はじめに
- プログラミングができる人は世界全体で約0.3%
ノーコードはなぜ今ブームなのか
ブームの背景
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クラウドの一般化 -> SaaS利活用の浸透 -> APIエコシステムの発展
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社会の複雑化によるニッチサービス需要の増加
- 懐中時計の販売仲介システム
- 特定の病気を持つ人々のSNS
- 住む街の回覧板のオンライン化
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IT人材の不足
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コミュニティの強い後押し
- ノーコードキャンプ
- ノーコードファウンダーズ
ノーコードで代替される技術
- 定常型IT業務
- 定常化したプログラミング業務
ノーコードで代替されない技術
- 「非定常」「非定型」の業務に必要な技術
ノーコードの分類と特徴
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Webデザイン系
- Webflow(コードに書き出し可)
- STUDIO
- Wix
- ペライチ
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データ管理系
- Airtable
- キントーン
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タスク自動化系(iPaaS)
- Zappier
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オールインワン系
- Babble(Web開発)
- Adalo(Web開発 / モバイル開発・スマホ標準機能へのアクセス不可)
- Thunkable(モバイル開発)
- AppGyver(Web開発 / モバイル開発)
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オールインワン系特化ツール
- Shopify
- Arcadier
- Sharetribe
ノーコードをどのように導入活用するのか
メリット
- 速いスピード
- 柔軟性(追加機能・オプション機能の多さ)
- 学習コストが低い
- 社内人材を活用できる
- 精神的負担の軽減
- 初期導入費用が安い
デメリット(開発前にしっかり共有すべき)
- できることが決まっている
- サービス停止のリスク
- セキュリティ ※個人的にノーコード特有ではないと感じます
業務用途のための5つのステップ
- 業務範囲を明確にする
- 要件を明確にする
- ツールを選定し、フィット&ギャップする
- 広告用Webサイト -> Webサイト
- エクセル業務のオンライン化 -> データ格納
- 給与計算と経理データ転送 -> 給与計算のSaaSとタスク自動化
4.ロードマップを作る
まずは最小単位の業務範囲でノーコードを活用
5.IKEO型ツール運用体制を作る
運用者が導入開発する
新規サービス検証のための5つのステップ
- 仮説を明確にする
- 検証したい内容を数値化して明確にする
- 成功とするしきい値を明確にする
- ツールを選定し、フィット&ギャップする
- 外部メンバーも入れつつIKEA型運用を
ノーコードは何を良くするのか
- 個人が作りたいサービスを作れる
- 納品までにかかる工数を削減できる
- 細かく改善できる(すぐに修正できる)
- 低予算で業務をデジタル化する
- IT人材不足を補い内制化する など
ノーコード開発事例紹介
- 1人の職員が特別定額給付金申請の手続きを、「キントーン」で1週間ほどで構築
- 位置情報付きSNS投稿を自然言語分析し、まちに関する質的評価を行うことで、テナント誘致やまちの活性化施策につなげるシステムを「MatrixFlow」で開発 など
ノーコードツールの種類と選定基準
ノーコードツールの分類
- Webデザイン系 -> ビュー、フロントエンド
- データ管理系 -> モデル、データベース
- タスク自動化 ー> コントローラー、ビジネスロジック
- オールインワン系
Webデザイン系
- ペライチ:1ページもののデザインに最適
- carrd:海外版ペライチ。StripeやPayPalなどとの連携が簡単
- Google Sites
- STUDIO:国産
- Wix:AI自動生成機能
- WebFlow:豊富なアニメーション。外部DBとの連携
- WordPress
- Notion:頻繁に更新が入る簡易サイト向け
- Softr:AirtableをDBとして使用
データ管理/顧客情報管理系
- Airtable:使いやすいUI
- キントーン:入力画面から作る
- Zoho
- Salesforce
- Notion
タスク自動化ツール
- Zapier
- Integromat
- IFTTT
- Parabola
- Automate.io
オールインワン系
- Bubble:HTMLを埋め込め、JavaScriptで書ける
- Adalo:モバイル開発に特化
- Glide:Googleスプレットシートをもとにモバイル開発
- Shopify:ECサイトに特化
- MemberSpace:決済とログイン認証に特化
- Retool:データ修正や集計などのデータ管理業務に特化
ノーコードの学習方法
- まずはYouTube
- 1回作ってみる
- SNSでつながる
- 作りたいものを見つける
- 公式ドキュメントを読み込む
- 公開して使ってもらって振り返る
おすすめ学習コンテンツ
- NoCode School:チュートリアル形式
- ノーコードラボ:Bubbleに広い知見あり
- NoCodeCamp:国内最大
- MakerPad:世界最大のノーコードオンライン学習サイト
- No Code Founders:Slackコミュニティ
ノーコードでも必要な基礎IT知識
- データベース(主にRDB):正規化・非正規化の方法、関係性や外部キーの考え方、表の結合や並べ替えなど
- セキュリティ:脅威、脆弱性、攻撃手法、暗号技術、認証技術
- ネットワーク:IPアドレス、ドメイン、通信プロトコル、SSL、電子メールの仕組み、WiFi、モバイルネットワークなど
- 要件定義
- 動作確認テスト:正常系、異常系、それらの組み合わせ、網羅性基準の設定方法、同値分割、境界値分析など
- 法律:著作権、知的財産権
先端技術とノーコード
- ビジネス開発とシステム開発の境目がなくなる
- 会社の各部門にノーコーダーが配置される
- ノーコードコンサルタント
- 社会課題の解決加速化
- 当事者たちがニッチサービスを作る
- アイデアを実現するための障壁がなくなる
所感
ノーコードを推薦している本だと思っていましたが、客観的に考察している内容に感じました。機械的な作業はノーコードツールやAIに任せ、よりクリエイティブな部分に注力できる世の中になっていくことが予想されます。ノーコードの便利さを紹介しつつ、学ばないといけない周辺知識も教えてくれている、読者の立場になってまとめてくれている本です。