ご挨拶
こんにちは。株式会社エイチームライフデザインの @keki と申します。
この記事は、Ateam LifeDesign Advent Calendar 2023 5日目の記事として、「今年響いた7つの言葉」をテーマに記事を執筆いたします。最後までお付き合いいただけると幸いです。
はじめに
私は普段、エンジニア組織の部長と、ビジネス部門のマネージャーを兼務しています。
エンジニアマネージャー/ビジネス双方の役割を持ちながら、今年1年業務を行ってきた中で「学びになった」「その後のアクションに好影響を及ぼした」言葉を7つご紹介します。
この記事を読んでくださっているすべての職種の方にとって、何かしら思い当たる部分や、ご自身の経験と照らし合わせる事ができる内容だと思います。
皆様にとっての何かしらの気付きや学びに繋げていただければ幸いです。
1: 「あなたがいないと困る」は褒め言葉ではない
「この仕事は〇〇さんのおかげで上手く行ったよ!ありがとう!」
こんな言葉をかけてもらった経験はありませんか?
言ってもらえるととても嬉しい言葉ですよね。
でも、この言葉の延長には怖い魔物が住んでいると思っています。
もちろん、「〇〇さんのおかげ」「〇〇さんがいてくれたから」と、周囲から言ってもらえるのはとても良い状況だと思います。あなた自身が業務に対して真摯に行動し、成果を残して初めてかけてもらえる言葉です。
でも、何度も行動/成果を繰り返していく中で、周りもあなたを頼るようになり、あなた自身もその期待に答えるべく行動した結果、気づいたらあなたしかできない業務が生まれているとします。すると、今までは「〇〇さんのおかげ」ともらえていた言葉が、次第に「あなたがいないと困る」に変わってきます。つまり、「属人化」が生まれている状況です。
もちろん、「あなたがいないと困る」と言ってもらえるのは、「自分は特別な存在」といってもらえているようで嬉しいです。でも、それは裏を返すとあなたに何かがあったらその業務は止まってしまう。組織にとってはありがたくない状況です。
また、その業務の絶対量が増えたら、あなたの業務量だけが増える結果になります。そのときにことの重大さに気づき、「誰かに引き継がないと」となったとしても、忙しくて引き継ぎの時間が取れず、結果残業という力技でクリアしていく事になりかねません。その状況に陥る前に、先に手を打つべきですね。
結論
「あなたがいないと困る」は、褒め言葉ではなく、属人化のサインです。
言われたらすぐに、その業務の内容を整理して、誰かに伝授して、属人化解消に動きましょう。今ならまだ間に合うはずです。
2: 「今日も一日頑張った」は悪魔の囁き
1日の仕事が終わり、「今日も一日頑張ったな」とお酒でも飲みながら充実感を感じる夜。たまらないですよね。
でも、その充実感はちょっと危険かもしれません。
今日1日、どんな仕事をしましたか?
目の前の作業にひたすら集中して、1日が終わってはいませんか?
そんな1日を過ごした日の夜は、充実感が残りやすいものです。
でも、本当にそれで良いのでしょうか?
目の前のことばかりに集中していると、「自分はなぜこの仕事を行っているのか?」「この仕事が終わった先にはどんな結果が待っているのか?」といった本質を見失いがちです。
更には、今行っている作業を「どうしたら効率化できるのか?」「もっと短時間で行うためにはどうしたら良いのか?」「そもそもやる必要があるのか?」という発想になりづらく、日々作業を繰り返すといった結果にも繋がりやすいです。
そうなると、無駄な作業を繰り返す、やらなくても良いことに時間を使うという悪い結果に繋がってしまいます。
そうならないためには、今行っている業務から少し離れて、脳に休息を与える時間が大事です。
リラックスして、脳をリフレッシュさせることで、本質に目を向ける余裕が生まれる、アイデアが浮かびやすいというメリットがあります。
あなたはそんな時間を作れていますか?
「最近忙しいな」と感じている方、「今日も一日頑張った」という日が続いている方は、
あなた自身の1日の仕事を振り返り、本質に目を向ける時間を作れているかどうかを振り返ってみましょう。
そして、その時間が持てていない方は、時には脳を休ませる時間を確保すると良いでしょう。
結論
「今日も一日頑張った」という日が続くのは、余裕を失っているサイン。
ときには休む勇気を持ちましょう。
3: 「怖い上司」 = 嫌な存在?
「怖い上司」と聞いて、皆さんはどんな方を思い浮かべますか?
・何かあると周り当り散らす
・機嫌が悪い
・人格否定のような発言をする
こんな上司は嫌ですね。私も嫌です。
こういう上司の方に当たってしまった場合は、即座に解決できる人に相談したほうが良いでしょう。
ただ、以下の方はどうでしょうか?
・仕事で求められる基準が高い
・中途半端な仕事では評価されない
・核心をついたフィードバックがされる
このタイプの上司も「怖い上司」だと思います。
でも、怖さの意味が前者の方とは全く異なりますよね。
どちらかというと「厳しい上司」と言い換えることができるかもしれません。
例えば、普段は物腰柔らかだが、いざ仕事の話になると上記のような行動をとってくれる上司。
そんな上司のもとで仕事をすると、
・目線を上げて仕事をする
・目に見える結果を追求する
・自分の本質的な課題に目を向ける
といったスタンスが身につくと思います。
この「怖さ(=厳しさ)」は、実は「優しさ」なんだと捉えることで、常に成長し続けることができると思います。
結論
「怖い上司」は、嫌な存在ばかりではない。
「怖さ」=「厳しさ」であれば、その上司は有り難い存在である。
4: 部門や職能に「優劣」は存在しない
「私たちはこんなに頑張っているのに」
「あいつらは私達が行っていることをわかっていない」
仕事をする中で、こんな感情が生まれた事はありませんか?
これは、自分たちの業務が「優」で、他者の業務が「劣」であるという発想から生まれる感情だと思います。
部門や職能が異なると、それぞれ目指している姿やミッションが異なるため、意識のギャップは発生しやすくなります。
特に、組織の規模が大きくなればなるほど、部門/職能間の距離が空きやすくなり、こういった考え方を持った人が増えてくる傾向があります。
でも、これは本来会社として目指す姿やミッションが部門/職能で細分化されて内容が異なっているだけであり、同じ会社に属する人であれば、本来目指すべき姿やミッションの根っこの部分は同じのはずです。
そこを相互に理解できていれば、冒頭のような感情は発生しないはずです。
部門や職能に優劣はありません。行っている業務が異なっているだけです。
それでも他の部門や職能に対してネガティブな発想や感情が生まれてしまっている場合は、積極的に対話を行い、意識のギャップを埋める努力を行ったほうが良いでしょう。
最終的に目指す姿が同じであれば、対話によって必ずそのギャップは埋めることができるはずです。
結論
部門や職能に優劣はありません。あるのは意識のギャップのみ。
「私達は〇〇なのに」「あいつらは〇〇だ」という声が聞こえた場合は、意識ギャップを埋めるための対話を行いましょう。
5: 「絶対に無理」という言葉は存在しない
エンジニアの皆さん、開発のリソース調整を行う中で、「これは無理です」という言葉を使いたくなるケースってありませんか?
でも私は、開発を行っていく中で「絶対に無理」という状況は、原則存在しないと思っています。
もちろん、エンジニアはリソース管理が重要で、捻出できるリソースには限界がある。
明らかに無茶なタスク量を詰め込んで、無理な残業をして、限界以上のリソースを引き出して開発を行うのはやめたほうが良いです。そんな状況を強いられるようなリクエストが来たら「無理です」と答えたくなってしまいますよね。
でも、依頼する側からすると、専門性が高い職能の人から「無理」と言われるは意外と辛いです。相手の専門性が高ければ高いほど、そこに口出しがし辛く、より辛いです。
リソースが問題であれば、リソースコントロールを行えば調整できる範疇だと思います。
例えば、
・緊急度・重要度が高い最優先案件が目の前に存在しており、優先度の変更が出来ない
・優先度の調整が出来たとしても、アサインしているメンバーのタスクを中途半端に切り替えると開発効率が落ちる
・開いているメンバーがいたとしても、スキルバランス的にその案件にアサインするべきではない
という状況に対して、どうしても「無理」という言葉を使いたくなるのですが、でもこれは、「絶対に無理」な状況ではないです。
新規で受けた依頼に対して、重要度と緊急度を鑑みて、優先度を考慮する必要があります。そして、当然ながら今行っている案件にも優先度が存在しています。その状況の中で、現案件と新案件の緊急度と優先度、優先度調整似て発生するリスクを鑑みた上で、どちらを先に対応するべきなのかを考えるべきです。
そして、その結果、優先度順位を変更するべきではないという結論であれば、「無理」ではなく、「今は難しい」の方が正しいと思います。
ちなみに、弊社では、過去に超絶優先度が高いビックプロジェクトを一旦止めてでも、別の動きに工数を割く判断を下したケースも何度かあります。これは、上記が「無理」ではない最たる例ですね。
要は、こういった考察・議論・対話が正しく行われているかがとても重要です。
この対話を行わず、「無理」というパワーワードを使ってしまうと、相手に、「あの人に相談しても無駄だ」「相談するのをやめよう」と思われてしまう可能性があります。
「無理」という言葉は、基本的には使わないほうが仕事はスムーズに動きます。
結論
「無理」という言葉はかなりのパワーワード。
「無理」という言葉は基本的には使わず、依頼者と対話して適切な優先度設定を行い、相互に納得感を持った上で進めたほうが、仕事はスムーズに動きます。
6: 「仕事のより好み」はしない方が良い
「この仕事は私がやらなければいけないの?」
「それは私の仕事じゃない」
そんなケースに遭遇したことはありませんか?
特にエンジニアのような専門性が高い職種であれば、遭遇するケースが多いと思います。
賛否両論あると思いますが、私は基本的には職種を跨いだ業務を経験することは、良いことだと捉えています。
もちろん仕事には優先順位があり、職能毎に専門性が存在しているので、むやみやたらにタスクチェンジをしてしまうと組織全体の生産性が落ちるのは事実です。
でも、例えば以下のようなケースであればどうでしょうか?
・ プロジェクト内で、自チーム(自職能)のタスクは予定より前倒しで進んでいる
・ 他チーム(他職能)の進捗を見ると遅れが発生しおり、全体スケジュールの中でのボトルネックとなっている
・ 他チームは明らかに人手が足りていない。人手さえあれば進捗を前に進めることが可能な作業が存在している
この状況の中で、「職能が異なるから」という理由で、これは私の仕事じゃないと割り切ってしまうのは、もはや仕事の選り好みだと思います。私だったら職能を跨いでフォローに入ります。
もちろん、全体の生産性を落として、目的達成を妨げるような職能跨ぎは行うべきではありません。
でも、状況に合わせて、職能を跨いでフォローを行うことによって、全体の業務内容を把握できる、全体俯瞰して物事を捉えることができる、(前項でも挙げたような)職能毎に存在する意識ギャップを埋めるための手助けになる、というメリットが生まれます。
仕事の選り好みをせず、状況に合わせて今まで行なったことのない他職能の業務も経験することは必要ですし、ご自身の成長にも、つながると思います
結論
仕事のより好みはしないほうがよい。状況によっては職能を跨いで業務を経験するのもあり。
職能を跨いで業務を経験することで、ご自身の意識・知識の幅を広げる良い結果が生まれます。
7: 「レポート資料作成」の意義
皆さんは、レポーティングは行われていますか?
私自身、部長という役割を頂いている中で、上下左右のレポートはよく行います。1日に1回は何かしらのレポートは行っていると思います。
そんなレポーティングの中で、毎回発生するのが資料作成という業務。
資料作成と聞くと、
・ 手間がかかってめんどくさい
・ 何かを生む作業ではないので、何のために行うのかが分かりづらい
・ あまり資料作成に時間をかけたくない
といった印象を持たれる方も多いのではないでしょうか?
でも、「(レポートのための)資料作成」って、単にレポートする目的だけではなく、他にも色々なメリット/効果があると考えています。
具体的には、
・ レポートを書くことによって、自分の頭の中で整理できる
・ 文字にすると、説明しきれない点や思考が漏れている点、考えが浅い点に気づける
・ もちろん資料があったほうが相手にも伝わりやすいし、会話の履歴としての効果もある
というメリットや効果があると考えます。
一つ一つ、行っていることにちゃんと意味や意義を見出して、効果を理解して行動し、ちゃんと自分自身の成長に繋がっていることを意識するだけで、成長速度は変わってくると思います。
もちろん、1年中ずっと資料作成だけを行っているだけだと生産性は悪いです。でも、週に1〜2時間程度、資料作成の時間を取ると、自分自身の考えの整理やヌケモレの抽出が出来て、有意義な時間になります。
「資料作成」=「めんどくさい、嫌な作業」と捉えるのではなく、意義を意識しながら実施することが重要です。
結論
レポート資料作成は、単にレポートだけを目的とするのではなく、頭の整理と捉えると効果的に時間を使える。
資料作成を行う過程の中で、自分自身の思考の振り返りができる、漏れに気づけるという効果がある。漏れに来付が、より深い考察につなげることが出来るので貴重な時間と捉えるべき。
終わりに
いかがでしたでしょうか?
私自身、今年1年間業務を行ってきた中で、上記のようなケースが何かしら目にしてきました。
でも、周囲の方々からの言葉、書籍を読んで目に入った言葉から、学びを得て、教訓として活かすことが出来ました。
この投稿を読んでくれた方にとって、何かしらのヒントや、改善/成長のためのきっかけになれば幸いです。