こんなツイートがバズってたので、(1)だけ解いてみた。
第四問
$ n,k $ を $ 1\leq k \leq n $ を満たす整数とする。$ n $ 個の整数 $$ 2^m\quad(m=0,1,2,\cdots,n-1) $$ から異なる $ k $ 個を選んでそれらの積をとる。$ k $ 個の整数の選び方すべてに対しこのように積をとることにより得られる $ {_n}\mathrm{C}_k $ 個の整数の和を $ a_{n,k} $ とおく。例えば, $$ a_{4,3}=2^0\cdot2^1\cdot2^2+2^0\cdot2^1\cdot2^3+2^0\cdot2^2\cdot2^3+2^1\cdot2^2\cdot2^3=120 $$ である。
(1) 2以上の整数 $ n $ に対し, $ a_{n,2} $ を求めよ。
まずは式を立てるところから。
$ 2^0,2^1,2^2,\cdots,2^{n-1} $ から2個選ぶので、
$$ a_{n,2}=\sum_{j=0}^{n-2}2^j\sum_{k=j+1}^{n-1}2^k $$
どうやら、$ 2^n $ の総和と部分和が必要になりそう。
というわけで、総和から求めていきます。
$$ \sum_{k=0}^n2^k=1+2+4+8+16+\cdots+2^n $$
両辺に2を掛けると、$$ 2\sum_{k=0}^n2^k=2+4+8+16+\cdots+2\cdot2^n $$
後の式から前の式を引くと、以下のように総和が求まります。 $$ \sum_{k=0}^n2^k=2^{n+1}-1 $$
部分和は以下のように求まります。
$$
\begin{align}
\sum_{k=j}^n2^k &= \sum_{k=0}^n2^k-\sum_{k=0}^{j-1}2^k \\
&= (2^{n+1}-1)-(2^j-1) \\
&= 2^{n+1}-2^j
\end{align}
$$
上記の式から $ k=j+1 $ から $ n-1 $ までの $ 2^k $ の部分和は $ 2^n-2^{j+1} $ となるので、$$
\begin{align}
a_{n,2} &= \sum_{j=0}^{n-2}2^j(2^n-2^{j+1}) \\
&= \sum_{j=0}^{n-2}2^j2^n-\sum_{j=0}^{n-2}2^{2j+1} \\
&= 2^n\sum_{k=0}^{n-2}2^k-2\sum_{k=0}^{n-2}4^k
\end{align}
$$
今度は $ 4^n $ の総和を求める必要がありますね。
$$ \sum_{k=0}^n4^k=1+4+16+64+256+\cdots+4^n $$
両辺に4を掛けると、$$ 4\sum_{k=0}^n4^k=4+16+64+256+\cdots+4\cdot4^n $$
後の式から前の式を引くと、$$
\begin{align}
3\sum_{k=0}^n4^k &= 4\cdot4^n-1 \\
\sum_{k=0}^n4^k &= \frac{4^{n+1}-1}{3}
\end{align}
$$
$ 2^k $ と $ 4^k $ の $ k=0 $ から $ n-2 $ までの総和をそれぞれ代入して、
$$
\begin{align}
a_{n,2} &= 2^n(2^{n-1}-1)-2\frac{4^{n-1}-1}{3} \\
&= 2^{2n-1}-2^n-\frac{2\cdot4^{n-1}}{3}+\frac{2}{3} \\
&= \frac{4^n}{2}-2^n-\frac{4^n}{6}+\frac{2}{3} \\
&= \frac{4^n}{3}-2^n+\frac{2}{3}
\end{align}
$$
というわけで、解答は $$ a_{n,2}=\frac{4^n}{3}-2^n+\frac{2}{3} $$ となりました。