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GTMのコンテナ数に上限はあるのか?〜SaaSツール運営の裏話を添えて〜

Last updated at Posted at 2024-04-24

1アカウントあたり2,000コンテナが上限!

1アカウントあたり2,000コンテナが上限

Google Tag Manager(以下「GTM」)のコンテナ数に、はたして上限はあるのか...?

答えはYES。
1アカウントあたり2,000コンテナが上限となっているようだ。

「ようだ」と書いているのは、これが公式ドキュメントなどに記載されているわけではなく、実際に発生した事象により判明した新事実1であるため。

なお、ここでの「アカウント」とは、Googleアカウントなどとは異なり、GTMにおいてコンテナの上階層に位置するものだ。

タグ マネージャー アカウントは、階層構造の最上位に位置します。通常の場合、企業ごとに必要なアカウントは 1 つです。タグ マネージャー アカウントには 1 つ以上のコンテナが含まれています。
タグ マネージャー ヘルプより引用)

上限に達してしまったら?

普通に利用している限り、2,000コンテナの上限を超えることはまずないはずだ。
しかし、万が一超えてしまっても問題ない。

対処法は極めてシンプルで、新たに別のアカウントを作成し、その下層にコンテナを作成すればよいのだ。

新規アカウントを作成

アカウント数に上限があるのかどうかは現時点では確認できていないが、
仮に「1ユーザーが閲覧できるアカウント」の上限が100アカウントだとしても、20万コンテナを作成することができる。

なぜ上限が分かったのか?(+ SaaSツールにおけるエラー対応の裏側)

最後に、今回この新事実が判明した経緯についても述べておこう。

私は、「Optimize Next」という無料で使えるABテストツールの開発責任者を務めている。
2023年9月にサービス終了を迎えたGoogle製のABテストツール「Google オプティマイズ」を代替するツールとして、国内で最も利用されている2

「Optimize Next」は、GTMの仕組みを応用することで、自社のサーバーに依存しない運用を実現し、無料でのツール提供が可能となっている。

かんたんに説明すると、

  • 「Optimize Next」上でコンテナを新規作成すると、裏側ではGTMコンテナが作成される
  • ABテストを開始すると、そのGTMコンテナ内にタグが作成される

というような具合だ。

(実は「Google オプティマイズ」の正体もGTMだったのだが...その説明はまたの機会としよう。)


さて、前置きが長くなってしまったが、
そんな「Optimize Next」は先日、コンテナ数2,000件を突破した。

これは、リリースから約半年でおおよそ2,000サイトに導入していただいたという証であり、この新サービスの快進撃に社内も歓喜していた。

・・・ところが、である。

ちょうどそのタイミングを境に、コンテナの新規作成時にエラーが起きていることが発覚したのだ。
最初はGTMのREST APIを呼び出す際に何らかの問題が発生しているのかと疑ったが、どうもそうではないらしい。

・・・まさか、上限を、超えている・・・?!

そのまさかだった。
着実にグロースしてきているこのタイミングで、なんたる失態・・・。
しかし慌てている暇はない。すぐに対応方針をまとめ、実行に移した。

Slackのログ

エンジニアとしてはすぐにでも修正作業に取り掛かりたかったが、SaaSツールは信用がすべて
エラーに巻き込んでしまったユーザーさんへのお詫びを最優先事項とした。

すぐに対応できたこともあり、該当するユーザーが10名ほどだったのが、不幸中の幸いである。

修正作業自体も、そこまで複雑なものにはならなかった。
結局、発覚から2時間以内にすべてのエラーを解消することができた。

あとがき

実は、「GTMのコンテナ数に上限があるのでは?」という懸念は、「Optimize Next」のPoCの段階で既に上がっていました。

そこで、APIをループさせて叩きまくりコンテナを大量に作成して検証してみたのですが・・・
(Googleさん、その節は負荷をかけてしまいすみませんでした!)

1,000コンテナ以上作成できることを確認して、「GTMのコンテナ数に上限はない」と結論づけてしまっていました。
まさか上限が2,000だったとは・・・。

詰めが甘かったとしか言いようがありませんが、せめて公式ドキュメントに記載があれば・・・(笑)
いや、2,000コンテナも利用するユーザーなんてレアケース中のレアケースだし、Googleさんを責めるのはお門違いですね。


今回の件を通して、結果的に多くの学びを得ることができました。
多くの方にご利用いただけているからこそ起こったハプニングであり、まさに「嬉しい悲鳴」ですね。

ご不便をおかけしてしまったユーザーさんには申し訳ないですが、この反省を活かして引き続きより良いサービス運営に励んでいきたいと思います!
今後のビジョンについてはこちらのインタビュー記事でも語っておりますので、ぜひぜひご一読いただけると嬉しいです!

  1. かなり調べたのですが、それらしい記事は見つかりませんでした。もし既出情報であればコメントなどで教えてください...!

  2. Google オプティマイズ廃止後の代替ツール検討、選定状況に関する調査結果より

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