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こんにちは、京セラコミュニケーションシステム 石関 (@kccs_daisuke-ishizeki)です。

約 3 ヶ月ほど前にアナウンスがありましたが、2024/2/1 から Google Cloud Networking の利用料金が改定されます。

いまいちどのように影響するのか不明な部分があったため、公開情報から個人的にまとめたものをシェアします。

概要

2024/2/1 から Google Cloud Networking の利用料金が改定される案内がありました。

簡単にまとめると以下が改定されるようです。

  • External IPs
  • Cloud NAT
  • Network Egress(下り)
  • Cloud Interconnect Egress(下り)
  • Cloud Interconnect 100Gbps

それぞれ見ていきます。

本記事では以下で試算しています。
為替レート: 142円
1 ヶ月: 730h

本記事は 2023 年 12 月ごろに作成しております。
一部予想した内容が含まれています。
SKU ID や Description など今後変更になる場合があります。

External IP

仮想マシン インスタンス(VM)に割り当てられた使用中の外部 IPv4 アドレスの料金が変更になります。
アナウンスページに対象の SKU ID と新旧の価格が掲載されているので一番わかりやすいです。

$0.004/hour -> $0.005/hourへ変更($0.001の値上げ)
1 IP アドレスを 1 ヶ月使ったとして、約 100 円程度のコストアップになります。

SKU ID SKU Description 2024/1/31まで 2024/2/1から
C054-7F72-A02E 標準 VM の外部 IP 料金 $0.004 $0.005
4AF8-7C1F-39C4 Spot プリエンプティブル VM の外部 IP 料金 $0.002 $0.0025

Cloud NAT

Cloud NAT ゲートウェイにマッピングされた外部 IP アドレスに対して、新しく課金が開始されます。現在は無料です。

こちらは個別のアナウンスページは無く、Cloud NAT の料金ページに として記載されています。

image.png

$0.005/hourの新規課金
1 IP アドレスを 1 ヶ月使ったとして、約 500 円程度のコストアップになります。

Network Egress(下り)

下り(外向き)のトラフィックは以下の SKU が変更されると記載があります。

  • プレミアム ティアのインターネット下り(外向き)(VM からインターネット)
  • リージョン間の下り(外向き)(VM 間および VM と Google 間のサービス)

External IP のように SKU 単位で新旧のマッピングが掲載されていないため、わたしの手元で表示された SKU を例に確認します。

プレミアム ティアのインターネット下り(外向き)

送信元のリージョン・大陸と宛先によって『値上げ / 変動なし / 値下げ』があるようです。

わたしの手元のインターネット下り(外向き)で利用している SKU は以下でしたので、一番上のNetwork Internet Data Transfer Out from Japan to APAC(ABE7-A6A4-7E29)を例に見ていきます。
image-1.png

まずは改訂前の料金を確認します。
東京(asia-northeast1)リージョンの料金ページでは以下のように記載されています。
image-2.png

先ほどの SKU にはfrom Japan to APACとあるので中国・オーストラリアは除外できネットワーク下り(外向き)世界各地の送信先に該当していることがわかります。

from Japanというワードから無意識に東京(asia-northeast1)リージョンを選択しましたが、少し合ってるのか不安になったため裏付けとなる SKU のリストと価格が掲載されている Google Cloud SKUs を確認しました。
image-3.png
Network Internet Data Transfer Out from Japan to APAC(ABE7-A6A4-7E29)を表示したところ。

対象の SKU は 2 つの階層に分かれており料金ページで表記されている価格と同じです。またリージョンも asia-northeast1 と記載されているので Japan は東京リージョン指していると確認できます。
(料金ページでは月間使用量で 3 つの階層に分かれて表記されていますが、10TB までは $0.14 のままのため SKU の階層は2つに簡略化しているようです。)

料金改定のアナウンスページを眺めてみると日本(東京リージョン)からアジアへの下りのトラフィックは以下に該当すると読み取れます。
読み取れますが、0~1 TB: $0.12(変更なし)と記載されており合致していない点が気になります。今後アップデートされるかもしれません。
image-4.png

記事執筆時点の公開情報でまとめるとおそらくこんな感じになりそうです。

SKU ID SKU Description 月間使用量 2024/1/31まで 2024/2/1から
ABE7-A6A4-7E29 Network Internet Data Transfer Out from Japan to APAC 0〜1TB $0.14 $0.12
ABE7-A6A4-7E29 Network Internet Data Transfer Out from Japan to APAC 1〜10TB $0.14 $0.11
ABE7-A6A4-7E29 Network Internet Data Transfer Out from Japan to APAC 10TB〜 $0.12 $0.085

上記の例では$0.02〜$0.035の値下げ
1TB のトラフィックがあったとして、約 3,000 円程度のコストダウンになります。

反対に南アメリカ、韓国、インドネシアなどの特定の SKU では値上げとなるようです。
例:Network Internet Egress from Sao Paulo to Americas(C06E-61DB-4806)

リージョン間の下り(外向き)

これも送信元と宛先によって『値上げ / 変動なし / 値下げ』があるようです。

Network Inter Region Data Transfer Out from Japan to Osaka(F4ED-B19B-C706)を例に見ていきます。

先ほどのインターネット下り(外向き)と同様、Google Cloud SKUsを確認します。
image-5.png

Network Inter Region Data Transfer Out from Japan to Osaka(F4ED-B19B-C706)を表示したところ。

同じように料金改定のアナウンスページを眺めてみるとfrom Japan to Osakaへのトラフィックは以下に該当すると読み取れます。
image-6.png

月間使用量の階層設定がないため 1 階層のみになるように見えます。

新旧の料金はおそらくこんな感じになりそうです。

SKU ID SKU Description 月間使用量 2024/1/31まで 2024/2/1から
F4ED-B19B-C706 Network Inter Region Data Transfer Out from Japan to Osaka 0〜10TB $0.14 $0.08
F4ED-B19B-C706 Network Inter Region Data Transfer Out from Japan to Osaka 10TB〜 $0.12 $0.08

上記の例では$0.04〜$0.06の値下げ
1TB のトラフィックがあったとして、約 9,000 円程度のコストダウンになります。

Cloud Interconnect Egress(下り)

料金の体系が少し変わり、接続ロケーションだけでなく VLAN アタッチメントのリージョンに基づいて変更されるとあります。
こちらは『値上げ / 変動なし』があるようです。

記事執筆時点の Cloud Interconnect Egress(下り)の SKU は 4 つでした。

SKU ID SKU 2024 年 1 月 31 日までの料金
9397-05B5-2E9F Cloud Interconnect - Data Transfer Africa $0.11
02FC-C3E4-9A75 Cloud Interconnect - Data Transfer Asia Pacific $0.042
F75A-F7F2-B1D6 Cloud Interconnect - Data Transfer North America/Europe $0.02
4383-115C-CF4F Cloud Interconnect - Data Transfer South America $0.08

アナウンスのアジアを例に見てみると、元はCloud Interconnect - Data Transfer Asia Pacificの 1 つのSKUでしたが、細分化され料金もアジア - アジアを除いて改定されることがわかります。
image-7.png

アジア - アジアは$0.042のまま変更なし
東京、大阪リージョンで利用の場合はコスト影響なし

メキシコとかの値上がり率がエグいですね。

Cloud Interconnect 100Gbps

Dedicated Interconnect の 100 Gbps の料金が変更になります。

こちらも個別のアナウンスページは見当たらず、Cloud Interconnect の料金ページに として記載されています。
image-8.png

新旧の料金はおそらくこんな感じ。

SKU ID SKU Description 2024/1/31まで 2024/2/1から
1927-97C4-7722 Cloud Interconnect - 100Gbps Dedicated circuit $18.05 $ 23.28
4BB3-7A69-6D98 Cloud Interconnect for MPS - 100Gbps Dedicated circuit $18.05 $ 23.28

$18.05/hour -> $23.28/hourへ変更($5.23の値上げ)
1 ポートを 1 ヶ月使ったとして、約 542,000 円程度のコストアップになります。

まとめ

External IP の値上げや Cloud NAT の新規課金要素はありますが、わたしの例では下りトラフィックの料金が下がるため、トータルでは少し安く利用できそうです。
反対に下りトラフィックの料金が値上げになるパターンでご利用の場合はコストの増加が見込まれます。

ご参考まで。

それ違うみたいな記載がありましたらコメントいただければと思います。

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