はじめに
過去に、ある方に非公式なプロセス診断(プロセスアセスメント)のようなことをしていただいたことがあります。
そのときにいただいた所見・提言で、今も(今後も)、大切だと思うことがあったので、まとめておきます。別のプロジェクトにおいても、大切なことだとおもっています。
診断の対象は、「ソフトウェア要求分析」プロセスでした。ただ、そのプロセスに限らない診断になっていました。
プロセス診断での所見・提言
過去の記憶をもとにしていますので、一部私の私見が入ってしまっている言葉があるかもしれません。
要求獲得について
- 要求の出所となっている人を特定し、パイプ作る。要求の理由を知るために。
- 製品の最終テストの場に同席する。
- 力を持っている人を特定し、その人に認められる。
要求分析について
- 変更案は、変更量だけでなく、影響量と複雑性増加量をもとに選択する。
人について
- 各組織/チームの役割を設計する前に、人のスキルを見る。連携すべき人を特定する。
- スペシャリストを名乗るなら、狭い小さな領域でもよいので、世界一であることが必要
- 目指す人がいる組織は、能力のある人が残る。常に新たな知識や技術が得られる組織には、能力のある人が残る。得られるものがなくなると、能力のある人は辞める。
プロセス改善について
- テスト実行の自動化ではなく、テストコードの自動生成。そのためのコンフィグツール。そのための状態遷移表。テストコードを考えてから、他を考える。手順を自動化するでは、効果が小さい。
- 自分のプロジェクトで効果的だった活動等は、全社教育で展開し、自分のプロジェクトに人を投入しやすい状態を作る。
- ツールやプロセスや方法論等を売るときには、教育もセットにする。教育がないと、使えない。ツールやプロセスや方法論を獲得する/作るだけに力を入れるのではなく、教育に力を入れる必要あり。
HAZOPについて
- 埋まったHAZOPシートからは発想が出にくい、白紙のHAZOPシートでワーク。
このとき、診断士の方からいただいたHAZOPに関するコメント
1 作業する前に教育する。
2 教育ではHAZOPも。
3 HAZOPで作業の割り当ての妥当性確認、技能評価も。
4 同じ方向を向いている場合には視点を分配・そうでなければ視点は指定しない。
今回のHAZOPで新たな気づきは、早い、遅いは対象が日一つだけでもよい。前、後はもう一つの対象がいるということを追加説明。これまで、早い遅いが量で、前後は質(順番)といっていたが、別の表現として、早い遅いは絶対時間、前後は対象のある相対時間だから対象がいるという表現を取る。毎回条件が違うので、毎回成果だけでなくやり方でも新しい発見あり。前提は思い込みを生かし、決めつけないために事前に説明しないこと。
プロセスアセスメントに関連する記事
おわりに
プロセス診断(プロセスアセスメント)で、想定外の所見・提言をいただけると、うれしいです。
プロセス診断(プロセスアセスメント)で、自分でわかっている問題を指摘されても、あまりうれしくないです。
プロセス診断(プロセスアセスメント)で、良い点を認めていただけると、自分が認識していることでも、認識していないことでも、うれしいです。
@kaizen_nagoyaさんの記事に以下の記述があります。プロセス診断(プロセスアセスメント)でも同じではないかと感じました。
- 関係する技術について技能・経験のある人に参加してもらう
これが一番大事。どの技術については誰の意見をもらわないと駄目みたいな習慣があればよい。組織内に誰もいなければ、組織外からの参加を要請できる習慣も大事。