クラウドの進化が社会のあらゆる分野で影響を及ぼしている。特にAWSやMicrosoft(以下MS)といったメガクラウドベンダーは、急増するデータセンターの消費電力を確保するために、一般向け電源や再生エネルギーの活用に加え、原子力への投資を強化しているのだ。
参考:
メガクラウドベンダーが原子力に投資する背景
クラウドサービスの需要は生成AI人気も相まって年々増加しており、それに比例してデータセンターの消費電力も増加している。AWSやMSのデータセンターの一般向け電源や再生エネルギーに賄われているが、いかなる気候条件でも安価に安定供給できる原子力が必要になっている。特に、小型モジュール炉(SMR)といった次世代の原子力技術は、安定性や安全性に優れており、クラウド業界でも注目されている。今後、クラウドを支える電力として原子力がさらに重要になるだろう。
過去~現在:小売りからIT分野の社会インフラ基盤へ
AWSは元々、Amazonの小売りビジネスにおける自社ITインフラの効率化を目的として構築された。しかし2006年のサービス開始以降、AWSは全世界の企業にITインフラを提供するクラウドサービスとして大きな成長を遂げ、日本政府のIT基盤にも利用されるまでに至っている。AWSは、単なるITインフラを超えて、社会インフラの一部として重要な役割を果たしているのだ。
現在~未来:ITインフラから電力インフラへ
このような原子力の導入は、データセンターの電力供給にとどまらず、外部企業の事業用電力や家庭用電力にも安価で安定したエネルギーを提供する新たな道を開くかもしれない。AWSやMSが自社のエネルギー供給インフラとして備えた原子力発電が、将来的に一般消費者へも拡大される可能性があるのではないだろうか。
サービス名を予想してみた
原子力を活用したクラウドベンダーの電力供給サービスはどのような名前になるだろうか?以下にいくつかの予想を挙げる。
- AWS Fission Flow:核分裂(fission)に基づく持続的で強力なエネルギー供給を表現。
- Google AtomNet:原子力(Atom)とネットワーク(Network)を掛け合わせた広域ネットワークを示唆。
- Azure Quantum Power:量子の持つ無限の可能性と、次世代エネルギーの未来を見据えた名前。
クラウドの利用が安価で安定した電力供給に貢献
「風が吹けば桶屋が儲かる」のごとく、「クラウドを使いこなすと原発が建つ」時代の到来。今は単なる妄想だが、安価で安定した電力供給にクラウドで貢献できる可能性は、IT技術者である私にとっても光である。クラウド活用を普及啓蒙し、この流れを大きくしよう。