はじめに
checkstyleで自社開発プロジェクト向けの設定を作ろうと考えたのだがどうすればいいのか見当もつかなかったので、checkstyle(7.7)にあるgoogle_checks.xml(Google Style)とsun_checks.xml(Sun Style)の設定を参考にしようと思い設定内容を調べてみた。なので今の所checkstyleの全ての設定は網羅していません。
また動作未確認の設定もあるのでそれらは随時修正していきたいと思います。
※ propertyの説明は省略しているので本家を参照してください。
checkstyle check | 説明 | Google Style | Sun Style | 備考 |
---|---|---|---|---|
FileTabCharacter | タブが含まれていないか | ○ | - | |
OuterTypeFilename | ファイル名とClassの型名が一致しているか | ○ | - | |
IllegalTokenText | 禁止した記述が無いか | ○(禁止パターン未設定) | - | tokensでトークン種別を指定、formatで禁止するパターンを設定する |
AvoidEscapedUnicodeCharacters | Unicodeエスケープを使用していないか | ○ | - | |
LineLength | 1行の文字数が上限を超えていないか | 100 | 80(default) | |
AvoidStarImport | Import文にアスタリスク(*)が含まれていないか | ○ | ○ | ClassやstaticImportなどは無視する設定も可能 |
OneTopLevelClass | トップレベルクラスが自身のソースファイル以外で定義されていないか | ○ | - | |
NoLineWrap | 改行されていないか | ○ | - | デフォルトではPackege宣言とImport宣言、static Import 宣言 |
EmptyBlock | 空ブロックが無いか | ○ | ○ | デフォルトではIF-ELS,FOR,WHILE,TRY-CATCH-FINALLY,SWITCH,イニシャライザなどのブロック |
NeedBraces | コードが{}で囲まれているか | ○ | ○ | デフォルトではIF,ELSE,FOR,DO,WHILE、1行で記述したら無視する設定もできる |
LeftCurly | {の記述ルール | ○ | ○ | eol(行末)*デフォルト,nl(行頭),nlow(条件文が複数行なら行頭) |
RightCurly | }の記述ルール。主にIF-ELEやTRY-CATCH-FINALLYのように条件文が分岐する場合の書き方 | ○ | ○ | same(}の後に次の条件を書く)*デフォルト,alone(}の後の記述は認めず、改行する),alone_or_singleline(基本はaloneで1行文のみ{と同じ行を認める) |
WhitespaceAround | Tokenの’前後’に空白スペースが無いか | ○ | ○ | |
OneStatementPerLine | 1行に1つのstatmentが記述されているか | ○ | - | |
MultipleVariableDeclarations | 変数の宣言が1行にまとめられているか | ○ | - | |
ArrayTypeStyle | 配列の宣言の記述をチェックする | true | true | true=Java Style:Classに配列を定義する(String[] args)/false=C Style:変数に配列を定義する(String args[]) |
MissingSwitchDefault | Switch文にdefaultが記述されているか | ○ | ○ | |
FallThrough | switch文の各条件内の処理にbreak,return,throw,continueなどが記述されているか | ○ | - | 意図的にThroughさせたい場合は条件式にコメントでfallthruとつける。 |
UpperEll | long型の定数宣言が大文字のLとなっているか | ○ | ○ | |
ModifierOrder | 修飾子の順番がJavaの推奨に従っているか | ○ | ○ | |
EmptyLineSeparator | tokenの間に空行を入れているか | ○ | - | Google Styleは、フィールド間の空行はなくても良いOptionを指定している。 |
SeparatorWrap | 改行の仕方が規定通りか | ドット(.)は改行後の新しい行につける | - | |
PackageName | packageの命名規則 | ○(大文字は不可) | ○ | 規則は正規表現で設定する |
TypeName | Class,Interface,enum,annotationの命名規則 | ○ | ○ | |
MemberName | メンバ変数の命名規則 | ○(2文字目も大文字不可) | ○ | |
ParameterName | メソッドのパラメータの命名規則 | ○ | ○ | |
CatchParameterName | chatchパラメータの命名規則 | ○ | - | |
LocalVariableName | ローカル変数の命名規則 | ○ | ○ | |
ClassTypeParameterName | クラスの型パラメータの命名規則(総称型の仮型引数など) | ○ | - | デフォルトは大文字一文字 |
MethodTypeParameterName | メソッドの型パラメータの命名規則 | ○ | - | |
InterfaceTypeParameterName | インターフェースの型パラメータの命名規則 | ○ | - | |
NoFinalizer | ファイナライザーが呼ばれていないこと | ○ | - | |
GenericWhitespace | 総称型の宣言<>にスペースが入っていないか | ○ | ○ | |
Indentation | インデントレベルが正しいか | ○(basicOffset=2) | - | basicOffsetのデフォルト値は4 |
AbbreviationAsWordInName | 略称が規定通りか | ○ | - | googleは大文字の連続記述を4文字に規定している |
OverloadMethodsDeclarationOrder | オーバーロードメソッドがまとまって宣言されていること | ○ | - | |
VariableDeclarationUsageDistance | 変数を宣言してから使用するまでのSTEP数が規規定通りか | 3 | - | |
CustomImportOrder | Import宣言の順番を規定する | ○ | - | 順番のルールは公式ページを参照 |
MethodParamPad | メソッドのパラメータの記述が規定通りか | ○ | ○ | パラメータの改行やスペースの許可など |
ParenPad | 括弧とパラメータの間の記述が規定通りか | ○ | ○ | デフォルトはnospace |
OperatorWrap | 演算子で改行する際の改行位置のルール | nl | nl | デフォルトはnlで、演算子は次行の先頭に記述する |
AnnotationLocation | アノテーションを付ける位置に関する規約 | ○ | - | |
NonEmptyAtclauseDescription | JavaDocTokenに説明があるか | ○ | ー | @param,@return,@throw,@deprecatedが対象 |
JavadocTagContinuationIndentation | Javadocの説明を改行するときのインデントルール | ○ | - | |
SummaryJavadoc | Javadocに非推奨なフレーズが無いか | ○ | - | |
JavadocParagraph | Javadocの段落定義 | ○ | - | デフォルトのルールは公式を参照(Google Styleの設定もデフォルト) |
AtclauseOrder | Javadoの@の宣言順 | ○ | - | Google Styleは@param, @return, @throws, @deprecatedの4種類だけ定義 |
JavadocMethod | メソッドのJavadoc定義 | ○ | ○ | Google Styleは定義を色々変えているので注意 |
MethodName | メソッドの命名規則 | ○ | ○ | |
SingleLineJavadoc | Javadocが1行で収まる場合に@が含まれていないこと | ○ | - | |
EmptyCatchBlock | 空のcatchブロックが無いこと | ○ | - | 指定したコメント文であれば無視することも可能 |
CommentsIndentation | コメント行のインデントをコードのインデントと揃えるか | ○ | - | |
JavadocPackage | packageコメントファイルがあるか | - | ○ | |
NewlineAtEndOfFile | ファイルの最後が改行コードであるか | - | ○ | |
Translation | localが違うpropertyファイル同士でkeyに一貫性があるか | - | ○ | |
FileLength | ソースファイルの行数をチェックする | - | max:2000行 | |
RegexpSingleline | 指定した正規表現に該当する行があるか | - | 行末にスペース | |
JavadocType | ClassとInterfaceのJavadocが定義されているか | - | ○ | デフォルトでは@authorと@versionはチェックしない |
JavadocVariable | 変数にJavadocが定義されているか | - | ○ | serialVersionUIDはチェック対象外 |
JavadocStyle | Javadocのフォーマットをチェックする | - | ○ | |
ConstantName | 定数のフォーマットをチェックする | - | ○ | デフォルトは、大文字英数字とアンダーバー |
LocalFinalVariableName | ローカルのfinal変数のフォーマットをチェックする | - | ○ | デフォルトは、小文字の英字で始まり、英数字を許可 |
StaticVariableName | static変数のフォーマットをチェックする | - | ○ | finalが付く変数は対象外 |
IllegalImport | 不正なパッケージのImportをチェックする | - | ○ | デフォルトは、sunで始まるパッケージ |
RedundantImport | 冗長なImport宣言があるか | - | ○ | |
UnusedImports | 未使用のImportパッケージがあるか | - | ○ | |
MethodLength | 1メソッドあたりの行数をチェックする | - | ○ | デフォルトは、max150行。空行やコメント行も含める。 |
ParameterNumber | メソッドやコンストラクタのパラメータ(引数)の数をチェックする | - | ○ | デフォルトはmax7個 |
EmptyForIteratorPad | iteratorの空のパディングをチェックする | - | ○ | (チェック内容がよく理解できていません。) |
NoWhitespaceAfter | tokenの後に空白スペースがないか | - | ○ | |
NoWhitespaceBefore | tokenの前に空白スペースがないか | - | ○ | |
TypecastParenPad | castの括弧に対する空白チェック | - | ○ | defaultは、開始の括弧の後と終了の括弧の前にspaceを許可しない |
WhitespaceAfter | tokenの後の空白スペースが無いかチェックする | - | ○ | |
RedundantModifier | 冗長な修飾子が無いか | - | ○ | |
AvoidNestedBlocks | ネストされたブロックが無いか | - | ○ | |
AvoidInlineConditionals | インラインでの記述が無いか | ○ | ー | |
EmptyStatement | 空のステートメントを検出する | - | ○ | |
EqualsHashCode | equalsメソッドとhashCodeメソッドの療法をオーバーライドしているか | - | ○ | |
HiddenField | ローカル変数やメソッドのパラメータがフィールド変数と名称が同じとなっていないか(シャドウ化のチェック) | - | ○ | setterメソッドは無視することもできるがデフォルトではチェックしている |
IllegalInstantiation | Factoryメソッドを使わずにインスタンス化していないか | - | ○ | デフォルトでは対象Classなし |
InnerAssignment | 変数の代入の際に、そのステートメントのサブ式で別の変数を宣言していないか | - | ○ | ex.String s = Integer.toString(i = 2)
|
MagicNumber | マジックナンバーを使用していないか | - | ○ | デフォルトでは、-1,0,1,2は許可している |
SimplifyBooleanExpression | 過度に複雑なブーリアン式を記述していないか | - | ○ | とりあえずこのチェックに該当したら更にシンプルにできないかを考える |
SimplifyBooleanReturn | 過度に複雑なブーリアンをreturnしていないか | - | ○ | 同上 |
DesignForExtension | 継承しやすいClass設計になっているか | - | ○ | Javadocに拡張方法が書かれているかを見ている |
FinalClass | privateなコンストラクタしか持たないClassにfinalがつけられているか | - | ○ | |
HideUtilityClassConstructor | staticなメソッドやフィードしか持たないClassにpublicなコンストラクタを宣言していないか | - | ○ | このようなクラスをユーティリティークラスとみなしている模様 |
InterfaceIsType | インターフェースにメソッド宣言があるか | - | ○ | |
VisibilityModifier | classのメンバーはprivateで定義され、アクセッサがあるか | - | ○ | |
FinalParameters | メソッドやコンストラクタのパラメータにfinal修飾子をつけているか | - | ○ | |
TodoComment | TODOコメントが残っているか | - | ○ |
命名規則の正規表現
checkstyleのDefaultは、 ^[a-z][a-zA-Z0-9]*$
が基本で先頭だけ小文字の英字としている。Sun Styleはこれに則っている。
Google Styleでは多くの命名規則を、^[a-z]([a-z0-9][a-zA-Z0-9]*)?$
とし、先頭だけでなく2文字目も小文字にしている。(ハンガリアン記法の禁止?)
考察
- google_checksをベースにプロジェクトのstyleを作りたい。
とはいえ、そのままだと一部のコードで不都合があるからpropertyレベルの変更は必要。 - sun_checksの設定内容は、IDEのinspectionと重複しているものが多い印象だった。
だけどウチの規約上で入れておいた方が良いチェックもあった。 - ここまで来たら、全部のスタイルの定義を調べておきたいので、いずれ更新したいと思う。