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Node-REDのfunctionノードで外部npmモジュールを呼び出す方法

Last updated at Posted at 2021-12-23

 日立製作所OSSソリューションセンタの横井一仁です。今回は、夏に開催したNode-RED v2.0新機能紹介イベント(下の動画)の中で紹介したNode-REDのfunctionノードの機能を少し深堀してみます。

 最新のNode-RED v2.1.4のfunctionノードのプロパティ設定を見ると、いつの間にか「設定」、「初期化処理」、「コード」、「終了処理」のタブが増えています。

config.png

今回は、このうち「設定」タブが持つ「外部モジュールのインストール機能」を試してみます。

外部npmモジュール利用の背景と課題

 JavaScriptのコードを直接記載できるfunctionノードは、昔から外部のnpmモジュールを利用することは可能でしたが一手間必要でした。具体的には、公式ドキュメントに記載されているように、一度Node-REDのプロセスを終了し、設定ファイルsettings.jsを修正した後、npm installコマンドを用いてnpmモジュールをインストールする必要がありました。この手順は、ローカル環境のNode-REDであれば、フローを開発する開発者自身が行えますが、SaaSで提供されているNode-RED環境の場合は、Node-REDのインスタンスを管理しているサービス提供者に設定作業を依頼する必要がありました。

外部npmモジュールインストール機能による解決

 本問題を解決するために、Node-RED v1.3からfunctionノードのプロパティ上で外部npmモジュールをインストールできるようになりました。Node-RED v1.3では試験的に本機能が取り込まれたため、本機能はデフォルトで無効になっていましたが、ユーザリクエストが多数あり、Node-RED v2.0からデフォルトで有効になりました。

牛のアスキーアートを表示するnpmモジュールを利用してみる

 functionノードをワークスペースに配置してプロパティ設定画面を開くと、「設定」タブにnpmモジュールを設定できるUIが存在していることが分かります。左下の「追加」のボタンをクリックすると、外部npmモジュールの名前を入力できる項目が表示されます。ここでは、牛のアスキーアートを表示するnpmモジュール「cowsay2」を入力してみました。

cowsay2.png

 この時、自動入力される右隣の「cowsay2」は、JavaScriptのコード内で利用できる変数名となります。

 次に「コード」タブ内で、cowsay2モジュールを呼び出すコードを記載します。cowsay2モジュールは、関数say()に文字列を渡すと牛のアスキーアートの文字列を返す仕様になっています。以下のコードは、functionノードが受け取ったメッセージ内の変数msg.payloadから牛のアスキーアートの文字列を生成し、msg.payloadに格納した後、次のノードにメッセージとして渡す処理です。

image.png

貼り付けたコード

msg.payload = cowsay2.say(msg.payload);
return msg;

 この作成したfunctionノードの動作を確認するため前後に、文字列を渡すinjectノードと、生成した文字列を確認するdebugノードを接続したフローを作成してみます。

undeployedflow.png

 injectノードのプロパティ設定には、変数msg.payloadに文字列「Hello!」を代入する設定を行いました。

inject.png

 フローを作成した後、デブロイボタンをクリックすると、Node-REDのバックエンドのサーバ上で設定したnpmモジュールが自動的にインストールされます。

 最後に、injectノードの左側のボタンをクリックしてみましょう。正しく動作していれば、右側のデバッグタブに生成した文字列が出力されます。文字列の左側の三角マークをクリックすると、吹き出しが「Hello!」となっている牛のアスキーアートが正しく表示されるでしょう。

hello.png

牛の表情を変えたアスキーアートを表示する

 cowsay2モジュールには、感情に応じて牛のアスキーアートを変えるオプションが存在します。本オプションを利用し、Node-REDプロジェクト公式のsentimentノードによる感情分析の結果を基に、牛の顔を変化させてみます。

 ここでは、以下のようにinjectノードを用いて、ポジティブな文章「great work!」と、ネガティブな文章「Too bad...」を渡しています。

sentimentflow.png

 functionノードには以下の様な感情スコアによって、wired(興奮)、dead(死)のモードを切り替えるコードを書いています。

msg.payload = cowsay2.say(msg.payload, {
    mode: 0 < msg.sentiment.score ? 'wired' : 'dead'
});
return msg;

 フローをデプロイした後、「great work!」と書かれたinjectノードのボタンをクリックすると、牛の目が大きくなりポジティブな反応をしてくれました。

greatwork.png

一方、「Too bad...」と書かれたinjectノードのボタンをクリックすると、悲しい反応をしてくれます。

toobad.png

最後に

 npmモジュールをfunctionノードから利用する最もシンプルな方法をご説明しました。functionノードのプロパティ設定にある4つのタブのうち、今回は「設定」と「コード」のタブの使い方をご紹介しました。次の記事では、データベース接続を題材として、「初期化処理」と「終了処理」のタブも活用した使い方をご説明してゆきます。

フローデータ

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商標について

  • Node-REDは、米国その他の諸国におけるOpenJS Foundationの登録商標です。
  • その他記載の会社名、製品名などは、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。

参考資料

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