筆者はシステムの開発現場でシステムアーキテクトを担当することが多いのですが、システムアーキテクトの仕事はどんなことをするのかイマイチ説明が難しかったりします。
前回は「システムアーキテクトとは何者か?」というテーマで、役割や重要性について紹介しました。
今回は、より具体的に「システムアーキテクトがどんな1日を過ごしているのか」「プロジェクトの中でどんな動きをしているのか」をお伝えします。
🕒 システムアーキテクトの1日の流れ(例)
以下は、ある平日の典型的なスケジュール例です。
時間帯 | 内容 |
---|---|
9:30〜 | チーム朝会(進捗確認・技術的課題の共有) |
10:00〜 | 設計レビュー(開発チームとの仕様確認) |
11:00〜 | 技術選定の調査・検討(新機能に向けた構成案の検討) |
13:00〜 | クライアントとの要件定義ミーティング |
15:00〜 | アーキテクチャ設計資料の作成・更新 |
17:00〜 | 社内レビュー・ナレッジ共有 |
🧠 アーキテクトは「設計」と「調整」の時間が多く、コードを書く時間は少なめです。
🔍 プロジェクトの中での動き
システムアーキテクトは、プロジェクトのライフサイクル全体に関与します。以下はその概要です。
1. 要件定義フェーズ
- ビジネス要件を技術的にどう実現するかを検討
- 非機能要件(性能、可用性、セキュリティなど)の整理
2. 技術選定フェーズ
- 使用する言語、フレームワーク、クラウドサービスなどを選定
- 技術的なトレードオフの検討(例:開発効率 vs 保守性)
3. 構成設計フェーズ
- システム全体の構成図を作成
- 各コンポーネントの役割や連携方法を定義
4. 実装・テストフェーズ
- 設計通りに実装されているかをレビュー
- 技術的な課題に対する支援・アドバイス
5. リリース・運用フェーズ
- 運用設計(監視、障害対応など)の支援
- 次期開発に向けた改善提案
🤝 他職種との連携
アーキテクトは、以下のような職種と密に連携します。
- プロジェクトマネージャー:スケジュールやリスクの共有
- 開発エンジニア:設計意図の説明、技術的な相談対応
- インフラエンジニア:クラウド構成やネットワーク設計の調整
- セキュリティ担当:脅威分析や対策の設計
🎯 技術だけでなく、コミュニケーション力も非常に重要です。
✍️ まとめ
システムアーキテクトは、プロジェクトの技術的な方向性を決める重要な役割を担っています。
設計・調整・連携を通じて、チーム全体の技術力を底上げする存在です。
次回は、システムアーキテクトという職種の魅力やキャリアパスについてご紹介します。
📘 次回予告:システムアーキテクトの魅力とキャリアパス