目次
はじめに
2024#1のJDLA(Japan Deep Learning Associate)E資格に合格しました!
記事の投稿自体は2025年に行っておりますので合格から約1年ほど空いておりますが自身の振り返りとこれからE資格を受験される方の参考になればと思い当時のあれこれを記載できればと思います🤗
E資格とは
試験概要
まず、E資格の概要について簡単に説明させていただきます。以下、JDLAの公式サイトより引用文です。
ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力や知識を有しているかを認定する。
参考:E資格とは - 一般社団法人日本ディープラーニング協会【公式】
簡単に補足させていただくと、AIの理論から実装までを適切に行える能力を示すための試験になります。理論から実装までといったところで試験では、確率統計などの数学的な問題からPythonフレームワークによるモデル実装まで幅広い分野から出題されます。
試験範囲
範囲はある程度の頻度で更新されるため2025年7月現在のシラバスから参照すると、
- 数学的基礎
- 機械学習
- 深層学習の基礎
- 深層学習の応用
- 開発・運用環境
上記の5項目からそれぞれ出題されるようです。
ここの大項目は、私が受験した時と概ね変わりがないように感じます。
受験資格
こちらも先ほどと同じサイトからの引用になりますが以下の記載が確認できます。
JDLAでは、ディープラーニングの理論を理解し、適切な手法を選択して実装する能力を持つ人材を育成する講座を、JDLA認定プログラムとして認定推奨しています。いずれかの認定プログラムの受講を修了すると、E資格の受験が可能になります。
E資格の受験には別途認定された認定プログラムを受ける必要があるという形になります。
認定プログラムは以下をご参照ください。
E資格認定プログラム事業者一覧
こちらJDLA公式サイト内での記載は見つけられなかったのですが過去2年以内に認定プログラムを修了が条件だったと記憶しています。もし、受験を検討されている方は詳細をご自身でもご確認いただくのが確実かと思います。
<結論>E資格を受けて
- 費用:
- 認定講座: 約140,000円
- 参考書: 約20,00
- 受験料: 33,000円
- 総額: 約193,000円
- 総勉強時間: 約600時間(平日一日3時間、休日一日5時間以上で6ヶ月間)
- 勉強に使った教材:
- 勉強方法
- 認定講座を受講する
- YouTubeでインプット
- Google ColabでPythonコードを書く
- 書籍を読む
- 実践形式の問題になれる
- 感じたメリット
- AIに関する解像度が上がった
- 仕事で生成AIに関する業務に関われるようになった
- 転職に役立った
- 感じたデメリット
- まだまだ世の中的に認知度は高くない
- 受験費用が高い
当時を振り返って
注) ここからは私自身の話が多くなります。E資格の概要や受験時にかかったコストを知りたいという方はここで引き返すことをお勧めします。
ここでは大きく分けて
- E資格受験前
- 認定講座修了
- E資格受験
- E資格受験後
に分けて話をさせていただきます。
E資格受験前
スペック
- 職業: 医療職(技術職)
- 年齢: 20代前半
- 資格: 理学療法士/統計検定/基本情報技術者試験
- その他: ITリテラシーかなり低い(M365製品を扱うので手一杯なレベル)
上記からある程度、察しがつく通り、特に学生自体にIT関連の勉強をしていた経験もなければ業務でもITとは関係のない仕事に従事していたことからITリテラシーがかなり低く、他の受験者よりも圧倒的に出遅れているところからのスタートだったと感じております。
ただ私自身、数学やITの勉強にそこまで抵抗がなく、興味のある分野だったため楽しんで勉強できていたというのは、唯一の救いだったと振り返って思います。(その延長線上で統計検定2級と基本情報技術者試験は合格しました。)
受験動機
端的に申し上げますと、面白そうだったからです。
当時、私の勤めている病院では、研究に力を入れる方針もあり先輩から研究のお声がけをいただいたところから統計の勉強を開始し、統計について色々、調べていくうちに機械学習やPython、AIといった分野にも興味を持ち始めた経緯があります。
認定講座
受験資格の章でも話した通り、E資格受験にはJDLAが認定した認定講座の受験が必須になります。
私は、AVILENさんの「全人類がわかるE資格講座+機械学習講座」を申し込みました。
E資格講座|合格者数No.1オンライン研修
AVILENさんを選んだ理由は以下の理由です。
- 基礎から網羅的に学べそうだった
- 現役エンジニアと直接会話できるサポートがあった
- 過去受験者の実績があった
- 「全人類がわかる」というワードで自分でもできそうと思った
いざ勉強開始
受験講座が決まったらやることはひたすら講座に打ち込むのみです。2024年2月の本番に向け、2023年8月から認定講座の受講を開始しました。働きながらでしたので平日は大体3時間、休日は5時間以上を目安に勉強しました。ここでは、AVILENさんに提供してもらったスライドや動画でインプット、ipynbでPythonコードベースのアウトプットを行いました。
また、並行してゼロつくやYouTubeの各種教材で基礎知識の補強を図りました。
認定講座修了
受講開始から2ヶ月ほどで認定講座を修了しました。
認定講座の内容は主に以下の内容です。
- 動画/スライドベースの講座
講義形式で応用数学から深層学習まで試験範囲に沿ったカリキュラムを受講しました。 - コーディング試験
Pytorch, NumPy, Scikit-learn, Matplotlibなどを用いた演習。活性化関数のスクラッチ実装やCNN, RNNなど穴埋め形式で課題が出されます。試行錯誤を行い、実装が終わったら提出して合格が出たらクリアという方式でした。画像処理、自然言語処理など講座の各章に応じたコーディング試験が約10試験あったと記憶しています。 - プロダクト演習課題
コーディング課題が終わると、自分でテーマを自由に設定し、ディープラーニングを活用したAIプロダクトを作成する課題。私は、CNNモデルにおけるデータ拡張手法毎の精度比較という演習を行いました。 - 修了試験
ここが最後の難関です。講座全体を振り返った四者択一の試験に合格することでE資格の受験資格が得られます。恥ずかしながら私は3回挑戦してやっと合格したと記憶しております。
E資格受験
試験本番まで
私は認定講座の修了がかなり早い段階で終わったため試験まで約4ヶ月と十分に対策期間がありました。途中、1~2ヶ月間ほど、中弛みがあり本格的に試験対策を行ったのは試験2ヶ月前ごろからになります。
ここで用いた教材は、
- AVILENの認定試験修了後に配布される試験対策プログラム
- 黒本
- YouTube
ここら辺の教材です。主に、試験形式でのアウトプットを心がけました。
受験当日
本番は、かなり緊張した記憶がありますが、時間としてはかなり余ったため何度も見返しを行い、不安は残るもののひとまずはやり切ったと言えるくらいの出来だったと思います。
合格発表
合格発表は、受験の大体2~3週間後にメールで通知が来ました。話は逸れるのですが、当時、私はこの受験を通してIT分野、ひいてはAI領域にかなり心酔しており、未経験ではありますがIT企業でエンジニアとして働きたいという目標のもと転職活動を行っていました。巷で言われている通り、IT企業未経験での転職活動というのは思ったよりもしんどくそもそも書類で通らない、、書類が通っても面接ですぐに弾かれるという状況が続いていました。かなり手応えのあった面接でも結果お見送りという形になることが続いていたため心身ともに疲弊していた時にE資格合格のメールが届いたためかなりE資格の存在が支えになっていました。
ただ、E資格のデメリット部分でも記載しましたが、やはりIT業界全体を見るとE資格の認知度がそこまで高くない+資格よりも実務経験が重視される業界というところもあり、E資格を持っているというだけでは転職における効果は少ないと感じました。
ただ、就活を続けているうちにとあるSES企業から内定をいただき無事IT企業へエンジニアとして就職をすることができました。
E資格受験後
上記で少し触れましたが、E資格合格後約1ヶ月でSES企業に内定をいただき2024年4月からエンジニアとして働いております。
転職後、E資格が役立ったかという観点から話をさせていただきますと結論「役立った」と感じています。
理由としては、転職したSES企業がJavaを中心とした基幹系システムの案件を中心に扱っている企業になり、研修もJavaで行われたのですが、E資格を保有しPythonコードや機械学習、深層学習に触れていたということを会社の上司に伝えると、Pythonを用いたAI案件に優先的にアサインしていただくことができ、今では生成AIに関連するエンジニア業務に従事できたためです。
もちろん、AIエンジニアになるためのキャリアパスは色々あると思います。一般的なところではコンピューターサイエンスやAIに関連した大学院から就職をするところかと思いますが、私のように学生自体特に、それらに関わったことがない人がこれからAI分野に関わりたいとなった際は、一つの武器としてアピールすることができる資格なのかなと思っています。
終わりに
この記事がこれからE資格を受験しようかどうか迷っている方の参考に少しでも慣れたら幸いです。