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エフェクティブチャット(社内勉強会)

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概要

タイトルの内容で社内勉強会を以前開いたので、そのレポートを残します。
ビジネスチャットでの文章コミュニケーションをうまく行うための、文章の書き方読み方考え方のテクニック紹介という感じの内容です。

参考資料

上記資料以外に、経験則に基づく内容や社内の方からのアドバイスも含めて資料を作成しました。
全1回、60分の構成で実施しました。
リアルタイム参加者は35名前後です。

目的

フルリモートで働く上で、必然的にコミュニケーションを文章で行うことが多くなりました。
対面と文章で、全然印象が違うと感じられる人が身近にもいるのではないでしょうか。
文章コミュニケーションのせいで損をするのはもったいないというところから、このテーマで勉強会を開催しました。

  • リモートワークで欠かせない文章コミュニケーションの技術を磨きたい
  • 文章コミュニケーションでお互い気持ちの良いコミュニケーションを取りたい
  • なんか最近もやもやするコミュニケーションが目につく、パブリックな発言はもっと精神衛生上いい文章にしてくれ😡😡

というところですね。

内容

目次

タイトルは「Effective Java」が元ネタです。
目次の題名も若干それに寄せています。

  • オブジェクトの生成と消滅
  • すべてのオブジェクトに共通のメソッド
  • クラスとインタフェース
  • ジェネリクス

↑に合わせた構造、という遊び心です。

チャットの長所と短所

ここでは文章のテクニックの前に、そもそもチャットってどういうものだっけ?というところを確認していく話をしました。
チャットのといいつつ、文章コミュニケーションの長所短所って感じの内容も含まれています。

チャットコミュニケーションの一番の課題は、感情の欠如にあると思っています。
文章に感情が足りないことでお互いの感情の食い違いが発生します。
例えば書き手はアドバイスをしているつもりなのに、読み手からすると注意または怒られていると感じるといったことが起こりえます。
これによって、怒られた、辛い、この人(=書き手)は私(=読み手)のことが嫌い?、みたいなネガティブな感情が読み手側に発生します。
そうして読み手側はコミュニケーションをしたがらない、明らかに他の人と態度が異なるみたいなコミュニケーション不全が起きてしまうという流れです。

特にチャットはメールに比べてやり取りが頻繁になり、文章を書く機会も多くなります。
つまり、母数が多くなる分だけ上記のようなコミュニケーション不全が起きる可能性も増えるということですね。

これの対策として考えられる方法は2つです。

  • スキルを学ぶこと
  • 考え方を変えること
    です。

スキルの部分は文章の書き方ということで想像がつきやすいですが、考え方についてはなかなかイメージが湧きにくいものかもしれません。

すべての言語に共通のtips

ここでは言語を問わない文章の書き方読み方テクニックの紹介をしました。
チャット以外にも適用できるものもあります。
また、tipsの内容に関して同意できるもの、賛同できないもの、これが足りない!というものなど、いろいろあると思います。
これらのtipsに対して、「絶対正しいor間違っている」ということはないので、その前提で捉えてみてください。

一文を短く

一文が長いと疲れます。
読み手は「なに書いてんだコイツ」ってなりますし、書き手は「なに書いてんだおれ」ってなります。
小説とかポエムじゃないんだから、一文をあえて長くする必要はありません。
一文には1つの意味、意図だけを表すようにしたほうが良さげです。

曖昧な言葉は具体的な言葉に

曖昧な言葉によって「あの時こう書いてた!」「いや、それはこういう意味だったの!」みたいな書いた書いてない論争が起きかねません。
数値や事実に置き換えるor付け加えることによって、正確な情報を伝えるようにしましょう。

これは後から思ったことですが、例文の1週間も曖昧ですね。
営業日ベースで5日間なのか、単純に7日間なのかで誤解が発生するかも。

語彙を増やそう

これに関してはチャット以外にも、対面コミュニケーションでも有効です。
こちらの記事にもある通り、語彙力とは人、時間、場所、状況にあった単語を知っていて、かつ使えることです。
小難しい単語や専門的な単語、強い否定の言葉などは使い所を選びます。
それによってコミュニケーションにズレが発生するぐらいなら、最初からその言葉を使うことなく別の言葉を使えばいいだけです。
いろいろな文章を読み、気持ちを想像できるようになれば、語彙力も身についていくのではないでしょうか。
いわゆる「作者の気持ちを考えろ」ですね。

勉強会のときには話しませんでしたが、この語彙力については「考え方」にも影響します。
どういうことかと言うと、説明が難しい、あるいはどこか攻撃的に感じられる文章を書く人に対してイライラするのではなく「あ、この人は語彙力がないだけなんだな笑」と、大人の余裕を見せるもとい心の中でマウントを取って精神衛生を保つことができるというわけです。
くれぐれも「心の中だけ」にしましょう。
まあこれは半分ジョークです笑。

読み直そう

送信前に1回読み直せば文章の誤りに気づくことができます。
1回読み直して、よりよい文章にするように心がけましょう。
つまりリファクタですね。

すべてを語るべからず

1回で送る文章を長くすると、やっぱり全体的に文章が長くなり疲れます。
無駄や重複を省いて1文を短くしていくといいと思います。
これには文章のラリーが増えて面倒という意見もありますね。

寛容に生きよ!

これが「考え方を変える」の部分ですね。
今までのtipsに対して人それぞれの意見があるように「みんな違ってみんないい」なので、それを受け入れることが重要だと言いたいです。
健康であればポジティブに思考でき心に余裕も生まれるというわけですね。
心身の健康を保ちましょう!

ちなみに、このタイトルの大元ネタはウィトゲンシュタインの言葉にある「幸福に生きよ!」です。

その他

チャットを投稿したがらない人に対してどうしたらいいかという質問が出ました。
チャットが嫌いなのか苦手なのかにもよるかもですが、どちらにしてもどんなことでもチャットに書いていいという雰囲気を作っていくことが大切だと思っています。
自分からくだらない話や些細な内容の質問などをパブリックな場でしていくことで、「あ、こんな内容でも書いていいんだ、こんなちょっとしたことでも聞いていいんだ」と思わせる空気を作り、それを文化として根付かせることが一番いいのかなと。
その人に対して直接コミュニケーションをしなくても、自分の日々の振る舞いが少しずつ蓄積して周りに影響を与えていくものだと思っています。

日本語とEmoji

ここでは日本語に関するtipsと絵文字について話しました。

句読点

一般的な句読点を使い方について話しました。
特に読点についてはどこに打つかを悩みますね。
結局読みやすさに寄与するものなので、個人の感覚次第になってしまいます。

字面の白さ

日本語はひらがな、カタカナ、漢字などを使って文章を構成します。
日本人にとって、中国語の文章みたいに漢字だらけの文章だと読みにくさを感じてしまいます。
そのため、あえてひらがなを使い漢字の量を減らし、ぱっと見の印象で文章に余白があるように見せることでごちゃごちゃ感を少なくするというテクニックもあります。

また、漢字が多いと文章が固く感じられることもあります。
雰囲気を和らげるという意味でも、あえてひらがなを使うという場合もありますね。

記号

口語っぽくして会話っぽさを出しましょう。
! ー ~、たった1文字です。1文字使うだけで雰囲気変わるのでコスパ高いと思います。

Emoji

文章において欠けてしまいがちな感情を手軽に表現できる文字です。
メリットが多い文字だと思いますので、よほどのこだわりがない限りは積極的に使っていったほうがいいと思っています。

丁寧さ

ここでは、そこまで意識して丁寧に文章を書く必要があるのか?という疑問についての、私なりの回答を話しました。
チャットなんだからもっと気軽に書かせてくれよって思う方もいるかもしれませんが、ビジネスチャットなら丁寧に文章を書くに越したことはないと思っています。

チームメンバー ≠ ともだち

大学の同期で会社創設しました!みたいな場合とかを除いて、大抵は会社の方とは友達ではないと思います。
少なくとも仕事中はチームメンバーと友達のノリで仕事をすることはないはずです。
そうなると、文章でコミュニケーションを取るのも1つの仕事なわけですから、仕事だったら時間をかけてもいいのでちゃんと文章を考えてコミュニケーションを取っていくほうがいいと思います。

敬語

チャットの場合は社内の方との会話がほとんどになると思います。
その時に過度にへりくだる必要はないと思っています。
敬語でなくても態度の丁寧ささえ伝わればいいのではないでしょうか。

プロセス品質

ソフトウェアの開発の過程おいて、土台にあるのは結局コミュニケーションです。
丁寧なコミュニケーションがプロセスの品質をあげ、それが結果的に製品の品質維持、あるいは向上にまで繋がる可能性もあります。
たとえば、丁寧なコミュニケーションによって話やすい空気感が生まれていれば、製品に対する疑問について積極的に議論を行うことができ、よりよい製品になっていくということです。
逆の場合のほうがわかりやすいです。
開発者が仕様不備に気づいたけど、その仕様を考えた人との間でコミュニケーション不全が発生していて、それを伝えるのが面倒で結局バグが流出して製品の品質が下がってしまうという流れです。

ジェンガ

最後に私が好んで使う例え話をしました(リファクタリングにもこの例えは適用できると思っています)

ジェンガとはご存知の通り棒が積み重なったタワーのことです。
あのタワーをコミュニケーション不全の塊と捉えます。
コミュニケーション不全が起きる度、棒を取り上に積み重ねジェンガのゲームを進めていきます。
そうしてある時、土台部分がスカスカになり「崩壊」してしまいます。
ここでいう「崩壊」とは、たとえば長時間残業の恒常化であったり、チームメンバーの流出であったり、最終的にチームが成り立たなくなったりすることです。
一方で「お前のコミュニケーション、いつもムカつくんだよ!!」みたいに喧嘩が発生することは、むしろいいことだと思います。
そこで感情や意見が表に出ることで、じゃあどうするかと対策を考えることに繋がるからです。

ジェンガのゲームと違うところは「棒を戻してもいい」ということです。
棒を取って上に乗せてしまっても、後から取った部分に戻すことができます。
「あの時○○と書いたけど、実は△△ということを伝えたかった。誤解していたらすみません」と想いを伝えれば、棒を戻せるのです。
ジェンガを積み重ねない、重ねても元に戻していくという意識を持つといいと思います。

まとめ

どんなに正しいこと、重要なことを書いたとしても、その文章次第では受け取られ方が変わります。
また逆もしかりで、読み取り方次第で自分の感情も変わるということです。

反省

アンケートで気になった意見を以下にピックアップします。
それに対する回答も記載します。

  • マナー講師みたいな押し付けの感じじゃないのが好感
    • これ全然意識してなかったのですが、結構やばめな問題でした。
    • 一歩間違えれば押し付け感が出てしまったかもしれません。
    • 基本的に「~していきましょう」「~したほうがいいです」といった提案ベースで話せていたのでセーフといったところですね。
  • 伝えたいことがあふれて時間が押し気味
    • 相変わらずタイムマネジメントが甘いです。
    • もうちょっと内容を絞れればよかったです。
  • 日本はコミュニケーション不全が蔓延しているが、「気持ちいいコミュニケーション」を義務教育の範囲で教えるべき
    • 日本語の構造もあるのかな~と思っています。
    • 日本語もSVOの文法で結論から先に話す言語特性であったら、もっとお互い自分の気持ちを素直に伝え合えたり正しく情報を共有できたりしたのかもしれません。
    • 言語学と文化に詳しい方に、本当に日本ではコミュニケーション不全が蔓延しているのかを教えてもらいたいです。

意外に「このtipsは受け入れられない!」みたいな意見はなくて、みんななんとなく意識していることは同じなんだなと思いました。
参加者の方にとって共感できるところが多かったようで、反応はかなりよかったです。

以上、社内勉強会のレポートでした。

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