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Code for Kanagawa 2015年振り返り

Last updated at Posted at 2015-12-24

Code for Kanagawa 古川です。
2015年の振り返りと気付きについて少しだけ書きます。
#1. Who we are?
2015年、Code for Kanagawaの活動も2年目に突入しました。昨年のコミュニティ立ち上げ当時は横浜界隈から人がどっと押し寄せるような感じで集まりました。元々横浜という土地はお祭りみたいなものが好きな人が多いらしく、コミュニティの目的である「地域の課題解決」「ともに考え、ともにつくる」、21世紀の行政(Code for Americaのコンセプト)のようなコンセプトを理解している人もいたし、そうでない人もいましたが徐々に目的に沿った人が集まる場になってきていると思います。

1.1 Brigadeの立ち位置

Brigadeの話をする前に、横浜・神奈川の歴史について簡単に記述しておきます。横浜・神奈川の成り立ちは、戦後半世紀以上の歴史の中で東京のベッドタウンといいう位置づけです。親世代、あるいは本人が地方から移住してきた人が多く昔から住んでいる人というのはむしろ少数派と言えるでしょう。そのため「地域」という同じキーワードでも、人によって愛着を感じられたり感じられなかったりします。実はBrigadeの活動のモチベーションに大きく影響を及ぼします。
また、Code for Japanのような活動が起るはるか以前、90年代~2000年前後にはNPOが乱立した時期があります。行政と市民の協働は元々盛んな土地ですのでBrigadeはかなり後発と言えるでしょう。
私自身もフィールドワークでそれら2000年前後に立ち上がったいくつかのNPOの代表とお話しをしましたが、共通して抱えている問題は組織維持、活動予算不足、次世代との世代交代でした。上手くいっている市民団体やNPOは事業をしていたり若い世代のやり甲斐を作ったりしていました。Brigadeとの差異はITを使うところくらいで本質的な差はあまり無く、先輩方の知恵やアドバイスは非常に参考になりました。
横浜界隈では多くの先輩達が地域の問題解決に取組んでおり、行政もNPOと接点を持って活動していることが普通に行われているので今のところCode for Kanagawaの活動テーマはテクノロジーを活かして活動できる分野に絞っています。今後は徐々にNPO連携も増えていくと考えています。

1.2 Brigadeメンバー

活動メンバーの立場も様々で、本業に関連している人もいればそうでない人もいるのでモチベーションの源泉がまるで違います。18時くらいから来れる人もいれば、週末しか時間がとれない人もいるので時間調整が大変です。行政職員、議員、フリーランス、経営者、ビジネスパーソン、大学の先生、学生といった多様なメンバーが集まりました。価値観も使う言葉も全然違うので会話を合せるところからなので大変ですがお互いの尊重を大事にしています。女性メンバーは非常にコミュニケーション能力が高い人が多く多様なメンバーとの会話でも「相手の視点に合て話す」が自然とできています。男性ばかりが集まると正しいか正しくないかという論理性を追求する議論になってしまいがちですが、女性メンバーは人間関係重視、横の繋がりを強める力はコミュニティに欠かせないと思います。

#2. Code for Kanagawa Activities in 2015
2015年の活動は「地域の課題解決」「価値創造」という目的を外れないように組み立てていました。やること(How)が価値に繋がるよう、Howよりも何故やるかWhy(Who, What)がブレることがないよう常に重視して取捨選択しています。
行政区画と同じになってしまってはあまり意味がない活動になるので、やり甲斐のある課題については「熱い想い」を大事にチャレンジしました。代表的な活動の一部を紹介します。

2.1 Civic Hack Nightの運営開始

メンバーが定期的に集まってプロジェクトを立ち上げる、あるいは活動状況を共有する場としています。リーダーのプレゼンに賛同する人がメンバーとして集まり、人が集まるとプロジェクトが開始します。
瞬発型のアイデアソン、ハッカソンとは別の方法、社会課題の解決という目的にブレないように推進するプロジェクトの立ち上げの場としています。
初回は社会課題に取組むソーシャルアントレプレナーの方々に登壇して頂き、なぜそれをやるのか、どう取組むのかをプレゼンして貰いました。
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2.2 箱根町避難所マップ

今年のゴールデンウィークに箱根山の噴火警戒レベルが引き上げられました。万一に備えて箱根町も避難所情報を公開しているのですが、情報は住所の記載は無く地元の人しかわからないローカルな地名ばかり。町外の観光客にも直感的にわかるよう避難所マップを創ろうと呼びかけ、牧さん、木村さん、下山さん、古川の4名のメンバーが開発に取組みました。
欠落している100件以上の避難場所の住所を特定し、ほぼ人力で緯度経度情報に変換し、オープンデータ化、地図にプロットしました。ポイントはFacebookグループを立てて全てオンライン、一度も顔を合せずに役割分担や意志決定をしながら進めたことです。
下山さんが紹介してくれたCityDataはデータさえ準備できれば簡単に地図に変換してくれて便利です。
箱根町避難所マップ
Github版箱根町避難所マップ

2.3 継続的な「非エンジニアのためのIT勉強会」

丁度1年間のクリスマスの夜に、偶然お会いした地域活性をビジョンに掲げているソーシャルアントレプレナーAPITECの皆さんにITを教えたことが切っ掛けで、毎月1回ITを知らない人でも簡単に使えるITを目指して勉強会を開催するようになりました。
GoogleのFusionMapのようなオンラインツール活用、WordPressにアドオンさせたデータ・ビジュアライゼーションの簡単Web公開から徐々にレベルアップし、APITECの皆さんの活動拠点が筑西市にも拡大したことでローコストIoTの農業活用というテーマにも取り組み始めました。
非エンジニアのためのIT勉強会
農業×IT
勉強会と言いつつ、目的を達成するために楽しみながら色々な手段を試す持続型のプロジェクト形式で推進するようになりました。
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2.4 Wikipedia街道 大山道(複数Brigade連携)

江戸時代に大山に参詣者が通った複数の大山道があるのですが、現代にも残っている歴史的な史跡についてWikipediaの記事を書いていこうという企画です。
小池さんが主体となって、Kawasaki, Setagaya, Kanagawa, Yokohamaの4つのBrigadeが連携しての活動となりました。
川崎、世田谷、海老名、二子玉川と場所を移しながら記事を書きつつ地域連携をしています。
DSC_1012.JPG
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2.5 ナイトビューウォーク in みなとみらい

Code for Healthcare × Code for Kanagawa連携企画です。
神奈川県の「未病を治す」のコンセプトに沿って、健康増進を目的に仕事が終わった夜、みなとみらいをスマートフォンアプリのガイドに沿ってウォーキングするイベントです。行程は約5kmです。
今後も継続的に
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3.最後に

3.1 成果と継続性

大切にしているのは腰を据えて成果を出すことです。
「あそこのBrigadeがやっているからうちもやろう」ではなくて、この地域に何が求められているのかは地域によってまるで違います。どうやるか(how)よりもここで何故それをやるのか(why)を考えることが一番大事です。
Code for Kanagawaでは2015年は一度もアイデアソン、ハッカソンを開催しませんでした。2014年末には旧東海道ハッカソンを開催しているのですが、正直以前から言われているようにアイデアソン・ハッカソンは継続性に問題がありました。目的にブレずに手段を変えながら成果を出すのには必ずしも最適な手法ではない、本業の仕事がある中で捻出した限られた時間を投入する割に成果が出ないため非効率ではないかと考えています。地域課題の解決に繋がるもっと良い方法があればそれを選択すればよいと思います。

何よりも最も熱心に社会課題に取組んでいるソーシャルアントレプレナーの方々へのヒアリングでわかったことは、「アイデアソン、ハッカソンは知っているけど行かないと思う」と口を揃えて言われたことです。アイデアやプロトタイプが先にあるのではなく、最初にあるのは人と目的=社会課題です。熱心に推進する人と、そこに掲げる目的に賛同した人が集まると継続的に成果を出すプロジェクトになります。プロジェクトは成果に向かって継続的な活動になるということです。
また、「楽しくないと続かない」は、実は色々な意味を含んでいます。楽しさとは人それぞれ感じ方がまるで違います。アイデアソン・ハッカソンを楽しいと感じる人と、社会問題に挑戦することを楽しいと感じる人は少しタイプが違うと認識しています。私達が重視しているのは後者で、問題が大きければやり甲斐があるし楽しいと感じる人が集まる場になっていけばと考えています。

3.2 -- 2016年に向けて

来年2016年にCode for Kanagawaで力を入れていきたいのは、公共課題のような明確な解がない問題を解く上流工程です。ここの行程はシステム開発の上流設計そのものです。このプロセスは不確実な問題にチームで解を導き出す、大学のProject Based Learningとほぼ相似なのですが、違うのは優先する成果がチームメンバーの学びなのかユーザーへのアウトプットなのかという点です。いわゆる企業でやっているようなプロジェクトであれば計画された予算、人、スケジュールのマネジメントになるのですが、不確実な問題には独特のアプローチになります。途中の軌道修正は起きる前提で、時には途中で止めることもあります。
先入観のない学生とのコラボレーションで社会課題に取組むシビックテック×PBLにも取組みます。

今後ともよろしくお願いします。

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Code for Kanagawa [ Facebook Group ] (https://www.facebook.com/groups/CodeForKanagawa/)

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