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physics パッケージって想像以上に便利やねん

Last updated at Posted at 2023-10-14

1. はじめに

physics パッケージって結局どう便利やねんということでまとめてみました。

\begin{document}の前に\usepackage{physics}を記述することを忘れずに。

2. ()、[]、{}など括弧の大きさを調整する(left rightより簡単)

例えば分数全体を()で囲みたい時、

 \begin{align}
    (\frac{a}{b})
 \end{align}

と書いても、

 \begin{align}
    (\frac{a}{b})
 \end{align}

となるだけです。括弧の大きさを変えたければ、

 \begin{align}
    \left(\frac{a}{b}\right)
 \end{align}
 \begin{align}
    \left(\frac{a}{b}\right)
 \end{align}

と\left( \right)で挟めば言い訳ですが、数式が長くなるとコードがごちゃごちゃして見にくくなり、タイプミスに繋がります。
しかし、\qty()コマンドを以下のように使えば、

 \begin{align}
   \qty(\frac{a}{b})
 \end{align}
 \begin{align}
\left(\frac{a}{b}\right)
 \end{align}

と簡単に調整できます。[]で囲みたい場合は\qty[]と記述すれば大丈夫です。また、絶対値やノルムにも対応しています。

3. ベクトル表記

\vb*{a}

と記述することでベクトル表記になります。

4.ベクトル解析

\grad{a}
\div{a}
\curl{a}
\laplacian{a}

と書くと、

 \begin{align}
    &\nabla a\\
    &\nabla \times a\\
    &\nabla ・ a\\
    &\nabla ^{2} a\\
 \end{align}

と表示できます。単に$\nabla$だけ表示したい場合は、\gradと記述しましょう。

5.微分、偏微分

微分を表示させたい時少し面倒です。dはローマン体、関数などはイタリック体で書きますよね。

 \begin{align}
    \frac{{\rm d}y}{{\rm d}x}
 \end{align}

このように書けば、

 \begin{align}
    \frac{{\rm d}y}{{\rm d}x}
 \end{align}

と表示されます。ですがいちいち{\rm }を書くと{ }が多くて見にくいです。そんな時、\dv{}{}コマンドを使いましょう。

 \begin{align}
    \dv{y}{x}
 \end{align}

このように書けば、先程と全く同じものが出力されます。
では、

 \begin{align}
    \frac{{\rm d}}{{\rm d}x}
 \end{align}

などはどう記述すればいいでしょうか?簡単です、

 \begin{align}
    \dv{x}
 \end{align}

と書けば大丈夫です。

 \begin{align}
    \frac{{\rm d}^{2}y}{{\rm d}x^{2}}
 \end{align}

これはどう書けばいいでしょうか。これは

 \begin{align}
    \dv[2]{y}{x}
 \end{align}

と書けばいいです。それでは偏微分はどう書きましょう?これは、\dvではなく、\pdvと書けばいいです。
余談ですが、LeTeXを使い始めて半年くらいにこのパッケージの存在を知ってから、手を合わせて感謝こそしたものです。

6. 例:2から5の合わせ技

極座標表示のシュレーディンガー方程式はこのように表されました。

 \begin{align}
  -\frac{\hbar}{2m}\left\{ \frac{1}{r} \frac{\partial^{2}}{\partial r^{2}}r+\frac{1}{r^{2}\sin\theta}\frac{\partial}{\partial \theta}\left( \sin\theta \frac{\partial}{\partial \theta}\right) + \frac{1}{r^{2}\sin^{2}\theta} \frac{\partial^{2}}{\partial \phi^{2}} \right\}\phi(r)+V(r)\phi(r)=E\phi(r)
 \end{align}

これを表示させるには通常、

 \begin{align}
  -\frac{\hbar}{2m}\left\{ \frac{1}{r} \frac{\partial^{2}}{\partial r^{2}}r+\frac{1}{r^{2}\sin\theta}\frac{\partial}{\partial \theta}\left( \sin\theta \frac{\partial}{\partial \theta}\right) + \frac{1}{r^{2}\sin^{2}\theta} \frac{\partial^{2}}{\partial \phi^{2}} \right\}\phi(r)+V(r)\phi(r)=E\phi(r)
 \end{align}

と記述しなければなりませんが、physics パッケージを使うと、

 \begin{align}
   -\frac{\hbar}{2m}\qty{\frac{1}{r}\pdv[2]{r}r+\frac{1}{r^{2}\sin\theta}\pdv{\theta}\qty(\sin\theta\pdv{\theta})+\frac{1}{r^{2}\sin^{2}\theta}\pdv[2]{\phi}}\phi(\vb*{r})+V(r)\phi(\vb*{r})=E\phi(\vb*{r})
 \end{align}

physics パッケージなしの生活は考えられませんね。手を合わせて感謝をする気持ち、分かりますよね。

7.量子力学(ブラケット等)

近日公開

8.行列

近日公開

9.参考資料

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