##趣旨
本記事は Pleasanter Advent calendar 5日目向けに、プリザンターのライセンス形態について紹介します。
プリザンターはAGPLで公開されていて、再配布の際、ライセンスが伝搬します。ユーザは自分の使っているソフトウエアがどんなものであるのか知れるべき、といったOSSの思いが子から孫へと紡がれます。
そんなプリザンターも採用するAGPLと、もう一つの提供形態である商用ライセンスについて記載します。
とくにプリザンターの商用ライセンスについて、購入しなければ手に入らないこともあり、その内容を知る機会は多くないので、適用範囲や利用法も紹介します。
Pleasanterを利用した開発などで、ライセンス形態が気になっていたり、項目数が足りなくて拡張したいなとおもっていたり、そんな方にお勧めです。
Pleasanter のライセンス (AGPL と商用ライセンスの デュアルライセンス)
Pleasanter (プリザンター) は、OSSとして提供され、ソースコードが公開されています。
git: Implem.Pleasanter
ここで公開されているPleasanter のライセンスは Git に上がっている LISENCE ファイルの通り GNU AFFERO GENERAL PUBLIC LICENSE になっています。
AGPL/GPLはいわずもがなソフトウエアの再配布において伝搬性があります。[参考:日本OSS推進フォーラム- ライセンスの伝搬性] (http://ossforum.jp/node/798)
そしてもう一つ、Plesanterは商用ライセンスとしても提供されています。
Enterprise Editionとは
この商用ライセンスのPleasanter を手に入れる方法はたった一つ。
年間サポートサービスを利用すると、商用ライセンスが提供されることになっています。
AGPLのライセンス内容はGitで公開されていますので読めばわかりますが、商用ライセンスの利用許諾は、どこにも見当たりません。
通常、年間サポートサービスを契約しないと見る機会がなく、内容を知ることもめったにありません。
そこで次章でその概要を紹介します。
ソフトウエア使用許諾契約書
商用ライセンスは「ソフトウェア使用許諾契約書」によって提供されています。
(2020年12月5日現在) 利用範囲はOSS版より狭められていて、
- 使用者はランセンス1つにつき、1台のコンピューターにインストールできる。
- 第三者に利用させてはいけない。
- 年間サポートプレミアムプラン契約なら、関係会社まで利用可能
となっています。
誰もかれもに使わせても良いわけでは無くなっていますね。
(※別途個別契約がある場合には本許諾に優先するとの条項もあるので、個別に条件が変わるケースもあるようです。さすが商用。ビジネス万歳。)
また禁止事項として
- 二次的著作物を創作すること
- 複製物を第三者に対して頒布
などもダメと定められていますのでOSS版のように再配布も許可されていません。
この制限はOSSとして紡がれないプリザンターは一代限りということであります。
Pleasanter と 項目数
利用範囲を狭められるだけなら、利用価値ないのでは? といった疑問もあります。
AGPLの伝搬性を避けるということのほかにあるメリットはなんでしょう。
商用ライセンスはEnterprise Edition という名で提供されていますが、このEnterprise Edition 適用の特典として 「項目数の増加」が詠われています。
どういうことか。
Pleasanterで標準で利用可能なデータ項目数は1テーブル当たり156個です。
もうちょっと説明すると、Pleasanter で利用できる データ項目の種類は下記の6種類です。 これがそれぞれA~Zの26個までリザーブされていて、 1テーブルあたり利用できるデータ項目は6x24=156個となっています。
- 分類
- チェック
- 日付時間
- 添付ファイル
- 説明(テキストや画像貼り付け)
- 数値
(詳しくは Enterprise Editionとは)
通常、156項目も使えれば事足りてしまいますが、そこはデータ管理を要する業務アプリ。どうしても項目が足りなくなることもあります。
そんな時、Enterprise Edition であれば、項目数を1テーブル900項目まで増やせる特典が提供されます。
Pleasanter の Enterprise Edition の適用方法
Pleasanter のEnterprise Editonは前述のとおり、年間サポートサービスを契約するということで提供されるのですが、どのように提供され、どのようにプリザンターは商用ライセンス扱いになるのでしょうか。
サポート契約後、Enterprise Edition のライセンスファイルが提供され、それを組み込むことによって商用ライセンスのプリザンターとして動作することになります。
その違いはプリザンターのバージョン情報表示にて確認できます。
OSS版は下記のようにライセンス表示がなされますが、このライセンス表記が「商用ライセンス」と表示されるとともに、ライセンス先のユーザー名が表示されます。
ライセンスファイルを組み込む時に、テーブルを拡張する設定ファイルに、必要な項目増加数をセットすることによって既存の156項目から、さらに必要なデータ項目を最大900項目まで増やすことができるようになります。
##あとがき(駄文)
こんにちは。
いまは営業をやっていますがその昔はエンジニアだったこともあるんですよ。
Qiita に記事を書く上で、技術的な 記事を書こうと思うものの、コードはめっきり触っていないので、なにか技術に役立つことを、と思い、私でも知り得る情報で、かつ 参考になるものは何か、なんて考えて書きました。
この記事を書いている12月4日は鬼滅の刃23巻の発売日。 思いがつながれるという意味ではOSSも近しいものがあるかもしれません。