はじめに
初代プレステで自作プログラムを動作させる方法として、メモリカードに保存してから動作させる方法を、2種類紹介しました。
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これらの方法では、動作可能なプログラムのサイズが最大112 kBに制限されます。さらに大きなプログラムを動作する方法に、通信ケーブル出力端子を用いたファイル転送してから動作させる方法があります。
本稿では、初代プレステの通信ケーブル出力端子はシリアルポートです。この端子と他のコンピュータと接続しやすいようにするためのシリアルポートアダプタの作り方を説明します。
なお、本稿には、「東海道らぐの万鹿博覧会ライトニングトーク大会 in 大阪南港」の発表内容が含まれています。
予算が潤沢なら初代プレステ用対戦ケーブルSCPH-1040を流用
シリアルポートに接続可能な周辺機器として、対戦ケーブルが販売されていました。このケーブルを使うと、2台の初代プレステ間で対戦対応のゲームを楽しむことができます。
中古市場で流通しており、2千円から5千円台で取引されています。本稿の目的のためには、入手したケーブルを切断してから利用することになります。
2番ピンがGND、5番ピンがTXD、8番ピンがRXDになります。テスターでどのケーブルがどのピンに接続されているか確認しましょう。
ハードオフで330円で初代プレステを入手した私は、入手に躊躇してしまいます。別の方法で対処します。
初代プレステの通信ケーブル出力端子とAVマルチ出力端子
wikipediaの各モデル比較を拡大して、今回使用したい通信ケーブル出力端子とAVマルチ出力端子を比較します。
これらの形状は似ており、ピンの間隔は同じなのですが、ピンの数が異なります。通信ケーブル出力端子は8ピンでAVマルチ出力端子は12ピンです。
マルチAVポートに接続可能なケーブルは、対戦ケーブルより安価に入手できますので、PS2/PS3対応のAVマルチ出力端子ケーブルからシリアルポートの端子を作成します。
入手するケーブルは、RCAプラグが5個ついているコンポーネント出力のものです。このケーブルのAVマルチ入力端子側のコネクタに全てのピンがついています。RCAプラグが3個のものは必要なピンがついていないので、購入しないようにしましょう。
海外からの購入に抵抗が無ければ、海外通販でAVマルチ入力端子側のコネクタのみのを購入してもよいかもしれません。ケーブルより加工の手間が省けます。
AVマルチ入力端子を通信ケーブル入力端子に加工
インターネット上に様々な加工法が掲載されていますが、コネクタの端っこの突起を生かしたいので、ここでは一方の端は残したまま加工します。
はじめに、端子の外側のプラスチック部分を外します。筋に沿ってカッターナイフで切れ目を入れた後に、一方の切れ目のすき間を広げるように抉ると、プラスチック部分が2つに分かれます。
次に、金属のシールド板を外します。
3番目に、ピンとケーブルのはんだ付け部分をすべて外します。
図の番号の12番のピン側から10番のピンのある所までプラスチックを削除します。その後、10番のピンと9番のピンを取り除きます。
4番目に、金属シールド板を、加工したプラスチック部分を覆うように、加工します。
5番目に、2番ピンがGND、5番ピンがTXD、8番ピンがRXDとなるように配線します。
私は、ジャンプワイヤの一方の端がメスコネクタになる配線材を使いました。配線材は短い方がいいかもしれません。さらには、フェライトコアの利用も有効かもしれません。
最後に、逆の手順で端子を組み立てます。
金属シールドに力が加わって歪んでいる可能性が高いので、通信ケーブル出力端子に抜き刺ししやすいようにやすりで金属部分を削ります。削る量は、通信ケーブル出力端子に差し込みながら、調整します。
おわりに
初代プレステ用自作プログラムをシリアル通信で初代プレステ本体に転送する際の、通信ケーブル出力端子に接続可能なシリアルアダプタの作製法を紹介しました。
2024年現在、使用する部品を入手するために、PS2/PS3用 コンポーネントAVケーブルを利用しました。うまく探すと、ハードオフで入手した初代プレステより安く入手できるかと思います。
プラスチック部分の加工には事務用のカッター、金属カバーの加工には百均で手に入る金属のこぎりと金属やすりを使いました。
パソコンとの接続には、USB-TTLやArduino等を介してUSB接続します。
手元にある機器を活用して接続できるかは、以下のurlを参照してください。