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チェックリストに関する考察と私達のチェックリスト活用法

Last updated at Posted at 2021-09-11

はじめに

チェックリストは、組織にたくさんあります。
チェックリストは、世の中にもたくさんあります。
Qiitaでも、「チェックリスト」という単語で検索をかけると10000件以上の記事がヒットします。

image.png

先人たち(自分も含めて)が、自分の知識・経験を伝えるために、たくさんのチェックリストを作ってくださっています。ただし、それを受け取る側としては、うまく活用できていない場面が、たくさんあります。
そんな中、私たちのプロジェクトで、チェックリストをうまく活用するため、やったことを記録しておきます。

チェックリストに関する考察

チェクシートについて思うこと列挙します。

  • 与えられたチェックリストはうまく使えない
  • チェックリストは自分で作るのが一番良い
  • チェックリストはチームで作るのも良い
  • 先人に作成していただいたチェックリストを無駄にはできない

与えられたチェックリストはうまく使えない

「使え!」と与えられたチェクリストは「使えない」。
チェクリストはうまく伝承されない。長年伝承されてるチェクリストは見たことがない。
チェックリストは先人が学んだことが抽象化されて表現されている。チェック項目が生まれた背景は記載されていないことが多い。それにより、チェック項目が理解されていないことも多い。

チェクリストは自分で作るのが一番良い

個人でチェクリストを作って、それを成長させていくのがよい。自分が経験した具体的な不具合事例や失敗事例からチェクリストを作るのがよい。
チェックリストの作成を通して、自分の経験を抽象化することで、別の場面でも過去の経験から得られた知見を活用できるようになると思う。
個人でチェクリストを作っていると、そのチェクリストの改定履歴を見ると、自分の成長具合(何を学んできたか)がわかりそうだね。チェクリストを見たら、そのチェクリストを作った人の技術力がわかりそうだね。
無駄に思うかもしれないが、割り切って、チェクリストは何度も新たに作り直せばよいと思う。同じようなチェクリストが何個もあってもよいと思う。

チェックリストはチームで作るのも良い

チームで、モブワークで、チェクリストを作るのはなかなかよい。チェクリストが作成に携わった人達全員の財産になる。
ただし、チェクリストの作成に携わってない人は、価値が得られない。

個人のチェック項目をチームのチェック項目に昇華させていくというのが、すごくまっとうなアプローチだと思う。

先人に作成していただいたチェックリストを無駄にはできない

昔、ある方に「組織標準のチェックリストがうまく使えないので、自分達で裏チェックリストのようなものを作成しています」と言ったら、「うまく使えないなら、組織標準のチェックリストを改善しなさい」と言われました。

自分も先人の立場で、チェックリストを作成してきました。自分が作成したチェックリストを、役に立てたい気持ちがあります。

私達のチェックリスト活用法

組織やチームでチェックリストが作成されている前提で、チェックリストを活用する方法を考え、実行しました。
結論は、「チェックリストを案件毎に関係者全員参加でテーラリングする」です。

チェックリストを案件毎に関係者全員参加でテーラリングする

  • 案件毎にその案件の特徴を踏まえて、チェック項目の要否を判断します。
  • 案件毎にその案件の特徴を踏まえて、チェック項目の内容を具体化します。
  • 仕様が定義された時点で、チェックリストのテーラリングをします。仕様が定義されないと、案件の特徴が踏まえられない可能性が高いです。
  • チェックリストのテーラリングは、関係者全員参加で実施します。そうすることで、関係者全員にとって、自分で作成したチェックリストという位置づけになります。
  • 関係者全員が疑問点がなくなり、納得した時点で、テーラリング終了です。終了条件を満たさない場合は、時間を延長したり、追加の時間を設けたりします。
  • チェックリストを作成した人(チェック項目の背景を知っている人)を、可能な限りテーラリングの場に招く。チェックリストを作成した人が、テーラリングの場にいると効率的かつ効果的です。

チェックリストのイメージ

image.png

以下の項目をテーラリングを通して埋めていきます。

  • 確認要否
  • 具体的に確認すること
  • 確認対象範囲
  • 確認方法

入力となる与えられるチェックリストには、「関連する過去の問題の事例」が記載されていると、テーラリングの参加者がチェック項目を理解する助けになります。

チェックリスト作成時の注意事項

チェクシートを作るときは、適当に作るんではなく、徹底的に議論し考え抜いて完璧なものを作るんだ!という思いで、作るべき。
何かを入力にコピぺで適当に作った場合、なんの学びも得られない。

世の中から与えられる品質特性等の使い方は注意。品質特性等の観点からチェック項目を導きだすのではなく、自分達のチェック項目を整理するための軸として使うのが良さそう。

チェック項目の背景にある失敗・トラブル・不具合を経験していることが重要だと思う。
チェック項目に関連する失敗・トラブル・不具合を経験していなければ、まず無理やり失敗・トラブル・不具合を経験するのがいいかも。

参考記事

@kaizen_nagoya さんに共有について教えていただいたこと。

  • 共有とは、共に所有すること。共有しているのであれば、誰でも変更できる。変更できないのに、共有という言葉を使うべきではない。

関連記事

おまけ

よく行くコンビニの男子トイレに張り紙(チェック項目)がどんどん増えていました。
やっちゃダメなこと書き始めると、チェック項目がどんどん増えますね。
普通の人は絶対にやらないような当たり前のことも、チェック項目に加わりますね。
まだまだ、張り紙が増えそうな予感です。
読む人が"意味ない"と感じさせてしまうと、まったく効果ないですね。
やって欲しくないことではなく、やって欲しいこと(「いつも綺麗にお使いいただきありがとうございます」とか)を書くなら、張り紙一枚で済むかもしれません。

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