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【React - ContextAPI】Consumerの正体は、イケイケなコンポーネントだった

Last updated at Posted at 2018-06-06

TL; DR

<Consumer>
  {contextValue => /* contextValueを使ってReactNodeをレンダリングする */}
</Consumer>

ContextAPIに出てくるConsumerコンポーネントの内側で宣言する関数は、

  • children prop
  • render prop

を組み合わせて作られているもので、Consumerコンポーネントはイケイケなやつだった


今回は、ContextAPIの一部であるConsumerコンポーネントについて説明します。
一目ではややこしいので、 children prop/render prop を理解した上での腹落ちを目指します!

Context APIとは

React v16.3でアップデートされた Context API は、簡単に説明すると

  • Providerに状態を注入すると、
  • Consumerに状態が渡され、
  • それを利用して画面が描画される

というものです。以下は公式のチュートリアルに載っているコードです

const ThemeContext = React.createContext('light'); // Contextを生成する

class App extends React.Component {
  render() {
    return (
      {/* Providerに状態を注入するとConsumerに状態が渡される */}
      <ThemeContext.Provider value="dark">
        <Toolbar />
      </ThemeContext.Provider>
    );
  }
}

const ThemedButton = (props) =>
  <ThemeContext.Consumer>
    {/* Consumerから渡される状態を引数に取って、画面を描画する */}
    {theme => <Button {...props} theme={theme} />}
  </ThemeContext.Consumer>

公式では、テーマカラーやログイン中ユーザーなど、状態が変わらないが様々なコンポーネントから参照される者に対して使うことが推奨されていますが、
状態を様々なコンポーネントに上手に渡すために使ってもいいと思っています。

Consumerのわかりづらい記法は、なんだ

上のサンプルを見てわかる通り、Consumerを使う際は以下のように記述します

<Consumer>
  {contextValue => /* contextValueを使ってReactNodeをレンダリングする */}
</Consumer>

コード中の{contextValue => /* contextValueを使ってReactNodeをレンダリングする */} 👈この無名関数ちょっとよくわからないですよね、書かなくてもいいのかな?
... いえ、書かないと怒られてしまいます。

なぜなら、Consumerコンポーネントがpropsとして 「ReactNodeを返す関数」 を要求しているからです。

※ ReactNodeというのは文字列だったり、JSXエレメントだったり、booleanだったり。とりあえず表示できるものという理解で大丈夫です

試しに以下のようなコードを書くと怒られます。(ConsumerからcontextValueを受け取りたいのでこんなの全く意味ないですが...w)

<Consumer>
  <p>{/* ReactNodeを返す関数を記述しないと怒られます */}</p>
</Consumer>

Consumerコンポーネントがpropsとして「ReactNodeを返す関数」を要求している と書きましたが、

普通はコンポーネントがpropsを受け取る時って、こんな感じでタグの中に記述していきますよね

<Component props1={} props2={} ... />

Consumerコンポーネントでは開始タグと閉じタグの間にpropsを記述していますが、
なぜこうなっているかというと、children propが使われているからです。

ContextAPIは脇においておき、children prop について説明します

children propについて

参考URL

公式チュートリアル
react-in-patterns: Passing a child as a prop

children propはReact.ComponentのAPIで、React.Componentを継承したコンポーネントが利用できます。
何気なく使っているタグも、children propを使っています。

<div>
  <p>{/* <div>はこれらを */}</p>
  <span>{/* children propとして受け取っています */}</p>
<div>

children propを受け取るコンポーネント側の内部がどうなっているか知るために、適当なコンポーネントを作ってみます

import * as React from "react"

class App extends React.Component {
  render() {
    return(
      <div>
        {/* this.orops.childrenに、Appタグに挟まれたコンポーネントが渡ってくる */}
        {this.props.children}
      </div>
    )
  }
}

<App>
  <p>{/* children propとなるやつ */}</p>
</App>

Appコンポーネントタグに挟まれたコンポーネントが this.props.children として利用できるのがわかりますね。
さて、children propについて理解した上でもう一度 Consumerコンポーネントの利用例を見てみます

<Consumer>
  {contextValue => /* contextValueを使ってReactNodeをレンダリングする */}
</Consumer>

...あら、Consumerのタグに挟まれた要素はchildren propsとして渡されることはわかりますが、
コンポーネントではなく、関数の形になっていますね。

ここで、children propの次に理解する必要があるのが、 render propです。
(ContextAPIについては再度置いておきます)

render propについて

参考URL

公式チュートリアル
react-in-patterns: Function as a children, render prop

render propは簡単に言うと 「コンポーネントのrenderメソッドを外部から定義するためのテクニック」です。

色々な使い方があるので「こういうケースで使うべき!」とは言えないですが、
個人的には以下の状況が重なった時に便利そうだと思います(とはいえ実戦で使ったことないです)

  • 状態と画面描画の分離をしたいとき
  • 上で言った分離を1つのパターンとして共通利用したいとき

例えば、ローディング時のViewとローディング完了時のViewを出し分けるというのが様々な画面で重複していた場合、
render propで以下のように書くことができます (Typescriptで書いています)

interface LoadingProps {
  url: string,
  render: (isLoading: boolean) => JSX.Element
}

interface LoadingStates {
  isLoading: boolean
  data: any[]
}

class LoadingState extends React.Component<Props, States> {
  state: States = {
    isLoading: false,
    data: null
  };

  fetch = () => {
    // ... this.props.urlを使ってapiからデータ取得する処理を記述
    this.setState({
      isLoading: false,
      data: /* 取得したデータ */
    });
  }

  componentDidMount() {
    // ... 通信処理の実行
    this.setState({isLoading: true}, this.fetch);
  }

  render() {
    // ... render propに状態を渡すだけで、描画については関与しない
    return this.props.render(...this.state);
 }
}

// apiのurlと、通信していない時に表示したいコンポーネントを引数に渡している
const WithLoadingState = ({url, component}: {url: string, Component: JSX.Element}) =>
  <LoadingState
    url
    render={state: LoadingStates) =>
      state.isLoading
        ? <p>Loading...</p>
        : <Component data={state.data} />
    } />;

上のコードでは、

  • 状態については全て LoadingState コンポーネントにお任せして、
  • 何をどう表示するかに関しては WithLoadingState コンポーネントにお任せする

という「分離」を表現しています

本題: Consumerタグに挟まれる関数の正体とは

render prop は、通例で render という名前にしていますが、名前はなんでも構いません。

名前は何でもいいどころか、実は名前をつけない方法もあります。

それがまさに、children propを render propとして使う方法です。

そしてそれがConsumerコンポーネントの関数の正体です。

<Consumer>
  {contextValue => /* contextValueを使ってReactNodeをレンダリングする */}
</Consumer>

このコードは、

Consumerコンポーネントが、 「コンポーネントを返す関数(render prop)」「children propとして」 要求している
という意味でした。

先ほどのrender propの例でお見せした 状態と画面描画の分離 をConsumerコンポーネントに当てはめると、

  • Consumerコンポーネントが状態を持ち、
  • その状態をもとに何を描画するかはchildren prop(関数)に任せる

と言えそうです。

最後に、ContextAPIの型定義を見ると、Provider側 で 受け取る状態(value: T) をConsumer側のchildren propで利用しているのがわかります。


    interface ProviderProps<T> {
            value: T;
            children?: ReactNode;
    }

    interface ConsumerProps<T> {
            children: (value: T) => ReactNode;
            unstable_observedBits?: number;
    }

なので、Consumerタグに挟まれるのはコンポーネントではなく、

状態を受け取りReactNodeを返す関数でないといけないということになります。

なんと、ここまで説明に時間かかりましたが、
結論、
Consumerはイケイケなコンポーネントですね!!!

さいごに

記事中で紹介したrender propは比較的新しいテクニックで、日本語の解説を見つけるのも難しいです。

なにか理解の進む記事があれば、ぜひご紹介ください!

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