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【Spring】Beanのライフサイクル〜生成から破棄まで〜

Last updated at Posted at 2018-12-01

概要

この記事ではBeanのライフサイクルについてまとめています。
割と内部のお話です。
以下のキーワードは知っている前提で進めます。

  • Bean
  • DI(Dependency Injection)

ちなみに先日pivotalが主催するSpring Professional v5.0 Examを受けたのでそのときに勉強した内容のまとめです。

Beanのライフサイクル

Beanのライフサイクルは大きく3つに分かれます。

  1. 初期化フェーズ
  2. 利用フェーズ
  3. 終了フェーズ

初期化フェーズ

このフェーズでは主に

  • Bean定義読み込み・書き換え
  • Bean生成&DI
  • 初期化処理

を行います。
このフェーズが最も複雑です。
大まかな流れはこんな感じ

bean-lifecycle.001.jpeg

では詳しく見ていきましょう。

Bean定義の読み込み

まずBeanの生成に必要な情報の読み込みが行われます。

  • @Configurationの書かれたJava Config
  • @Component, @Controller, @RestController, @Service, @Repositoryの付いたクラス
  • Bean定義が書かれたXMLファイル

ここで読み込まれた情報をもとにBean定義情報一覧表のようなものが作成されます。(実体はBeanDefinitionオブジェクトをMap化したもの?)
Bean定義情報一覧表にはBeanの実装クラス、スコープ、依存Bean、フィールドなどが書き込まれます。

Class Name Scope Depends on Property ...
com.example.hoge.AImpl a Singleton b url=${url} ...
com.example.fuga.BImpl b Prototype c age=10 ...
com.example.piyo.CImpl c Singleton ...

Bean定義の書き換え

ここではBeanの定義情報の書き換えが行われます。
前ステップで作成されたBean定義情報一覧表が修正されていくイメージです。
例えば@Valueで宣言したプレースホルダーにプロパティ値を埋め込む処理はここで行われます。

AImpl.java
@Component("a")
public class AImpl implements A {

    @Value("${url}")
    private String url;
}
application.properties
url=http://www.sample.com

実際には@Valueでインジェクションするプロパティ値をもとにBeanDefinitionが修正されます。
Bean定義情報の書き換えを実現するのがBeanFactoryPostProcessorです。
処理はBeanFactoryPostProcessorインターフェースを実装したクラスが行います。

public interface BeanFactoryPostProcessor {
   void postProcessBeanFactory(ConfigurableListableBeanFactory beanFactory);
}

@Valueでプロパティ値を埋め込む処理はBeanFactoryPostProcessorを実装したPropertySourcesPlaceholderConfigurerクラスが担っています。(詳しい処理はリンク先参照)
ちなみに、@Valueを使用する場合はPropertySourcesPlaceholderConfigurerを返すBeanを定義しておく必要があります。(Spring BootとSpring4.3以降であれば明示的に定義しなくてもよいらしいです)
このBeanはstaticメソッドで定義しておく必要があり、理由はSpringがBean生成前に実行するからです。

@Bean
public static PropertySourcesPlaceholderConfigurer propertySourcesPlaceholderConfigurer() {
    return new PropertySourcesPlaceholderConfigurer();
}

ここまででBean定義情報の生成が完了しました。
実はまだBeanは生成されていません。
次のフェーズからBeanが生成されます。

Beanの生成 & DI

ここでやっとBeanのインスタンスが生成され、DI(Dependency Injection)が行われます。
DIは以下の順序で行われます。

  1. コンストラクタインジェクション
  2. フィールドインジェクション
  3. セッターインジェクション

Bean生成後の初期化処理

Bean生成後の初期化処理が行われます。
ここで行える処理の特徴として、生成したBeanを使って初期化処理を行うことができます。
例えば@PostConstructを付加したメソッドの処理はこの段階で行われます。
@PostConstructを付加したメソッドではインジェクションされたフィールドを使用して初期化処理を書くことができます。

@Component
public class HogeServiceImpl implements HogeService {

    private final Fuga fuga;

    @Autowired
    public HogeServiceImpl(Fuga fuga) {
        this.fuga = fuga;
    }

    // DIが終わった後で呼ばれる
    // 戻り値はvoid、引数はなしにしなければならない
    @PostConstruct
    public void populateCache() {
        ...
    }
}

このステップの初期化処理には前後に前処理・後処理を挟むことができます。
この処理はBeanPostProcessorインターフェースを実装したクラスが行います。

public interface BeanPostProcessor {
    // 前処理
    default Object postProcessBeforeInitialization(Object bean, String beanName) throws BeansException {
        return bean;
    }

    // 後処理
    default Object postProcessAfterInitialization(Object bean, String beanName) throws BeansException {
        return bean;
    }
}

利用フェーズ

Beanを実際に利用するフェーズです。

ApplicationContext context = SpringApplication.run(AppConfig.class);
HogeService service = context.getBean("hogeService", HogeService.class); // Beanの取得
service.do(); // Beanの利用

終了フェーズ

DIコンテナが破棄されるフェーズです。

破棄前処理

DIコンテナ破棄前に処理が行われます。
@PreDestroyを付加したメソッドはこの段階で処理されます。

@Component
public class HogeServiceImpl implements HogeService {

    // DIコンテナが破棄される前に呼ばれる
    // 戻り値はvoid、引数はなしにしなければならない
    @PreDestroy
    public void clearCache() {
        ...
    }
}

DIコンテナの破棄

ConfigurableApplicationContextのcloseメソッドが呼ばれるとDIコンテナが破棄されます。

context.close();

SpringApplication.run()で生成した場合はJVMのシャットダウンにフックしてDIコンテナが破棄されます。

ConfigurableApplicationContext context = SpringApplication.run(AppConfig.class);
// JVMにshutdownHookが登録されている

参考資料

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