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SREノススメ 其の6

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SRE本 第9章「シンプルさ」詳細まとめ【複雑さとの闘い・設計原則・実例付き】


🔰 はじめに

SRE本 第9章「シンプルさ」では、Googleがインフラや運用において**「複雑さ」こそが最大の信頼性低下要因**であると認識し、シンプルな設計を重視する文化と哲学を解説しています。

信頼性・運用性・拡張性をすべて維持し続けるために、なぜシンプルさが重要なのか?どうすればシンプルに設計できるのか?この章ではその問いに向き合います。


🧱 複雑さの本質とは

✅ 定義

複雑さ(Complexity)とは、「あるシステムの振る舞いを予測しづらくする要因の総体」です。

🔥 複雑なシステムの弊害

  • トラブルシュートが難しい
  • 変更の影響範囲が読みづらい
  • 障害が連鎖しやすい
  • 人による運用・保守が困難になる

複雑さは技術的負債であり、障害の温床です。


🧠 なぜエンジニアは複雑にしてしまうのか?

誘因 説明
機能追加 ユーザー要求を満たそうとして仕組みが増える
スケーリング対応 トラフィック増加でインフラ構成が多層化
チーム交代 歴史的経緯の理解不足で設計が継ぎ接ぎになる
コンウェイの法則 組織構造がシステムに投影されてしまう

📌 シンプルさを設計に組み込む方法

✅ 設計時の原則

  1. 理解しやすいこと
  2. 変更しやすいこと
  3. 予測可能であること
  4. 不要な依存を避けること

🔧 シンプルにするための具体策

  • 機能を分離してモジュール化
  • 可視性・監視性を意識した構成にする
  • 明示的なエラー処理とタイムアウトを設計に含める
  • 単一責任の原則(SRP)を守る

🧭 システム設計の複雑化を防ぐフロー(図解)


📊 例:複雑 vs シンプルな設計比較

観点 複雑な設計 シンプルな設計
デプロイ方法 5段階の手動スクリプト CI/CDで自動化
ログ構成 ローカル保存+FTP+手動圧縮 Cloud Logging一元管理
エラー処理 例外が沈黙し原因不明 ログ+アラート+メトリクス連携

🧠 Googleの事例と学び

  • Googleでは「スケーラブルだが複雑な設計」をシンプルにリファクタリングした事例が多数ある
  • 複雑な依存関係は、新人オンボーディングの障壁になる
  • このシステムを1週間で再構築できるか?」という問いが設計の健全性を測る指標になっている

✅ SRE的シンプル設計の鉄則

  • 理解できないシステムは運用できない
  • SLOやエラーバジェットの可視性がある構造を選ぶ
  • SREはシステムの「なぜそうなっているか」を説明できるようにしておく
  • シンプルであることはセキュリティにも寄与する

📌 まとめ

  • 複雑さはあらゆる障害の母体
  • シンプルな設計は、信頼性・変更容易性・学習コスト削減につながる
  • シンプルを保つには、設計段階から運用まで一貫した意識づけが必要

🚀 次にやること

  1. 自システムにおける「複雑な箇所」を3つ書き出す
  2. その構成・依存関係・手順を図解する
  3. 「1週間で作り直せるか?」を自問してリファクタリング計画を立てる

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