※2012年時点での記録です。ITILは現在はV4が最新となっているので、ご参考までに。
「ITIL(Information Technology Infrastructure Library)」という、ITサービスマネジメントのフレームワークのデファクトスタンダードについての知識を身に着けているかどうかの資格試験があります。
IT企業では、営業職などで持っていると頼りになるということで、ここ最近、人気急上昇の資格らしいです。
そのITILの入門の資格である「ITIL V3 Foundation(ファウンデーション)」を受験する羽目になり、独学でもなんとか2週間で合格できたので、その体験記を後進のために記しておきます。
ちなみに、私は大学では民俗学や文化人類学を学び、就職してからはメーカーで原価管理、管理会計をずっとやっていた、ITど素人です。
ひょんなことから、転職先でシステムの運用管理に携わることになり、そのプロジェクトにアサインされる前に、上司からIT運用のデファクトスタンダードであるITILを勉強して、ついでにファウンデーションの資格も取っておけということで自腹で2万円かけて取ってきました。
まあ、会社の金で受験してたら、本気になれずに受からなかったかもしれませんけどね。
上司に受けろと言われたのが、3月14日。そして、今月中に受験しろと言われたので、試験日はぎりぎりの3月31日に設定。
最初、ITILがどんな資格かも分からなかったので、そこから調べて、勉強期間はゼロから始めて実質ちょうど2週間。
なお、ITILの試験はプロメトリック(PROMETRIC)から受験できて、EXIN(オランダ)とISEB(イギリス)の主催の試験を選べますが、日本語で受験できるのがEXINのみなので、ほとんどの人はEXINで受けるでしょう。
で、独学でITILの勉強を始めたのですが、どうやらITILにはV2とV3があるようです。(「V」は「ヴァージョン」らしいです)
今はもうV3がメインになっているので、私もV3を受験しました。
が、テキストはまだV2のものも多く出回っており、アマゾンなどで購入するときは要注意です。
私は、テキストは『ITIL V3実践の鉄則』(久納信之、技術評論社)を使用しましたが、この本はV3に特化しており、V2と範囲がかぶっている箇所は、さらっとしか説明していないよう。(アマゾンのレビューより)
そこで、その本の前バージョンである『強い会社はこうして作られる! ITIL実践の鉄則』(久納信之、技術評論社)も購入し、まずはITIL V2から勉強を始めました。
なお、それぞれの本の説明は、「ビジネスの基礎知識としてのITIL」と「ITIL実践の書(資格試験にも可)」を参照してください。
実際に勉強したスケジュールとしては、V2が5日、V3が6日、問題練習が3日くらいで時間配分しました。
問題演習は、演習用の問題集をわざわざ買うのはもったいないし、そもそもV2用の問題集はあっても、V3用の問題集はまだほとんど出ていないようなので、ネットで無料公開されている問題を主に解いていました。
参考になったサイトは、
「無料deITIL V3 Foundation模擬試験」・・・完全無料で、問題数も多く、解説も載っているので、最もお世話になりました。
「ITILファンデーション 模擬試験問題集&解説 p1 (サービスサポート領域1)」・・・問題数は少ないですが、情報処理試験で出題されたITIL関係の問題も載っており、勉強になりました。ただ、範囲がV2からの出題が多いかもしれません。
「EX0-101J ITILv3(Foundation)模擬問題集」・・・正規版は2,500円しますが、無料公開の問題が数題あります。解説が手厚いです。
「ITIL V3ファンデーション模擬試験」・・・本番さながらの問題ですが、解説がまったくありません。最後の最後に、自信をつけるためにトライしてみてもいいかもしれません。
また、問題ではありませんが、
「ITIL V3リスト(単語帳ドットコム)」・・・ITIL V3で出てくる重要単語が網羅されています。テキストで概要を理解した後、単語を暗記することが必要であれば、使えます。
という感じで2週間勉強し、本番の試験では77%の得点率(65%以上で合格)で、何とか合格することができました。
試験の所感としては、単語を暗記していなくても(ある程度は必要ですが)、語の概念や意味、人の役割や流れ(サイクル)を理解していれば、65%は取れそうな感じでした。ただ、ひっかけのような問題もあったので、満点は難しいかもしれません。
一般的なITの用語とは違う概念で語を用いてるものがあるらしいので、ITについて詳しい方は、逆に混乱するかもしれません。(と、ITに詳しい人が言っていました)
ど文系でゼロから勉強する人は、逆にビギナーズラックがあるかもしれません。
詳しいITのプログラムや機器の話もないので、IT素人の人は、情報処理試験などから始めるより、ITILから始めたほうがとっつきやすいかもしれませんね。
あくまで、ITパスポートすら持っていないのにITILを取得してしまった、ど文系の私の個人的な感想ですが。
ということで、これから需要が高まりそうである資格試験のITIL V3 Foundationについての合格体験記でした。