はじめに
LinuxのカーネルにGUDドライバが含まれるようになり、様々なガジェットがLinux用のUSB接続外部ディスプレイインターフェース等に利用できるようになりました。
特に、Raspberry pi周辺では、USBガジェットモードの設定の容易さと相まって、たくさんの実験が行われています。
その中の一つに、Raspberry pi picoとPimoroniのpico displayとを組み合わせて、USB接続可能なミニサブディスプレイ「gud-pico」を作成する方法があります。本稿では、「gud-pico」の作成方法を説明します。
本稿には、「LILO&東海道らぐオフラインミーティング 2024-01-28」の発表内容を含みます。
Pico SDKをインストールしてUF2ファイルを作成
Raspberry pi pico用のプログラムを作成する場合、「Pico SDK」をインストールしてビルド環境を構築します。説明に従って、パスの設定を行っておきます。
https://github.com/raspberrypi/pico-sdk
次に、「gud-pico」のビルドです。説明に従って、以下のコマンド操作を行います。
$ git clone https://github.com/notro/gud-pico
$ cd gud-pico
$ mkdir build && cd build
$ cmake ..
$ make
buildディレクトリに、UF2ファイルが生成します。
○Pimoroni Pico Display
ディスプレイには、Pimoroniから販売されているPico Displayを用います。このディスプレイはRaspberry pi picoに接続可能な1.14インチのRGBディスプレイです。
詳細は、urlを参考にしてください。
UF2ファイルのインストールと組み立て
生成したUF2ファイルをRaspberry pi picoにインストールします。
インストールが終了したら、Pico DisplayをRaspberry pi picoのGPIO端子に接続し、ディスプレイを組み立てます。
○Linuxマシンに接続して動作確認
カーネル5.15のLinuxマシンのUSBポートに接続すると、画面が点灯して、デスクトップが表示されます。
私のLinuxマシンでは、「Prism, LLC3”」として認識されるようです。
おわりに
本稿では、githubリポジトリの説明に忠実に、Pico Displayを利用しましたが、コントローラが同じLCDを使うと画面表示の設定とGPIOの接続部分の修正を行うだけで利用可能だと思います。
Pico DisplayのLCDコントローラはST7789だそうです。
手元にある、LCDでの表示に挑戦してみてください。