#はじめに
Raspberry pi picoは、600円程度で入手容易なマイコンボードです。
電子工作への活用を検討している場合、ピンヘッダをたてる必要がありますが、はんだ付けをしなければいけません。
はんだ付けを避けてジャンプワイヤで何とかしたい場合、スルーホール用テストワイヤなどを使う必要があります。
スルーホール用テストワイヤは、接続部分がばね状になっているので、スルーホールに刺さったら抜けにくくなるという、大変便利な道具ですが、ピンヘッダを立てて汎用性の高いジャンプワイヤを使う方が、よりお安く作業ができます。
はんだ付けを行わずに、ピンヘッダを立てる方法を考えてみました。
#Picoの穴とピンの太さ
Raspberry pi picoのスルーホールの直径は約1 mmで、ピンヘッダのピンの太さは約0.6 mmです。ピンヘッダの隙間を埋めることのできる材質を導入できれば、スルーホール内の金属部分にピンヘッダのピンを押し付けることで、導通が実現することとなります。
#テグスを使う
ネックレスやビーズアクセサリ作製に用いられる手芸用テグスには、以下のような規格のものが販売されています。
品名 | 太さ |
---|---|
1号 | 約0.17 mm |
2号 | 約0.23 mm |
3号 | 約0.29 mm |
4号 | 約0.33 mm |
6号 | 約0.40 mm |
8号 | 約0.47 mm |
今回の基板の穴とピンヘッダの直径から、直径0.33 mmの4号のテグスを使うことにしました。
基板の表面に出ているテグスの部分を赤線で示しました。
ヘッダピンを裏から差し込みますので、テグスの端は上向きに飛び出しています。
基板を壊さないようにピンヘッダを差し込むと、下図のようになります。
ピンヘッダを差し込んだ後に余分なテグスを切り取って完成です。
ピンヘッダとテグスの位置関係がわかるよう拡大写真を下に示します。
ピンヘッダの2か所の角がスルーホールの壁に押しつけられています。
ブレッドボード上で回路を作る程度ですと、問題なく使えます。
注意点は以下の2点です。
- ちょうどいいテグスを使用しているかを確かめるには、基板の端の2つの穴にさして、少数のピンを差し込んで、差し込みにくいか、抜けやすいかを確認することです。
- 基板、ピンヘッダとテグスの組み合わせがあわなくて、ピンヘッダを差し込みにくい場合はより細いテグスを、すぐ抜ける場合はより太いテグスを使うようにしてください。
ピンヘッダを差し込むのが難しい時は、無理をせずにより細いテグスを使いましょう。私の使用したテグスは200円でおつりがくる値段ですので、複数種類手元に置いておき、基板の穴の大きさとピンヘッダとの太さに合わせて、すばやく対応できるようにするといいでしょう。
くれぐれも、基板を壊さないように作業しましょう。
参考文献
https://hackaday.com/2021/12/16/using-fishing-wire-to-hold-in-pin-headers-is-a-nifty-trick/