新年の最初の記事では、現在注目されている技術スタックについて触れていきたいと思います。
まず、Webアプリケーション開発は最近、かつてないスピードで進化を遂げています。新しい技術が徐々に登場し、開発者は限られたリソースの中で最大の成果を求められる時代です。そこでどんなスタックを選ぶかは、開発効率やプロジェクトの成功を大きく左右する非常に重要なポイントと言えます。
私自身、2024年には人気のフレームワークを調べて習得していく中で「技術スタックの選択」というテーマに関心を持つようになりました。 それらを組み合わせた技術全体のトレンドを把握することが、これからのWeb開発を考える上で重要な視点だと思います。
そんな中、多くの場面で目についたのがMERNスタックです。MERNスタックとは、MongoDB、Express.js、React、Node.jsの4つの技術で構成されたスタックで、フルスタックのJavaScript環境を提供しその特徴は、シンプルさ、柔軟性、そして開発スピードの速さです。
これらの特性が現代のWeb開発のニーズにぴったり合致していると強く感じました。 そこで今回は、MERNスタックがどのようなものなのかをわかりやすく解説しつつ、なぜこのスタックが2025年も人気を集めているのか、その理由を共有していきたいと思います。
1. 2025年のWeb開発におけるスタック選択
開発スピードと効率性が求められる現代
Webアプリケーション開発の現場では、スピードと効率性がこれまで以上に重視されています。激しい市場の変化に対応しながら優れたユーザーエクスペリエンスを提供するには、使いやすく拡張性に優れた技術スタックの採用が不可欠です。
さらに、短い期間でプロトタイプを作り、エラーや仕様変更にもすぐ対応できる柔軟性が求められています。
フルスタック技術の優位性
こうした開発効率を高めるには、フルスタック技術を採用するのが効果的です。バックエンド・フロントエンド・データベースといった役割ごとに異なる言語を使わず、統一した開発環境を整えることで、次のようなメリットが得られます。
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チーム間のコミュニケーションロスが減る
バックエンドとフロントエンドが同じ技術スタックだと、認識のギャップが生まれにくくなる -
開発スピードが向上する
環境構築や統合が容易になり、作業の重複やミスが減少↓
特に、限られたリソースで行うスタートアップや小規模プロジェクトでは、この「フルスタック一体型」の利点が大きく活かされます。
2. MERNスタックとは
近年、多くの開発者が注目するフルスタック技術の代表格がMERNスタックです。以下の4つの技術で構成され、すべてJavaScript(TypeScriptを併用することも可能)で開発できるのが特徴となっています。
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MongoDB
ドキュメント指向のNoSQLデータベース。スキーマレス設計が可能で、将来的なデータモデル変更が柔軟 -
Express.js
シンプルかつ軽量なサーバーサイドフレームワーク。REST APIの構築が容易で、コードも読みやすい -
React
コンポーネント指向のフロントエンドライブラリ。UIの再利用性が高く、モダンなシングルページアプリケーション(SPA)に強い -
Node.js
非同期I/Oモデルを採用した、高速・スケーラブルなサーバーサイド環境を持ち、イベントドリブンなアプリ開発に適している
3. MERNスタックが注目される理由
3.1 シンプルさと柔軟性
フロントエンドからサーバーサイド、データベースまですべてJavaScriptを使用した開発ができるため、学習コストが低く、コードや文化が統一しやすいところが最大の強みです。
3.2 一貫性のある開発環境
多数のライブラリやツールがJavaScriptベースで揃っており、ドキュメントやコミュニティのサポートも充実しています。フロントとバック、どちらも同じ言語なら設定やデバッグの一貫性も高いです。
3.3 迅速な開発が可能
MVPやプロトタイプを短期間で作る際に最適。アジャイル開発や小回りの利くスタートアップの現場でもスムーズに導入できます。
4. MERNスタックの基礎と役割
各構成技術の役割
- MongoDB: スキーマレス設計が可能なNoSQLデータベース。ドキュメント指向で柔軟な拡張が容易
- Express: 軽量なWebフレームワーク。API開発がシンプルで、ミドルウェアの拡張も豊富
- React: UIをコンポーネント単位で設計できる、再利用性とメンテナンス性が高い
- Node.js: 非同期I/Oによる高速処理が可能で、大規模アクセスにも対応しやすい
技術の連携フロー
[React] --フロントエンド--> -> [API] (Node.js + Express) -> [MongoDB] (データベース)
markdown
フロントエンドからサーバーサイドへはRESTやGraphQLで通信し、DBはMongoDBで管理。すべてがJavaScriptで動くため、エンドツーエンドでの統一感を得られます。
5. MERNスタックが人気な理由
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JavaScriptで全て完結
- クライアント・サーバー・DB操作まで一貫して対応
- 学習コストが低く、特に初心者にとって取り組みやすい
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スピーディな開発体験
- Reactのコンポーネントベース設計でUIを効率的に構築
- ExpressでAPI設計がシンプルに完結
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コミュニティとエコシステムの豊富さ
- オープンソースの学習リソースが充実
- プラグインやライブラリが大量に存在し、用途に合わせて自由に選択可能
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スケーラビリティ
- MongoDBのシャーディングなどでデータ量の増加に対応
- Node.jsの非同期I/Oモデルで高負荷にも耐えやすい
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リアルタイムアプリにも強い
- WebSocketやSocket.IOとの組み合わせで、チャットやダッシュボードなどのリアルタイム更新も簡単
6. MERNスタックの利用例
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ECサイト
- MongoDBで商品管理、ExpressでAPI、Reactで商品一覧やカート機能を実装
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プロジェクト管理ツール
- タスク管理や通知、ユーザー認証などをフルスタックで一括開発
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学習リソース/ブログ
- ユーザー投稿機能やコメント機能を素早く実装し、スケールさせやすい
7. MERNスタックの課題と代替技術
課題
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MongoDBのNoSQL構造に慣れていない場合
スキーマレスゆえの柔軟性が裏目に出て、設計段階で戸惑う可能性あり -
大規模化の設計が必要
規模が大きくなるほど、コードの保守性やアプリの構成管理に注意が必要となる
代替技術
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MEANスタック (MongoDB + Express + Angular + Node.js)
- フロントエンドにAngularを採用し、TypeScript中心で進めたい場合に有用
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T3スタック (Next.js + Prisma + tRPC + Tailwind CSSなど)
- TypeScriptフル活用で最新技術を組み合わせた開発スタイル
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Firebase
- 認証やホスティングなどをGoogleのBaaSで一括管理したい場合に便利
まとめ
MERNスタックは、フロントエンドからバックエンド、そしてデータベースまでをJavaScriptで統一できる点が魅力で、学習コストが低く開発効率が高いのが特徴です。スタートアップから大規模開発まで幅広く使われており、コミュニティの成長もあいまって、2025年以降も注目が集まることは間違いありません。
- 初心者がフルスタックを学ぶ足がかりとして最適
- プロフェッショナルにとっても、迅速なプロトタイピングやアジャイル開発に対応可能
- コミュニティ・エコシステムが成長し続けている
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参考資料
https://www.nobledesktop.com/classes-near-me/blog/what-is-the-mern-stack
https://www.pesto.tech/resources/why-mern-stack-is-in-high-demand-exploring-the-benefits-and-opportunities
https://www.capitalnumbers.com/blog/mern-stack-in-2025/
https://www.simplilearn.com/mern-vs-mean-stack-article
https://www.aimoretechnologies.com/is-mern-stack-in-demand/