先日、人生で初めて外部の方を含むオープンな勉強会を自社で主催するという経験をしました。
エンジニアにとって勉強会自体は比較的身近な存在ではありますが、運営する側の経験は中々積む機会がないと思います。
弊社内でも勉強会はあまり前例がなく、さぐりさぐりで開催しました
今回、責任者として運営・主催するにあたり多くの知見を得ることが出来たので
やらなければならないこと・やったほうがよいことを自分が感じた範囲で記録しておこうと思います
初めて開催に挑戦する方への手助けになれば幸いです(慣れている方にはあまり参考にならないかもしれません)
※主観が多いため、必ずしも正しい・当てはまるとは限りません。参考程度に見てください
今回実際に開催した勉強会
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Matching Dev Meetup #4
- マッチング業界のクリエーター達による技術共有・業界紹介のための勉強会で、第4回目を自社にて開催しました
- 10分LT x 5 + 懇親会(5分LT x 2含む)の比較的スタンダードな勉強会の構成でした
- 身内枠含め40名ほどの会となりました
タスク管理
- 地味に作業が多いので、TODO管理ツールを使ってタスクをまとめておくとよいです。
- 準備に着手する前にできるだけタスクを洗い出しておくことを強くおすすめします
- 今回は普段の業務と並行して毎週、少しずつ消化していったので最初にすべてのタスクを洗い出して、忘れても問題ないようにしました
- 私はTrelloを利用して管理を行いました
- GithubのProjects機能なんかでもよさそうです
- ↓のような感じで運用してました
前日までのタスク
承認・許諾周り
- 当然ながら会社とチームの理解が必要になります。まずはじめに社内で開催の許可や申請を済ませましょう。
- またビルに入っている会社であれば、外部の方がビル内に入るに当たり手続きやルールがあることがあります。確認しておいたほうがベターです。
- 例えば弊社ではビルへの申請書類が必要でした。
- また弊ビルではゲスト用に入退室のためのセキュリティカードの発行も可能でしたが、盗難や紛失のリスクも考慮して発行はせずドアの前にスタッフを立てることにしました。
- 無用なトラブルを避けるためにもチーム外へも会場のスペースを専有し外部の方を招くことを必ず周知しておいてください。
社内スタッフの確保
- 普段の仕事もあると思うので、リーダーとサブリーダーを立てつつ社内(チーム内)で少なくとも3〜4人は協力者を募っておくと楽になると思います
- 慣れていればもっと少人数でも大丈夫だと思いますが
- 会場の規模にもよりますが会場設営は力仕事になるので当日手を貸してくれる人はもう少し多いほうがいいです
- Slackなどのチャットツールを使っていれば専用チャンネルを作ってしまったほうが会話しやすいです
スタッフ募集における+α
今回はスタッフ用Tシャツを作成し、メンバーへ配りました。
当日参加者がスタッフをひと目で見分けられるようにするとともに、(人にもよりますが)スタッフメンバーのモチベーションアップにもなるので余裕があれば検討してみても良いかと思います
一般募集周り
参加者を募集するにあたってconnpassなどの勉強会支援プラットフォームを使うことになるとは思います。
勉強会の性質や規模によりますが1ヶ月前頃から募集開始したほうが拡散もしやすく、人数も事前に把握しやすくなるので良いと思います。
基本的な会の方針とともに、会場へのアクセスや注意事項・必要事項も予めイベントページに記載しておいたほうが良いでしょう。
また、発表内容についても事前に登壇者の方から名前(ハンドルネーム)やタイトルを聞いておいて掲載できると参加者がどんな会になるのかわかって良いです。
せっかくなので(もしやっていれば&希望があれば)TwitterやGithubのユーザーネームを載せるのもよいですね。
懇親会の準備
せっかく集まってもらうので、可能であれば懇親枠を設け食べ物やドリンクを振る舞えると良いと思います。
当然ながら人数に応じてそこそこお金がかかるので、会社への稟議や許可・許諾を始めに取ってください。
ただしあくまで懇親してもらうのが目的で、ご飯やドリンクは会話を弾ませるための材料と捉えたほうがよいです。
懇親会の時間自体は1時間程度が目安かと思われます。
事前に出前を頼む形にして会の1時間ほど前に届けてもらうように予約しておくと安心だと思います。
ドリンク
- 夜開催であれば、アルコール類を多めに用意してあげるのが良いと思います
- アルコールが苦手な方もいるのでソフトドリンクやお茶もあったほうがいいです
- 参考までに、今回の会で用意した内容を記載します
- 30〜40人想定
- 懇親枠は1時間程度
- 100本弱 = 1人2~3本
- アルコール7割、ソフトドリンク3割
- 計15000円程度
- 最終的に少し余ったくらいで会の最後にスタッフで飲んだら全部なくなりました
食べ物
- 基本的には懇親をしてもらいつつ食べることを考えて用意するのがよいです
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ピザやお寿司は割とメジャーではありますが、手がベタベタになやすいことやお箸やお皿、醤油などが必要になることには注意してください。
- そのタイミングで会話が途切れてしまったり食べ物を取りに行きづらくなってしまうこともあるかもしれません。
- サンドイッチやおにぎり,ピンチョス系にしておくことで気軽に手に取りつつ会話を楽しめるので個人的にはおすすめです。
- 1箇所に食べものがあると人が固まりすぎてしまうので分散して置けるようにお皿を分けて注文したほうがよいです
- 勉強会の方向性や開催の時間帯によってはお菓子をメインにして固めてしまうのも悪くないかもしれません
- お箸やお皿、紙コップは足らないと困るし余っても使い回せるので十分すぎるほど用意しておいて良いと思います
- 缶や紙皿などのゴミが多く出ます。大きめのゴミ箱を用意するようにしてください
- 適当なものがなければ大きめのビニール袋をテーブルかどこかにくくりつけてでも良いと思います
- あとで捨てやすいようにゴミ袋ごとに分別して捨ててもらえるように表記しておくとなお良いです
- 参考までに、今回の会で用意した内容を記載します
- 30〜40人想定
- 懇親枠は1時間程度
- 4テーブルに配置する想定
- 一皿5〜6人前をのものを注文
- サンドイッチ・ピンチョスなどがメインでデザートも若干追加
- 計45000円程度
- 最終的にほぼなくなり、ぴったりかちょっと足らなかったかなという感じでした
懇親してもらうための+α
- 今回はテーマが広かったこともあり、いろんな職種や会社の方が来られることを想定して来場された方に入り口で名札を作ってもらいました
- 以前懇親してて、目の前で会話してる人がどんな会社でなんの仕事をしているのかわからなかったことも意外とあったのでそれが無くせればという目的でした
- 適当な名札テンプレートを印刷しつつ数百円で50枚入りの名札入れケースを購入して使い捨て前提にしました
- ↓は実際に用意した名札とケースです
一部好評との意見も聞きましたが、私自身あまり会話する時間がなかったので実際のところどこまで有効に活用されていたのかはちょっとわかりませんでしたw
当日のタスク
会場づくり
- 会場構成は勉強会の方向性や規模、会場によって変わるので一概には言えませんが参考までに今回の構成を記載します
- 最初はセッションをメインにするため、スクリーンの前に椅子を並べました
- その後懇親会をするにあたり、参加者の座っていた椅子を横に捌けてテーブルを持ち込んで立食形式にしました
- この際参加者の方々にもお手伝い頂いて移動し懇親会会場をセッティングしました
- 会の開始時は実際にはこんな感じになりました
- 1時間程度前から会場は確保して会場づくりのための準備を始めたほうがよいです
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発表用にプロジェクターと映し出すスクリーン、スタンディングデスクとマイクあたり必要になります
- 小規模の会であれば、大きめのディスプレイだけあれば十分かもしれません。
- マイクは発表者用と司会用(トラブルの時用)に2つくらいあると良いです
- もしプロジェクターやスクリーン、壁のスペースに余裕があれば会場情報をスライドなどでループさせながら出しておくとよいです
- 例えば以下のような情報を常時出しておけると親切だと思います
- タイムスケジュール
- フリーWiFiの情報
- トイレの場所
- 喫煙所の場所
- その他注意事項
- (せっかくなので)会社の宣伝
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また会場によっては(弊社もそうでしたが)オフィススペースと会場が別れていない場合は、間違ってオフィススペース側に入らないように何かしらでガードしておくのが良いと思います
- 今回は↓のようなホワイトボードを使ってオフィス側との間に壁を作りました
- あわせて会場案内もそこで行うことで有効にスペースを使うことも出来ます
- 荷物置きのスペースも必要になるのでどこに置くかは事前に決めておいてください
- 懇親会などが一切なしの会であれば席の足元に置くでも良いかもしれません
会場づくりにおける+α
- 全く必須ではありませんが、会が始まる前や懇親会で流せそうなおしゃれな音楽があるとそれっぽくてちょっとテンションが上がるかもしれないです
- またせっかく自社に来てもらう機会なので本来の勉強会の意味を邪魔しない範囲で宣伝をするのも良いと思います
- 今回は自社のプロダクトのパンフレットとステッカーを用意して参加者に配りました。
- 場合によっては希望者に対してオフィスツアーをするのも良い案かもしれません
- 参加してもらった方の印象に残るなにかを提供できると良いですね、せっかく来てもらっているので。
道案内
- 会社やビルによっては不要かもしれませんが、個人的に他社の勉強会に参加する上で地味に不安になるのが会場までの道順だったりします
一人で迷いまくると帰りたくなったりすることあるよね
- 安心してたどり着いてもらうためにビルのエントランスとエレベーターホールに立て看板と張り紙を配置することにしました
- 会社やビルによっては立て看板を貸し出ししてくれることもあると思うのでうまく使うのが良いと思います
- 今回は開催に当たり↓のような道案内用の紙を作成しました
間借りしているビルの場合、フロア以外に張り紙や立て看板を勝手に立てては行けないところもあると思うのでビルの管理会社側に一度問い合わせたほうが良いと思います
受付
- 出入り口にスタッフを1〜2名立てて会場内へ案内しつつ来場者へ声掛けをしていったほうが良いかと思います
会場着いても席に座るまで結構そわそわしちゃうしね
- 今回は入場の案内とともに下記を声掛けしました
- 荷物の置き場所案内
- ドリンクの案内
- 名札の記入お願い
- また、遅れてくる方もいるので会が始まっても30分程度は受付にいたほうが良いです
- セキュリティ上問題なければ開催中はドアは開放していたほうが出入りの敷居も低くなると思います
その他必要なもの
会場づくりのところでも少し述べましたが
下記あたりはあったほうが良いです。小規模の会であれば不要かもしれません。
- プロジェクター
- スクリーン
- 登壇者用マイク
- 登壇者のPCを置くスタンディングデスク
- 司会用マイク
社外の登壇の方がいる場合は、どんなPCであっても接続できるようにケーブル類は用意してあったほうが良いです。
特にMacbookなどではUSB-Cしか端子がないので用意してください。
とりあえずは下記の2つのケーブルがあれば概ね大体のPCで接続出来るかと思います。
- USB-Cケーブル
- HDMIケーブル
また、会社的に許可が降りるのであればですが、参加者が自由に使えるフリーWiFiはぜひ開放してください。
Twitterなどのハッシュタグを決めておくことで発表を聞きながらTwitter上で盛り上がったりも出来るので、会を知ってもらうきっかけを増やすことができます。
もちろんゲスト用の回線を用意するなど、セキュリティには十分注意してください。
タイムスケジュール
タイムスケジュールについては勉強会ごとに毛色が異なり
一般論で語れないと思うので今回の会を参考までに載せておきます。
時間 | 内容 |
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19:00 - | 受付開始(+登壇者のPC接続確認) |
19:25 - 19:30 | イベント趣旨説明 |
19:30 - 20:40 | 10分LT大会 |
20:40 - 21:50 | 5分LT & 懇親会 |
LTに慣れていない人でわりとオーバーしてしまったり、機材トラブルで時間がかかったりすることもあると思うので
ある程度バッファをもってタイムスケジュールを組んだほうが良いと思います。
司会について
司会進行役をひとり立てることになると思いますが、会の進行や次のLTの案内以外にも積極的に声をかけていったほうが良いです。
可能であれば、会の開始前に登壇者のPCの接続確認を済ませるよう案内をしてあげると良いかと思います。
また必要に応じて、会の開始時に下記のような内容を参加者に対して共有してあげると勉強会に対しての理解が深まると思います。
共有事項が多い場合はあいさつ用のスライドを用意してあげるのもありですね。
- あいさつ・会の趣旨説明
- タイムスケジュール
- フリーWiFiの情報
- 壁でもスクリーンでもよいですがどこかに表示してあげながら案内するのが良いです
- Twitterのハッシュタグ(あれば)
- トイレの場所
- ビルの入退室について(あれば)
- 例えば21時以降は裏口から出る必要がある等注意事項があれば共有して置くと良いです
- その他注意事項
懇親会がある場合はスムーズに移れるように案内をしてあげると良いと思います。
今回は椅子の移動や机のセッティングを参加者の方々にも手伝って頂きました。
また、解散時は人数がやや多め以上の懇親会からの流れ解散だと中々人が捌けないことあるので何度も根気よく案内していく必要があります。
懇親会でガヤガヤしてると割とみんな聞いてないので。
開催中の動き
司会以外は不必要に動かなくてよいですが、懇親会へ映る際には椅子や机を素早く移動できるように準備しておく必要があります。
また会場によっては、スクリーンにスライドを映し出している場合会場を暗くしたりする必要が出てくると思うので照明係を決めておくとスムーズに進むと思います。
会の進行具合に不安があれば、タイムキーパー係を一人割り当てておいて合図をしてあげるのも良いと思います。
あとは不測の事態に備えて待機しつつ、懇親時は参加して一緒に盛り上げていけるとよいでしょう。
終わった後のタスク
後片付け
夜開催だと終わりが22時などになるため、後片付けは素早く終わらせる必要があります。
スムーズに片付けられるように準備はしておいたほうがよいです。料理やドリンクが余ったら打ち上げをしてもよいかもですね。
登壇スライドについて
可能であれば登壇者から発表した内容を共有してもらえるとよいです。
登壇者がSpeakerDeckやSlideShareアップロードした後Twitterで独自に共有するやり方が割とメジャーですが、場合によっては運営側から登壇者へ呼びかけてスライドを集めて一箇所で見れるようにしておくのも良いと思います。
connpassを使っていればイベントページ上でスライドのリンクを掲載しておくことも可能です。
〆
注意点や気にすべきところはまだまだたくさんありますが、とりあえず今回自分が初主催するに当たり気をつけたところを上げました。
経験者や知見のある方で、こういうことをやるといいよとかあればぜひ教えていただけると幸いです。
今後イベントなどを開催する方がさらに増えて日本のエンジニアリング界隈がさらに盛り上がっていくとよいですね!