こんにちは!キカガクで機械学習・AIプログラミングを学習中のカワイです。今回はAIを活用されている魅力的な企業をご紹介します。今後ますます活用の場が広がっていくAI。その技術を、どうビジネスに活用しているのかを探っていきます。いつまで続けるか未定ですが、シリーズにしようと思っています。
記念すべき1社目は"香り × AI × IoT"というコピーが興味をそそる、「株式会社レボーン」さんです。のっけから斬新なビジネスを展開している雰囲気がプンプンします。AIやディープラーニングと聞くと、画像分類や言語処理が思い浮かびますが、"嗅覚"にアプローチしているところが実にユニークです。どんなビジネスを展開されているのか探っていきましょう。
ポテンシャルはあるが、科学的な理解が難しい "におい" への挑戦
同社はにおいの特徴を以下のように述べています。
- 人間の感情にじかに働きかけ、生活の質に大きな影響を与えるといわれている
- 嗅覚へ働きかける商品やサービスは限定的で、新しい視点で市場に展開されていない
- 嗅覚のメカニズムで未解明な部分が多い
- 人がにおいから受ける影響は多様
- 無意識ににおいによる影響を受けている
- においは、センサとしての感じ方においても個人で違いが生じる
- 脳の情動に作用する部分にダイレクトに働きかけ、人の心を動かしたりそれがにおいの評価につながったりすることもある
- 未だに科学的な理解が難しい部分が数多く存在している
- においビジネスにおける市場ポテンシャルへの注目はかねてよりあった
- 新興ビジネスの展開がほとんど望めていない状況が続く
"におい"についてここまで考えたことはなかったです。脳に直接影響するので、あまり意識する機会がないからでしょうか。興味深いです。
レボーンのアプローチ
同社はAIを活用し、収集したにおいデータの識別を行うことで人の嗅覚の再現を目指していると述べています。においを科学するためには、嗅覚のメカニズムを再現する必要がありますが、一般的な嗅覚センサで測定できるのは、におい分子の種類の判別に限られているのが現状だそうです。
レボーンが生み出す「香り × AI × IoT」の可能性
実際に同社が"におい"ビジネスを展開している分野を8つ紹介します。
01. Culture(文化)
香りをブランディングの要素として活用します。においは一番記憶に残ると聞いたことがありますが、これをコントロールできると確かにブランディングに大きく貢献しそうです。
02. Parameters(評価)
香りをデータで見える化し、香り高さを測ります。コーヒーやワインなど、香りで評価することがありますが、ここに数字が入り込んでくると今まで見えてこなかった細かい違いが分かりそうですね。
03. Behavior(行動)
「香りが変わると、人の行動が変わる」という一文にドキっとしました。これはマーケティングに活用できそうな印象を受けました。まだ3つ目ですが、ここまででも十分"におい"の重要性を認識することができた気がします。
04. Living Environment(空間)
これは一番身近な例ではないでしょうか。アロマをたいてリラックスしたり、お香に癒されたり。ここにAIやIotを絡めると、用途や場所によって最適な香りの提案ができそうです。
05. Healthcare(医療)
においで体調や病気の兆候が分かるそうです。自分の体調を他人に理解してもらうのは難しいですが、においを数値化できれば客観的にその人の状態が分かるのでしょうか。昨今、加齢臭はストレス臭と呼ばれるようになりましたが、ストレス度数なんてのも測れるようになるかもしれません。
06. Quality(品質)
「05. Healthcare(医療)」が人に対する活用事例だとすると、こちらは商品に対しての活用事例だと認識できます。視覚的には判断できない品質も、"におい"で測れると、今後の品質管理のあり方も変わってきそうです。賞味期限切れの食品を食べても大丈夫かどうかを判定してくれるアプリがあったら重宝しそうです。
07. Society(社会)
国内では100頭以上の麻薬探知犬が活躍しているそうですが、"におい×AI×Iot"の活用で彼らの助けがなくても異常検知が可能になるそうです。今年開催されたオリンピックのような世界的なイベントがある際にも大いに活躍しそうです。
08. Lifestyle(ライフスタイル)
本当に自分が好みの香りをAIが提案してくれます。私は香水をつけたり、部屋に香りをまくといったことはしないのですが、自分にはどんな香りが適しているのかが分かるのなら、一度判定してもらいたいです。
さいごに
「においの“なんとなく”をなくす」というミッションを掲げるレボーン。同社が「重要性があるのは分かりつつ未開拓な部分が多い"におい"」に挑戦する理由が分かりました。正直、"におい"がここまで可能性を秘めているものだとは思いませんでした。AI活用企業の紹介でしたが、あまりにも"においビジネス"のインパクトがあり、そちらがメインの内容になってしまいました w しかし、未開拓分野にこそAI技術が生きてくることも感じることができました。メディアでもたびたび紹介されているレボーン。今後も目が離せません。
【株式会社レボーン】
https://www.revorn.co.jp/