派生開発の課題解決のために、取り組みをした。
その結果を、SQiPシンポジウムやSPI Japanで発表している。
ここに、発表資料をまとめておく。
課題と取り組み内容は、CESTの第233回技術交流会で共有している。
課題
CESTの第233回技術交流会で共有した課題
キーワード
- 影響範囲
- 仕様の組み合わせ
- 処理負荷
- 機能削除⇒早くなる影響
- どのテストに影響するか
- テスト項目構成管理
- 全テスト
- 自動化
- 検査機材(HILS)⇒揃わない
- 検査(テスト)観点
- コア資産への戻し方
- 移植性⇒他機種での使われ方(動作環境)
- メモリマップ
- ソフトウェアDRBFM
- 想定外の仕様⇒アーキテクチャ崩す⇔アーキテクチャ保つ
- 生産性⇒報告⇒しかられる
- 見積り
- 他の人が作ったもの
- ベースがいけてない
私が解決に取り組んだ課題
- 統合テストにおいて影響範囲に対する(回帰テストにおける)テスト漏れを防止する
- 「設計制約の変化から影響を受ける箇所」を対象に,変更箇所の特定漏れ防止を目的として,DRBFMで必要となる知識を検討したうえで,その知識を蓄積・活用可能とする
- テスト設計のレビューだけでは検出が困難な「変更箇所に対するテスト漏れ」を検出する
- 静的コード解析(影響波及パス抽出,CRUDマトリクス作成)の自動化を可能とする
- 検証の自動化が「簡単」かつ「早く」できる仕組みを構築する
- 保守開発の生産性向上のために,データ分析の結果から有効なアクションを起こし,確実に成果を出す
発表資料
- 統合テストにおいて影響範囲に対するテスト漏れを防止する「影響波及パス分析法」の提案
https://www.juse.jp/sqip/symposium/archive/2017/day1/files/happyou_C1-1.pdf - 欠陥混入メカニズムの知識を活用したDRBFMの提案
https://www.juse.jp/sqip/symposium/archive/2018/day1/files/B2-1_happyou.pdf - 派生開発におけるテスト漏れを防止するDifference Statement Coverage分析法の提案
https://www.juse.jp/sqip/symposium/archive/2019/day2/files/A3-1_happyou.pdf - 派生開発における影響分析の自動化に向けた取り組み事例 ~解析指向プログラミングアプローチの考案~
http://www.jaspic.org/event/2018/SPIJapan/session3B/3B3_ID008.pdf - CICI-FWの提案 ~簡単かつ早く検証自動化を進めるための手法~
http://www.jaspic.org/event/2019/SPIJapan/session2B/2B1_ID002.pdf - ゴールに繋がるアクションを生み出すデータ分析活動の事例 ~精度より成果~
http://www.jaspic.org/event/2019/SPIJapan/session3C/3C3_ID019.pdf
参考資料
私の取り組みに最も影響を与えた書籍と講演資料
(その他の参考文献は、各論文・発表資料に記載)
- 清水吉男,「「派生開発」を成功させるプロセス改善の技術と極意」,技術評論社,2007
- 松尾谷徹,「テストから観た実体のモデリングと実装構造の評価~検証指向設計の実現に向けて~」,JaSST'15 Tokai,2015
http://www.jasst.jp/symposium/jasst15tokai/pdf/S1.pdf
CESTの第233回技術交流会で今回の話題提供をして再認識したこと・気づいたこと
- プロジェクトに、自動化エンジニアを配置したほうがよい(私はプロジェクトに自動化エンジニアを配置してうまくいった)
- 私が知らない・見たことがないコーディングテクニックがまだまだ多数ある(名古屋大学の高田先生はコーディングテクニックに関する引き出しをたくさんお持ちである)
- 派生開発の見積りの仕方や生産性の算出の仕方に悩んでいる方が意外といらっしゃる(私が実践したV字の左と右で生産性の計算の仕方を変えるという方法の情報展開は意外とよかった模様)
- 飛びぬけたエンジニアをどのように評価するか・どのように報酬を決めるかは課題(私は、よいアイデア・解をもっていない)
- 手法やツールを他プロジェクトや他組織に展開するのは難しい(私は、手法やツールの導入はそれなりにうまくやれていると思うが、手法やツールをうまく展開ができた成功体験がない)
- MBD・MATLAB/Simulinkに関する知見が必要だが、私は知識・経験が足りない。
- HILSなどのテスト装置・シミュレータに関する知見が必要だが、私は知識・経験が足りない。
#謝辞
発表資料に登場する自作ツールは、すべて@zarukishiさんが開発してくれました。ありがとうございます。