Loupedeckというガジェットがあります。
いわゆる左手デバイスという代物で、写真やビデオの編集、動画配信などのクリエイティブ作業を効率化するための製品です。
左手デバイス
右利きの人が左手を使用して入力操作を行えるようにするための補助的な入力装置の通称
本記事の対象読者
- ショートカットキーが中々覚えられない人
- 一度覚えてもすぐ忘れる人
VSCodeの場合を取り上げますが、他のツールやアプリにも適用できる内容になっています。
経緯
私は記憶力があまり良くなく、エディタからしばらく離れているとショートカットキーを奇麗さっぱり忘れる習性があります。その度に「コメントアウトってどうやるんだっけ・・・?」と調べ直すことを毎回やっており、いい加減どうにかしたいと思っていました。
そんな折に出会いがありました。Loupedeckです。
私が気ままにインターネットを散策していたとき、突如として彼の存在に気づきました。その魅力はまるで春の一陣の風のように、私の心を優しく揺さぶりました。彼なら私のダメな部分も快く受け入れ、支えになってくれると感じたのです。
そういう訳で本記事は、私の一目惚れから始まった、Loupedeckを理解ある彼君に仕立て上げるために奮闘した記録の一部始終です。
Loupedeckの簡単な説明
画像は「Loupedeck Live」という製品です。なお各部の名称はこの記事の説明用に付けたものであり、公式とは異なります。
名称 | 説明 |
---|---|
ダイヤル | 「左回し」「右回し」「プッシュ」の3種類の操作が可能であり、それぞれに異なったショートカットを割り当て可能。 |
タッチスクリーン | ショートカットの割り当てだけでなく、独自のテキストやアイコンを表示できる。 |
ボタン | 物理ボタン。ショートカットの割り当ても可能だが、多くの場合はタッチスクリーンのワークスペース切替に使用する。 |
ラインアップ
2023年7月現在は以下のラインアップとなっています。なお、ダイヤルなどの各部の個数は私が公式サイトの画像から数えたものであり、実際とは異なる場合があります。
製品名 | ダイヤル数 | タッチスクリーンのボタンエリア数 | ボタン数 | 価格 |
---|---|---|---|---|
Loupedeck CT | 7 | 12 | 20 | 75900円 |
Loupedeck Live | 6 | 12 | 8 | 39600円 |
Loupedeck Live S | 2 | 15 | 4 | 29700円 |
Loupedeck+ | 14 | 0 | 32 | 39600円 |
この内Loupedeck CTとLoupedeck+は、形状からして動画編集や配信に全振りした製品のように見えます。本記事のような用途ですと、Loupedeck LiveかLoupedeck Live Sのどちらかが選択肢になるかと思います。
各製品の詳細は以下でご確認ください。
今の彼君(Loupedeck Live)の設定内容
こんな感じでダイヤルとタッチスクリーンにショートカットキーを割り当てています。
設定のポイント
- 行コメントの追加・削除など、トグル関係になっているものは、ダイヤルに割り当てると使いやすい
- 類似のショートカット機能は、近くに配置すると統一感が出て、かつ覚えやすい
お付き合いした(使ってみた)感想
ショートカットキーを覚える苦行からほぼ解放された
一番の購入目的はほぼ達成できたので、満足度は高いです。私の使い方ではボタンが足りないということもありませんでした。
従来通りにキーボードから入力した方が効率が良いショートカットキーもありますが、覚える個数が格段に減ったので、以前のような負担は感じていません。
VSCode以外のアプリでの可能性も大きそう
ワークスペースの切替機能を使って、VSCode以外のアプリのショートカットキーも登録できます。試しにPowerPointで以下の操作をダイヤルに割り当てて使ってみました。
- 図形の拡大/縮小
- 図形の回転
- 図形の移動
図形の微調整には相性が抜群です(元々写真編集を目的とした製品なので当たり前かも知れませんが)。様々なアプリで作業効率向上の可能性がありそうです。
誰か天才的な利用法を発明してくれないでしょうか。
彼君のさらなる洗練を求める点
タッチスクリーンのブラインドタッチが出来ない
ダイヤルはブラインドタッチできるのですが、タッチスクリーンの各ボタンはできないのが少々ストレスです。
ボタンもブラインドタッチしたい場合は、タッチスクリーンではなく下部の物理ボタンに割り当てるか、またはStream Deckという類似製品の方を検討するのが良いと思います。こちらはすべて物理ボタンになっています。
設定アプリを使いこなすのに慣れが必要
デバイスへのショートカットキーの割り当ては専用のアプリで行うのですが、使い慣れるまでには少し時間がかかるかもしれません。
- 動作がもっさりしている。緩慢な動作が原因で設定ミスをしたことが何回かあった
- あまり直感的とは言えない設定手順
- 「Ctrl + Kの押下後、Ctrl + Sを押下」のような複数のステップに跨るショートカットキーの設定が独特
- まず「Ctrl + K」のショートカットを作成したあと、「Ctrl + S」をステップとして追加する必要がある
- できれば1つのステップでまとめて設定できるようにして欲しかった
- 他にも色々あるけどここでは割愛
カラバリが欲しい
現状は黒しかカラーがないので、多色展開してほしいです。黒は埃が目立つので、白が出たら買い替えるかも・・・。
私と彼君のこれから
前述の通り結果には満足しているのですが、ポテンシャルを考えると、理解ある彼君の私への理解度は現在レベル25位でしょうか(私がまだ使いこなせていない)。
今後も試行錯誤をして設定内容は変化していくと思いますが、副次効果としてVSCodeのすべてのショートカットキーに改めて目を通すことになり、知らなかった機能を発見することもありました。
私達の関係性はまさしく恋愛の初期段階、いわば「お互いを知り合う」フェーズだと言えるでしょう。私の使い方がまだ不慣れながらも、彼君の想像以上の魅力に触れてしまった結果、二人の関係はより深まりつつあります。
私達の物語はこれからです。ずっと彼君と一緒に、新しい発見と驚きに満ちたこの旅路(ショートカットキーの模索)を楽しみたいと思います。