はじめに
昨今、大学におけるPBL(Project Based Learning)型教育でのアジャイル開発の実践事例が増えてきました。
各大学のこれまでの成果とその高い教育効果を紹介し、学生社会人を問わず、 アジャイルプロジェクト実践者の相互学習と交流を目的としてAgile PBL 祭りを開催することとしました。
大学教育においてPBLにアジャイル開発を取り入れているという教員の方達が集ったイベントです
スポンサーの方も多く参加され、小規模ながらも多くの方が関わっていることを感じます。
感想
個人的な解釈ですが、このイベントは「斬新なプロダクトを作るぞ」というよりも、以下のようなポイントに焦点が当てられているように思います
・開発チーム体制や開発文化の重要性
・開発過程の楽しさや学び
そういう感じの発表会じゃないのかなと思っています。学生が実習結果を話す・FBもらう機会というのがすごくいいな〜と感じています。GEEKなイベントもいいですが、学生の苦労や成長過程を知ることで、自らも成長につながる気付きが得られると思います
今年のイベントはどうだったか?
去年のイベントとほとんど変わりませんでした。何名かの学生がLTを行い、スポンサーの方が登壇されるなど充実していました。
(むしろ、コンテンツ1つ1つの内容が濃すぎるので、変わらなくていいですよね)
面白かった発表ダイジェスト
以下で今年の発表のダイジェスを紹介します。
複数のDBを活用した理由とは
公立函館未来大学チームの発表では、以下のポイントが特に印象的でした
1点目は
- 発表本番までにリリースしたということ
ios系のアプリを開発して、未来大学の情報を集約したアプリを作ったとのことです。
これって、意外と大事なことですよね。作って終わりじゃなく公開してみんなが見れるようにする(アウトプットするということ)素晴らしいと思いました!
2点目は
- 複数のDBを活用した理由
アプリ名:Dottoの技術がすごくて
"無料枠を超えないようにするため複数のDBを活用した"
というのが印象に残りました。学生らしくて、すごくわかるわ〜と首がもげるくらい頷いてましたw
3点目は
- Miroを使わなくなった理由
スクラム開発でMiroを活用していたのにも関わらず
"メンバーのやる気がありすぎて結局、Miroを活用しなくなってしまった"
というのが面白かったです。(どんだけやる気があるんだ笑)
無駄なものをいっさい作らない最強
enPiT筑波大学の「FISH」というチームの発表です。以下2点に注目しました。
1点目
- 当事者課題をプロダクトに落とし込むということ
このチームは、ろう者・難聴者から構成され、Agile mini Campで3年生のみで結成されたそうです。ろう・難聴者が聴者同士の会話に自然と入るための音声発出アプリを作ったみたいですが、自分たち当事者が感じている課題をどうやって落とし込むのかが徹底的に作られていて非常に良かったです
2点目
- ミニマムな考え方
無駄なものは一歳作らないぞというところが個人的にすごく好きです笑
YAGNIの法則というのかな?この着想が学生のうちからできるのは素晴らしいなと思いました〜
入力ボックスが「、」で文章が認識されるのはなんでですかと発表後に聞いてみたのですが、
「。」だと長くなるからだめとしていて、回答のスピードも素晴らしかったです。
PBLを研修で活用する
コンサルティング企業で働く新卒1年目のエンジニアの方のお話では、以下の3点よかったことがありました
1点目
- 期待値を調整すること
プロダクの品質の話で、設計していた時にPO(だったかな)の要求はリファクタリングするまで考えて設計していたとのこと。
相手の要求はどんなものなのか、フィードバックを得て求められているものに近づいてく姿がよくわかりました。不確実なことはどんどん削ぎ落として、求められていたものに照準を合わせていくのかが本当に大事だな〜と実感しました。
2点目
- 属人化を避けること
相手が抜けたとき、その人だけしかできない業務を作らないことの重要性を語られていました。個人的に、インターンで実感しているので、具体的にどうというよりかはすごく納得しました。(全員が当事者意識を持ってプロジェクトに参画するのってむずいよなと思いつつ笑)
3点目
- コミュニケーションに注意を払うこと
主に「前提や背景を異なる可能性があるため認識のずれに注意してコミュニケーションをとること」
質問する時や、相手と打ち合わせなどをする時、この意識って無茶苦茶重要だな〜と自分は思っています。またチームでプロジェクトを進めていて
- websocket通信とは何なのか?
- http通信とは何か?
こういうところに詰まったみたいです(説明しろよって言われたらちょっと自分も自身がないかも笑)
Relicさん
宣伝チックなところもありましたが、新規事業開発のプロとしてやっていますよ〜っていうのが普通にかっけええなああと思いました。
プロダクトサービスを事業に載せるということの話をされていました。まずはお金をかけずに、重要な仮説や前提を検証する。事業が成功するための材料や根拠が十分に揃ったら投資するということでした。
エンジニアってコードファーストでものづくりから入る印象があると思いますが、仮説検証から入っていくのってビジネスチックでいいな〜と感じました。
課題→それを解決する目的→プロダクトが誕生
これって、ビジネスの本質だったりするんじゃないのかなと思いました(だけれどもエンジニアとしては、具体のキャッチアップとアウトプットをやらなくていいということではないですね汗)
RSGT2024に参加してきたチーム
アウトプットの重要性と開発環境文化の重要性を話されていました。
このチームはいかに相手が話しやすい環境を作るのか。アイスブレイクを実施して結果、いい文化がいい開発を作るよなと実感しました。
味噌汁Appleパイ(どんなチーム名なんだ笑)
このチームはいきたい飲食店の決済サービスを事前に情報を確認できるアプリを作っていました。驚きなのが、この情報ってどうやって取ってきたのか?
聞いてみたら
担当者:「電話して聞いたみたいですよ」
パワーワードすぎ笑
地域を沖縄に絞ってやっているからこそできたことだなと思いつつも、この勢いいいなあ〜と思いました。このチームも開発文化の重要性がすごく強調されていて雑談は大事だよね〜と改めて思います。自然に雑談しながら上手く開発を進めていったところがめちゃくちゃよかったです
(個人的に、意図的な雑談はすごくやりたくないなと思っていて、自然と俺この人と話しちゃっているウフっていう状態が好きなんですよね)
のっちまんくん
プロダクト未来に残すための話をされていました。のっちまんくん、前回のPBL祭りでも登壇されていて、彼のアウトプットめちゃくちゃ魅力的なんですよね(俺にはないところがいっぱいある)
自分は実感がないのですが、引き継ぎする時以下が大事なことらしいです
- 権限
- チケットの整理
- デザインの共有(息遣いの共有)
ああ〜そうだねとはならないのですが(実感が湧く時がやってくるのかしら)
色々な場面でアウトプットする姿勢は自分も見倣いたいです!
おわりに
飲み会にも行きたかったのですが、後続のイベントがあったのと酒を飲んで話せるアウトプットがないな〜と実感したので、行きませんでした笑
来年は、何かしら発表できるようになりたいです
参考