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前置き

今回は後輩や新人に向けての教育について書いていきたいと思います。
とはいえ目下に対することに限らないと思います。

人に何かを教えるときに、飲み込みの早さというのはどうしても現れると思います。
今の自分の教え方ではどうも上手くいかないと思ったときに役立つかもしれないノウハウを共有したいと思います。
私自身、かなりフィーリングでやってることなので上手く文章化できているかはわかりませんが・・・

先にお話しすると、こういった問題を解決するのに近道はないと思っています。
飲み込みが早くないのであればどうしても時間がかかってしまうのが道理です。
ですが、対処の仕方を知っておくことで、不要な衝突を避けたりコストを少なくすることはできます。

教え方の話① なかなか理解してもらえないとき

なぜこの仕事をやっているのか、なぜこの手順なのか、どう手を動かしたらいいか。
やる気・覚える気はあるのになかなか理解してもらえないことがあると思います。
こんなときは、前提知識が備わっていないことを考慮してみると良いでしょう。

例題

例えばですが、化学のとある問題を例にしてみます。

圧力がP1、体積がV1、温度がT1の状態の気体がある。
この気体の圧力をP2、温度をT2に変化させた。このときの体積を求めよ。

化学の知識がないとパッと解ける問題ではないと思います。
なので、解けない場合は前提となる知識をどんどん掘り下げていきます。

◆第一段階
この問題を解くのに必要な公式は以下のものです。

ボイル・シャルルの法則
P1×V1/T1 = P2×V2/T2

この公式を見れば、化学の知識がなくとも計算のセオリーを理解している人であれば解けると思います。

◆第二段階
公式(道具)だけ教えられても、計算のセオリー(使い方)がわからなければどう扱うのかわかりません。
というわけで、この公式が何者で、どう使うかという話ですが、
気体は「圧力×体積÷温度」の計算結果が必ず一定になるという法則があります。
ということは、例えば圧力を大きくする(気体を強く押し付ける)と、体積が小さくなったり、温度が上がったりして「圧力×体積÷温度」が気体を押し付ける前と同じになるということです。

これを踏まえて先ほどのボイル・シャルルの法則P1×V1/T1 = P2×V2/T2を見ると、
少し情報が増えたのではないでしょうか。
問題文で、気体の変化前のP1、V1、T1、そして変化後のP2、T2が分かっています。
つまり最終的に欲しい情報は、「体積を求めよ」とあるように、公式の体積にあたるV2だということがわかります。

◆第三段階
ここまでで、やりたいことと必要な道具を説明してきました。
(分かりにくかったら申し訳ない)

ここまでで進め方がピンときていないならば、おそらく
「じゃあ、体積V2を求めるって具体的にどうするの?」という疑問が湧いていると思います。
ここではさらに考え方の補足と手の動かし方の1ステップ目を説明します。
文字がたくさん出てくる式が与えられて、その中の1つだけがわかっていない。
これは数学で習った方程式にあたる計算です。

ということは、V2=~~の形になればV2の正体がわかったことになります。

◆第四段階
ここまでで、例題は実はただの方程式だったということがわかりました。
化学の前提知識としてはこれまでの情報で十分です。
つまりこれ以上前提を掘り下げるならば、化学の知識ではなく数学の方程式の説明になるわけです。

つまり・・・

例題を解くのは本題ではないので以降はすみませんが割愛します。
ここまでで書いた通り、最終的に目的を達成するのに必要な前提を掘り下げていくと、
直接的な知識だけでなく遠いと思っていた分野の知識も必要になることもあります。
そして、最初に仕事を投げてもちんぷんかんぷんだった人が、
前提を理解してしまえば見方が変わり、すぐ仕事をこなせるようになるということもあり得ます。
(実は私もそういう傾向があります・・・)

飲み込みが遅いので使えない・・・もっと要領の良い人材が欲しいと思ってしまうこともあると思います。
しかし、まずは根本から知識や見方を見直してみて、教え方で解決できないかを探ってみてはどうでしょうか。

個人的な意見になってしまいますが、「使えない」と切り捨ててしまう人材の中には、将来輝く原石があるのかもしれませんし、
なにより、1人も解決しようと動く人がいなければ、一生「使えない」人間のまま切り捨てられ続けてしまうことになり、それは悲しいことだと思います。
共感していただける方がいたら嬉しく思います。

他の例については後日余力があれば書きます。

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