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既存の自作scriptを簡単にChrome拡張機能にするためのテンプレートを作った

Last updated at Posted at 2021-11-25

Chrome拡張機能を初めて作ったので作り方の備忘録です。
きっかけは、コーディングしたWebページをデバッグする際に使っていた自作のスクリプト。これまではHTMLファイルにscriptタグを挿入して実行していましたが、ブラウザのボタンから実行できた方が便利です。そこで、既存のスクリプトからコピペで簡単に「Chrome拡張機能化」できるようなテンプレートを作っておくことにしました。この記事では、その自作テンプレートcxt-templateについて書きます。対応するプラットフォームは、Manifest V3 for Chrome Extensions (MV3)です。

ソース: https://github.com/kazhashimoto/cxt-template

cxt-templateはそれ自体がChrome拡張として動作し、提供する機能とUIは単純です。

  • 表示中のページのコンテンツに「ユーザー定義のスクリプト」のコードをinjectして実行する。※スタブとして記述されているscriptは、console.logに1行出力するだけのものです。
  • 表示中のページのコンテンツに「ユーザー定義のCSS」をinjectする
  • オプション項目の設定値の保存と読み込み
  • UI: オプションページ(サンプル)
  • UI: Chromeツールバーに表示される拡張アイコンのトグル(ON/OFF表示)

この拡張機能に対するボタンのアイコンイメージは提供しません。ツールバーには、Chromeがデフォルトで設定した"cxt-template"の頭文字"C"が表示されるだけです。

インストール

適当なディレクトリにリポジトリをcloneします。

$ git clone https://github.com/kazhashimoto/cxt-template.git

Chromeを起動して、以下の手順でcxt-templateを拡張機能として読み込みます。

  1. chrome://extensions/にアクセスし、拡張機能の管理ページを開きます。(画面の詳細はこちら
  2. 「デベロッパーモード」をONにします。
  3. 「パッケージ化されていない拡張機能を読み込む」をクリックします。
  4. ファイル読み込みのダイアログで、ローカルに展開したリポジトリの./cxt-template/extensionディレクトリを選択します。

適当なWebサイトを開いてDevToolsを起動し、cxt-templateのボタンをクリックすると、スタブのscriptが実行されたことを示すメッセージがconsole.logに出力されます。右側のObjectの内容はoptionsの初期値です。

### start process ### ▶︎Object

ファイル構成

テンプレートのファイル一式は、extensionフォルダにあります。ファイル構成は下表のとおりです。

ファイル名 説明
background.js Chrome拡張のservice workerに使われるbackgroundスクリプトです。
content.css Chrome拡張からターゲットのWebページのコンテンツに挿入される「ユーザー定義のスタイルシート」です。
content.js Chrome拡張からターゲットのWebページのコンテンツに挿入される「ユーザー定義のscript」です。
manifest.json Chrome拡張のmanifestファイルです。
options.css オプションページのスタイルシートです。
options.html Chrome拡張のオプションページのHTMLファイルです。
options.js オプションページのロジックを実装するJavaScriptファイルです。

Permissions

manifest.jsonで指定しているpermissionは以下の3つです。

manifest.json
"permissions": [
  "activeTab", "scripting", "storage"
],
permission 目的
activeTab ユーザーが拡張アイコンをクリックして呼び出した時、現在アクティブなタブへのアクセス権を一時的に与えるため。
scripting chrome.scriptingAPIを使用して、ターゲットのWebページのコンテンツにスクリプトやスタイルシートを挿入するため
storage chrome.storage APIを使用して、optionの設定値を保存・読み込みするため 

ユーザー定義のscript

ユーザー定義のscriptはcontent.jsの関数内に記述します。
content.jsは以下の構造になっています。機能の組み込みにコーディングが必要な箇所は、コメントに示した[1],[2],[3]の部分です。

content.js
(function(classname, init_options, process) {
  // ....
})('_example',   // [1] <body>に追加するclass名
function(options) {
  // [2] オプションの初期値を設定するコードをここに書く
},
function(options, active) {
  // [3] 機能を実装するコードの本体をここに書く
  if (!active) {
    // アイコンの状態がOFFになって呼ばれた時
    // OFFの時の処理をここに書く
    return;
  }
  // 以下、アイコンの状態がONの時のコード
});

class名[1]は次のようにbody要素に設定されます。
表示中のタブについて、ユーザーがツールバーのcxt-templateアイコンを最初にクリックした時、もしくは状態がOFF表示のアイコンをクリックした時:

html
<body class="_example _example-active">

状態がON表示のアイコンをクリックした時:

html
<body class="_example">

オプションページ

options.htmlは、サンプルとして2つのcheckboxと2つのカラーピッカーを含んでいます。
ユーザーが「保存」ボタンをクリックすると、以下のプロパティを持つオブジェクトの設定値がChromeのstorageに書き込まれます。

optionsオブジェクトの例
{
  items: {item1: true, item2: true},
  colors: {color1: #ff0000, color2: #0000ff}
}

ツールバーのcxt-templateアイコンがクリックされると、storageからオプションの設定値が読み込まれ、上記[3]に示したユーザー定義scriptを実行する関数の1番目のパラメーターにセットされます。

javascript
function(options, active)

storageに保存されたオプションがない場合、[3]のscriptに渡されるoptionにはプリセット値(上記[2]で初期化した値)が入っています。プリセット値かどうかは、プロパティpresetの値(true/false)で確認できます。

javascript
  if (options.preset) { // optionsには初期値が入っている
    ...
  } else { // optionsにはstorageから読み込まれた値が入っている
    ...
  }

実施例

cxt-templateを使ってサクッと書いたChrome拡張のサンプルimg-markerです。img-markerは、カレントのタブに表示されたページのコンテンツに含まれるimg要素、および背景画像が設定された要素について枠線を表示します。

ソース: https://github.com/kazhashimoto/img-marker

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