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ターミナルで複数のファイルを並べて表示する方法(改造編)

Last updated at Posted at 2023-11-26

以前、UNIX 端末上で複数のファイルを並べて表示する方法と、ansicolum コマンドを使って実現する方法について書いた。

ansicolumn でファイルを並べて表示する

結論は簡単で、ansicolumn コマンドに複数のファイルを与えて実行すればいいだけだった。

スクリーンショット 2022-10-12 20.18.22.png

3つのデータを同時に見たい

ファイルを並べてみたいことは結構あって、そんな時に便利に使っていた。ターミナルの幅が狭くて表示できない場合には、画面を広げるとか、フォントを小さくするとかで対応することができる。

最近になって、ある2つのファイルを並べて表示したくなった。1つのファイルに用語のリストが含まれていて、もう1つのファイルには、同じ行に含まれる用語の日本語訳と、その読みがタブで区切られて書かれている。この3つのデータを同時に並べてみたいというのは自然な発想だろう。

まあ、ansicolumn を使って2つのファイルを並べて表示することはできるのだが、最初のファイルには1つの項目、2番目のファイルには2つの項目が含まれているので、1番目と2番目の項目の間に隙間がありすぎてスカスカするし、離れているので対応が取りにくいのだ。

paste でつなげる

まず考えられるのは、2つのファイルを組み合わせて1つのデータにする方法だ。これは、最初の記事で紹介した paste コマンドを使えばいい。

paste terms.txt japanese.txt | column -t

のようにすれば、3つの項目を整列して表示することができる。

ここで問題なのは、それぞれのデータの中には空白文字が含まれていることと、タブは1つではなく、桁合わせのために複数入っていることだ。タブが1つに限られていれば column コマンドの -s オプションでタブを指定すればいい。roff の tbl 形式はそのようなものだが、決して見やすい形式ではない。

ansicolumn -r オプション

こういう時のために、今年の夏に ansicolumn コマンドに -r オプションを追加してあった。普通は -s オプションには分割に使う文字を列挙するのだが、-r オプションと一緒に使うと -s の値を正規表現として解釈するようになる。

paste terms.txt japanese.txt | ansicolumn -rs '\t+'

こうすると、タブ文字の連続を区切りとして要素を整列することができる。

ちなみに、今回のケースであれば、sed で複数のタブを1つに変換すれば column コマンドで処理することもできる。もっと複雑なパターンを指定したい場合や、分割文字を出力に含めたい場合には -r オプションが不可欠となる。

ansicolumn --cell オプション

これがすべてのファイルに通用するわけではないので、ansicolumn コマンドに新しいオプションを追加して、それぞれのファイルの表示幅を指定できるようにした。ansicolumn には、元々カラムの幅を指定するための --pane-width (-S) というオプションがある。しかし、column コマンドは同一種類のデータをマルチカラムで表示するためのものなので、処理の都合上、この幅を可変にするのは難しい。GNU の ls などはそんな処理をしているようだが、恐ろしくてソースを見たくない。おそらく、バックトラックのようなアルゴリズムを実装する必要がある。

絶対値指定

難しい原因は、横方向のパラメータが変化すると縦方向の処理に影響が出るからだ。そして、縦方向のパラメータが変化すると、また横方向の処理に影響が出るのだ。しかし、複数ファイルを表示するパラレルモードでは、縦方向の変化は発生しない。というわけで、パラレルモードだけで有効になる --cell というオプションを追加した。

ansicolumn terms.txt japanese.txt --cell 40,120

のように使うと term.txt を40カラム、japanese.txt を120カラムで表示する。

相対指定

表示幅を相対的に指定することもできる。デフォルトでは、2つのファイルであれば、それぞれ画面の半分の幅で表示する。もしそれが80カラムだとしたら、次のようにすると、上の例と同じ結果になる。

ansicolumn term.txt japanese.txt --cell -40,+40

最長行指定

それぞれのファイルに含まれる最長行を基準にすることもできる。

ansicolumn term.txt japanese.txt --cell =

のように --cell オプションの値として = を指定する。

= の値には最大値を指定することができて、

ansicolumn term.txt japanese.txt --cell =40,=120

のようにすると、それぞれのファイルの最長のデータが40カラムと120カラムを超えければその長さ、それより長かったら40と120に設定される。

たとえば、

ansicolumn --cell =,=80,=80 /etc/{paths,passwd,services}

を実行するとこうなる。

スクリーンショット 2023-11-26 19.07.38.png

/etc/passwd/etc/services は80カラムを超えるので、それぞれ80カラムで折り返されている。

TODO

ansicolumn の他のパラメータは逆ポーランド記法で式が書けるようになっているが、--cell オプションはそうなっていない。そうすれば、比率を指定して画面を分割するような使い方が可能になる。しかし、元々、他にやりたい作業があってそのために実装したので、これにあまりかまけていると、本来の作業が一向に進まない。そのうち、気が向いたら実装するかもしれない。

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