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警備用ドローンの実証実験への道のり~調査編①~

Last updated at Posted at 2024-09-11

京セラコミュニケーションシステム株式会社 技術開発センター 
ネットワーク技術開発部 赤嶺です。
初めてのQiita投稿となります、宜しくお願いします。

はじめに

京セラコミュニケーションシステムでは太陽光発電所のO&Mサービスを展開しております。昨今太陽光発電所ではケーブルの切断・盗難被害が急増しており、そのため加入している保険がケーブル切断・盗難被害の補償対象外に変更となるなど、その影響は太陽光発電所の事業運営に多大なる影響を与えております。
本記事はそんなケーブルの切断・盗難被害を防ぐべく、ドローンに一切関わりが無かった通信エンジニアがドローンを用いた太陽光発電所の警備の実証実験を実施するまでの道のりをご紹介するものです。
記念すべき1回目は実証実験を計画するにあたって対応が必要な内容の調査結果①について記載します。

対象読者

・ドローンを導入されることを検討される方
・ドローンに興味のある方

まずは調査

ドローンを飛ばすにあたって情報が何もない状態だったため、まずは何をやらなければいけないのか、主に法律的な観点で調査を行いました。
確認できた主な点は以下です。

  1. 100g以上のドローンは無人航空機と呼ばれ、航空法の規制対象となるらしい
  2. 無人航空機を飛ばすためには機体登録をしなければいけないらしい
  3. 無人航空機はRemote ID機能を具備して、飛行中は自身の登録情報を報知しなければいけないらしい
  4. 特定飛行(※詳細は別途)をするためには航空局から飛行許可を得る必要があるらしい
  5. 飛行させるには航空局以外からも許可を取らないといけない場所があるらしい

以降はそれぞれの詳細について記載していきます。

1. 無人航空機とは

航空法第2条第22項に以下の通り規定されています。
この法律において「無人航空機」とは、航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他政令で定める機器であつて構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをいう。)により飛行させることができるもの(その重量その他の事由を勘案してその飛行により航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないものとして国土交通省令で定めるものを除く。)をいう。

ここで記載されている「その重量その他の事由を勘案して~」というところが以下の通り規則第5条の2で100g未満のドローンが除外対象と規定されています。

(法第二条第二十二項の国土交通省令で定める機器)
第五条の二 法第二条第二十二項の国土交通省令で定める機器は、重量が百グラム未満のものとする。

今回使用するドローンは1.5kg程度あるので、当然無人航空機に該当し、航空法の規制対象となることがわかりました。
ちなみに航空法の規制対象になるということは、以下の2以降の無人航空機の機体登録申請やリモートID機能について遵守する必要があるということになりますが、屋内やゴルフ場の様なネットで囲われた場所での飛行は航空法の規制対象外となりますので、機体登録やリモートID機能について必ずしも対応する必要はありません。

注意
屋内やゴルフ場の様なネットで囲われた場所が航空法の規制対象外でも、自由に飛ばしていいというわけではありません。
必ず施設の管理者に許可を取るようにしましょう。

2. 無人航空機の機体登録申請

令和2年6月24日に公布された改正航空法で所有者等の把握、危険性を有する機体の排除等を通じ無人航空機の飛行の安全の更なる向上を図ることを目的に無人航空機の機体の登録制度が創設されました。
その後、令和3年11月25日に公布された政省令等により、令和4年6月20日に無人航空機の登録が義務化されました。

ポイントは以下です。
・無人航空機(100g以上のドローン)は登録しないと飛ばしちゃダメ
・登録の際に付与された登録記号を機体に直接記載又は貼付する必要あり
・登録記号を含む機体識別情報をリモートID機能を用いて発信する必要あり

登録申請は基本的にドローン情報基盤システム2.0(DIPS2.0)を用いて実施しますが、その辺りはまた別途紹介します。
https://www.ossportal.dips.mlit.go.jp/portal/top/

3. リモートID機能について

上述した通り、無人航空機は飛行中、リモートID機能を用いて登録記号を含む機体識別情報を発信する必要があります。
これは飛行中であっても登録されている機体か、されていない機体かを判別可能にし、空の安全を確保することを目的としています。
ドローン版のナンバープレートのようなものと理解すればいいでしょう。
上述の通り原則機体識別情報を発信する必要がありますが、搭載を免除できるケースもあります。※ここでは詳細割愛します。

リモートID機能を使用するには2通りの方法があります。
①リモートID機能が内蔵されているドローンを使う
②リモートID装置をドローンに外付けする

ドローンに内蔵されている場合は特に追加で準備するものはなく、DIPSアプリ等を使って情報を書き込み(こちらの詳細は別途紹介します)すれば問題ありません。
リモートID装置をドローンに外付けする場合、リモートID装置を購入する必要があります。
最もメジャーなのはTEAD社製のTD-RIDではないでしょうか。
IMG_6646.png

小さく、軽いので使いやすい!(これしか使ったことないですが)

注意
リモートIDを外付けする時は飛行に影響しない場所(筐体部分など)にしましょう。
間違ってもプロペラに干渉する場所にはつけないこと!
また、搭載場所によってはドローン内部のセンサー等の動作の邪魔になることもあるので、メーカーに取り付け推奨位置を確認するのが望ましいです。

警告
外付けリモートID機器を使う際に注意したいのは、ドローンとは別にリモートID機器自体の充電が必要なので、充電を忘れたり、充電をしていてドローンに取り付け忘れたりするリスクがあるという点です。
リモートIDで情報を報知しないと法律違反となり、罰則が課せられる可能性があるので厳守しましょう。
飛行前点検の手順に正常にリモートIDが報知されているか、確認する項目を盛り込んでおくと安全です。

所属部署について

所属拠点

技術開発センター ネットワーク技術開発部

現在所属している技術開発センター ネットワーク技術開発部ではネットワーク技術をベースとして、新しいサービスを創出し、世の中の面倒を解決することをミッションとして活動しております。
ローカル5Gの設計、構築、エリア評価、運用など、トータルインテグレーションを提供すると共に、無線を用いた屋内位置測位技術など先進技術を基盤として、業務の効率化につながるソリューションを開発しています。
https://www.kccs.co.jp/company/research/

おわりに

本記事ではドローンを飛ばすために調査したこと(主に航空法の観点でやらなければいけないこと)について一部ですが、紹介しました。
ここまでは理解しやすい内容だったのではないでしょうか。
次の飛行許可を得る部分からは少し複雑になってきますので次回の記事で紹介いたします。
最後までお読みいただきありがとうございます。

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