まえおき
プロジェクトリーダーというお仕事
https://qiita.com/br_branch/items/bbbaba835b45e79efa5b
を読んでよく体系立てて実際のタスクから精神面のフォローまできちんとか書かれている良い記事だなと思いました。
私はスクラムをやっている人間なので、よくいわゆるプロジェクトリーダーをされている方々に「プロジェクトマネージャーとスクラムマスターはどう違うんですか」とか「誰がスクラムでは責任を持つのですか?」と言われます。
だったらこの記事を元にスクラムとの対比を書いてしまえばいいんじゃないと思っています。
あちなみにスクラムの敵はスクラムですから、べ、べ、別に旧態依然のプロジェクトに喧嘩売っているわけではないからねっ!
前提条件
スクラムの役割
- スクラムマスター 以下SM
- プロダクトオーナー 以下PO
- チームメンバー 以下メンバー
の3つの役割の話をします。マネージャーやタスクフォースチームやステークホルダーの話はしないです。
まず結論
スクラムではプロジェクトリーダーという役目は定義されていません。しかし、メンバーの中に歴戦の勇者が少ない場合はそういう人がいても良いと思います。いずれ全員がプロジェクトリーダーの役目が務まるように成長するはずです。
またスクラムの型にハマるとプロジェクトリーダーのやることが他の人に回ってしまったり、やらなくて良いことが現れます。
スクラムの使命
「担当するプロジェクトを成功へと導く」
POがその使命を持っています。
それに対してSMがしっかりサポートしていきます。
この二人のコミュニケーションが取れることが大事です。
「プロジェクトの成功」の定義もほぼほぼそのままでいいでしょう。
メンバーはチームの生産性を上げることを使命に。
スクラムマスターはチームの幸福度を上げることを使命に。
スクラムでの役割
ゴールの設定を行う
POの役割です。
SMやメンバーにきっちり示しましょう。
ただし、ただしKPIの設定やKGIの設定についてはメンバーで協議しても良いでしょう
また非機能要件や環境の整備についてはメンバーと決めることになります。成果物もきちんとメンバーと約束しましょう。
タスクの管理と工数の見積もり
タスクをプロダクトバックログアイテムと定義すれば、これはPOが責任を持ちます。またその優先順位についてもPOが責任を持ちます。タスクの見積もりはメンバーが責任を持ちます。
やりたいことをプロダクトバックログにアイテムとして記述して、それらを常にメンバーと一緒に整理します。整理しながら見積もりを立てます。ストーリーポイント性を導入することが多いでしょう。
スプリント内のタスクや見積もりについてはメンバーで管理します。
スケジュールを管理する
タスクを見積もるのはメンバーの役割です。
ではスケジュールを管理するのは誰か?
スプリント中のスケジュールはメンバーで管理します。スプリント内で終わらせられるようにメンバーできちんと調整しましょう。
スプリントに入る前のプロダクトバックログでのスケジュールについては ポイントとベロシティを用いて、SMがきちんと見える化します。それを元にPOがマイルストーンの設定します。
クリティカルパスの把握はそもそもスケジュールを大きく見積もっているので発生しがちですが、小さくスプリントを区切ってリリースをしていくのであまり発生しない印象です。
とはいっても発生しますけどね。
メンバーの役割の割当
メンバーの役割です。自分たちで組織し自分たちで改編していく。自己組織化の原則です。
リスク管理
リスク管理についてはSMの責任です。
リスクの探索、リスクを見える化、それに対する解決策の模索、実行。
ただし実行するのはメンバーが実行しますので、SMが常にアンテナを張ってメンバーとコミュニケーションを取りつつ、進めることになります。
品質管理
品質はメンバーが責任を持ちます。
POがビジネス価値を踏まえて定義する品質に向かって、メンバーが推し進めることになります。
チームビルディング
SMの役割です。
チームがコラボレーションできるように常に全員と話をして信頼される必要があります。
最後に
こう見るとプロジェクトリーダーの役割をSMやPOに割り当てられることで権限が縮小されています。
更にはリーダーという「個」から、メンバーという「集団」に責任を持ってきています。
これが実は大事なことで、既存のプロジェクトリーダーは単純にやることが多すぎ、広すぎ、細かすぎな感じがしますね。権限を分けてかつ薄めるという目的もありそうです。
これが数ヶ月単位のウォーターフォールだとなかなかまとまらないかもしれないですが、1週間単位のスプリントならなんとなくできると思います。
ぜひ皆さんもレッツスクラム!!