します
  2. Inapplicable(適用不能): 値が存在しない場合を示します。例として、独身者の配偶者名にNULLを設定することで、配偶者がいないことを表します

どちらの場合でも、NULLを使用するかどうかはデータの種類や設計方針によって異なります。NULLを使用する際には、そのデータ特有の意味をあらかじめ定義しておく必要があります。

NULLは値ではないため、データ操作や比較において特別な扱いが必要です。例えば、COUNT関数でデータ数を数える際、COUNT(*)はNULLを含む行もカウントしますが、COUNT(列名)はNULLの行をカウントしません。また、比較演算においてNULLとの比較は常にUnknownとなり、条件を満たさないと判断されます。SQLでは、NULLを扱う際にIS NULLIS NOT NULLを使用します。三値論理は、データの欠損や未定義を表現できる一方で、誤ったクエリ結果を招く可能性があるため注意が必要です。

まとめ

今回は、データベースの基本的な概念と歴史についてまとめました。データベースの発展の背景や、関係モデルの重要性、NULLの取り扱いなど、基礎的な知識を再確認できました。これらの基礎をしっかり理解することで、データベーススペシャリスト試験のさらなる学習につなげていきます。

参考

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