この記事はPharmaXアドベントカレンダー2023の14日目の記事です。
PharmaXでエンジニアとしてインターンをしています。
モチベーション
- 廃止されると聞く3rd Party Cookieについて知見がないのでどのようなものでどのような影響があるのかを調査する
Cookieとは
Cookie(クッキー)は、Webサイトを訪問した際に、その訪問者のブラウザに保存される小さなデータファイルです。これにより、ウェブサイトは訪問者のアクセス履歴や入力したデータ、利用環境などの情報を記録することができます。
Cookieの挙動の確認
Qiitaでの例
https://qiita.com
を使ってCookieの挙動を確認することができます。次の手順に従って、Cookieがどのように機能しているかを観察しましょう。
- ログイン状態の保持:
- Qiitaにログインし、ブラウザを閉じます。
- 再度同じブラウザ(Chromeなど)でQiitaにアクセスします。
- ログイン状態が保持されていることが確認できます。
- Cookieの削除と効果:
- ブラウザで Alt + Command + I (または右クリックして「検証」)を押し、開発者ツールを開きます。
- 「アプリケーション」タブをクリックし、Cookieのセクションからhttps://qiita.com/
を見つけ、削除します。
- 再度ブラウザを閉じてからQiitaにアクセスすると、ログイン状態が保持されていないことがわかります。
Amazonでの例
https://www.amazon.co.jp
でも同様の挙動を確認することができます。
- 買い物かごの保持:
- ログインせずにAmazonで商品を買い物かごに追加し、サイトを閉じます。
- 再度Amazonにアクセスすると、買い物かごに商品が残っていることが確認できます。
- Cookieの削除と効果:
- 前述の方法でAmazonのCookieを削除します。
- サイトに再アクセスすると、買い物かごに商品がないことがわかります。
これらの例から、CookieがWebサイトの利用者の環境や状態を記憶し、それに基づいてウェブサイトがユーザーに対してカスタマイズされた体験を提供する重要な役割を果たしていることがわかります。
3rd Party Cookieとは
3rd Party Cookieは、ユーザーが直接アクセスしていないサードパーティのサイトによって生成されるCookieです。これらは、特にオンライン広告の分野で広く使用されており、ユーザーの行動を追跡してターゲット広告を提供するために利用されます。
特徴
- 広告追跡: 3rd Party Cookieを使用して、ユーザーの興味や好みに基づいた広告を表示する。
- プライバシーの懸念: これらのCookieは、ユーザーが訪れたサイト以外の情報も記録するため、プライバシーの問題が生じることがあります。
3rd Party Cookieの具体的な例
オンライン広告における使用例
-
広告ネットワークを通じたトラッキング:
- あるユーザーが特定のショッピングサイトで靴を見ているとします。
- そのサイトは広告ネットワークと提携しており、このネットワークは3rd Party Cookieを使用してユーザーの行動を追跡します。
- ユーザーが他のウェブサイトに移動すると、この広告ネットワークは先ほどの靴に関連した広告を表示することができます。
ソーシャルメディアにおける使用例
-
ソーシャルメディアの「いいね!」ボタン:
- ウェブサイトがソーシャルメディアの「いいね!」ボタンを設置している場合、このボタンは3rd Party Cookieを使用してユーザーの行動を追跡することがあります。
- ユーザーがそのウェブサイトを訪れた際に、ソーシャルメディアプラットフォームはユーザーがそのページを訪れたことを記録し、後にその情報を広告ターゲティングに利用することができます。
データ収集と分析における使用例
-
行動分析ツールの活用:
- ウェブサイトは、Google Analyticsのようなツールを使用して、訪問者の行動を分析します。
- これらのツールは、3rd Party Cookieを設置し、ユーザーがサイト内でどのページを訪れ、どれだけの時間を過ごしたかなどの情報を収集します。
- この情報はウェブサイトの最適化やマーケティング戦略の策定に役立てられます。
3rd Party Cookieがなくなるメリット・デメリット
メリット
- プライバシー保護: ユーザーのオンライン活動の追跡が減少し、プライバシーが強化されます。
- 透明性の向上: 広告表示におけるユーザーの選択肢が明確になり、データ利用の透明性が高まります。
デメリット
- 広告効果の低下: ターゲットされた広告が困難になり、広告収入の減少が懸念されます。
- 代替技術の開発コスト: 新しい広告技術の開発と実装には時間とコストがかかります。
3rd Party Cookieの代替案
3rd Party Cookieの廃止に伴い、いくつかの代替案が提案されています。
代替案の例
- ファーストパーティデータの活用: ウェブサイト自体が収集するデータ(ファーストパーティデータ)を活用して、広告をパーソナライズする。
- プライバシーサンドボックス: Googleが提案しているプライバシーサンドボックスは、ユーザーのプライバシーを保護しながら広告の効果を保つ新しいフレームワークです。
- コンテキストベース広告: ユーザーの行動ではなく、コンテンツの文脈に基づいて広告を表示する。
技術的な考察
- セキュリティとプライバシーのバランス: 新しい技術は、広告のパーソナライズとユーザーのプライバシー保護の間でバランスを取る必要があります。
- 透明性とユーザー同意: ユーザーにより透明な情報提供と、データ使用に対する明示的な同意を求めることが重要です。
まとめ
- Cookieはユーザーのブラウザに保存されるデータファイルであり、Webサイトの利用者の環境や状態を記録するために使用されます。この機能により、サイトはユーザーに対してカスタマイズされた体験を提供できます。
- 3rd Party Cookieは、ユーザーが訪問していないサードパーティのサイトから発行され、オンライン広告、ソーシャルメディア、行動分析などの分野で使用されます。これにより、ユーザーのオンライン行動が追跡され、パーソナライズされた広告が表示されますが、プライバシーの懸念も引き起こされます。
- 3rd Party Cookieの廃止は、プライバシー保護と透明性の向上というメリットをもたらしますが、一方で広告効果の低下や代替技術の開発コストといったデメリットも存在します。
- ファーストパーティデータの活用、プライバシーサンドボックス、コンテキストベースの広告などの代替案が模索されています。
最後に
私がインターンをしているPharmaXでは絶賛採用中とのことなので気になった方はよろしくお願いします