はじめに
M5Stackに移植されたMSX0を入手しました。
MSX0はM5StackCoreに全てのMSXの規格が移植されたもので、動作するMSX2+を持っていない場合、大変便利なガジェットになります。
この理由は、8ビットCPUで動作するUNIX風OSのFuzixの動作実験をMSXで行いたい時、MSXにはBIOSのライセンス問題があり、実機を持っていない場合は、いろいろと制限のあるC-BIOSを利用することになるからです。
MSX0を入手することで、BIOSのライセンス問題を気にせずに、MSX環境の動態実験ができるようになりました。
さらに、MSX0で、NextorROMを使ったハードディスクイメージのサポートが実現しましたので、大容量メディアの必要なイメージファイルの取り扱いも容易になりました。
Fuzixの先祖の一つであるuzixの動態実験が可能となります。
本稿の内容は、OSC2024名古屋での「Fuzixユーザーグループ」の展示内容を含みます。
2024年にMSX0でuzixを起動する
NextorROMに対応したMSX0でのuzixの起動には、フロッピーディスクイメージとハードディスクイメージを使う選択肢があります。
しかし、最新のuzix2.0の情報サイトが消失し、InternetArchiveに保存された資料を参照するしかありません。
現存する情報サイトには、sourceforge上のuzix1.0と、uzix-kernelのソースファイルを保存するgithubのページがあります。
ソースファイルはないものの、uzix2.0のフロッピーディスクイメージが1.0のフロッピーディスクイメージとともに公開されているサイトがあります。
「UZIX v1.0.5 (19xx)(Adriano Cunha)(beta).zip」と「UZIX v2.0.0 (2001)(Adriano Cunha).zip」が公開されています。
上記のサイトのRUNボタンを押すと、エミュレータのwebmsxが起動し、その中でuzixを利用することが可能です。
また、ハードディスクイメージも含めた解説は、ロシア語のサイトに掲載されています。
このサイトには、SunriseIDEとBeerIDEに対応したハードディスクイメージが掲載されています。
MSX0のハードディスクドライバはNetorROMに内蔵されているものを使うようで、SunriseIDEとBeerIDEに対応したハードディスクイメージは起動しないようです。
ここでは、フロッピーディスクイメージを利用します。
フロッピーディスクイメージとして、「UZIX100.DSK」と「UZIX020.DSK」が配布されているので、これらの動作の確認を行いました。
「UZIX020.DSK」はloaderの表示でハングアップします。
一方、「UZIX v1.0.5 (19xx)(Adriano Cunha)(beta).zip」と「UZIX100.DSK」は問題なく起動します。画面は「UZIX v1.0.5 (19xx)(Adriano Cunha)(beta).zip」の例です。
「root」でログインすると、シェルが起動します。
「UZIX100.DSK」には、FudoBrowserが内包されています。プロンプトで「fb」と入力すると、以下の様な起動画面が表示されます。RS232のポートを介してWebブラウジングできる可能性があります。
以下に示すように、他のバージョンも公開されています。MSXで動作する実験はまだまだ続きます
おわりに
MSX0でuZixの起動に挑戦しました。「UZIX100.DSK」を使うと、WebブラウザのFudeBrowZerの起動に成功しました。
「ESC」キーを押すと、シェルに戻ります。その際、以下の表示がでます。
flybrowserはMSX1でも動作するようで、以下のサイトで公開されています。
また、Fudebrowser単体も「FudeBrowser 1.8.dsk.zip」として配布されています。
MSXでのWebブラウジングの調査を続けます。