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WordPress に最適な CloudFront キャッシュ設定 (2023年度版)

Last updated at Posted at 2023-08-05

AWS 公式ドキュメントが 2023年8月時点で公開している「Best Practices for WordPress on AWS」にある設定例「CloudFront distribution creation」の内容が古かったので、自分なりに改良してみました。

主な改良点は

  • レガシーキャッシュルールではなく、新しいのキャッシュポリシーを使う
  • wp-json ディレクトリの通信を対応する
  • Facebook や広告タグのクエリをオリジンサーバーに飛ばなくする

です。

STEP.1 キャッシュポリシーを作成

絶対に CloudFront にキャッシュさせるように最小TTLを60に設定しています。アクセス頻度が少ないサイトであれば、最小TTLを増やすなどしてください。ただ、ページの更新の時間もかかるのでバランスを考えましょう。

  • 名前: 0-default (適当に変えてください)
  • 説明: 任意
  • TTL 設定
    • 最小TTL: 60
    • 最大TTL: 31536000
    • デフォルトTTL: 86400
  • キャッシュキー設定
    • ヘッダー:次のヘッダーを含める
      • Authorization (開発中用)
      • Host
    • クエリ文字列
      • 次以外のすべてのクエリ文字列を含める
        • fb_ref
        • fbclid
        • fb_action_types
        • fb_action_ids
        • gclid
        • utm_campaign
        • utm_content
        • utm_medium
        • utm_term
        • utm_source
    • Cookie
      • 指定された cookie を含める
        • comment_*
        • wordpress_*
        • wp-settings-*
  • 圧縮サポート
    • Gzip チェック
    • Brotli チェック

追加するプラグイン・カスタマイズによって、必要なポリシーを増やします。

STEP 2. ビヘイビア設定

STEP 2-1. キャッシュする用のビヘイビア3つ

デフォルトのキャッシュ設定です。3つのビヘイビアを作成します。

  • パスパターン:
    • デフォルト
    • /wp-includes/*
    • /wp-content/*
  • オリジン: WordPress サーバーを選択
  • オブジェクトを自動的に圧縮: Yes
  • ビューワー: Redirect HTTP to HTTPS (適宜変更)
  • 許可された HTTP メソッド: GET, HEAD
  • ビュワーのアクセスを制限する: No
  • キャッシュキーとオリジンリクエスト
    • Cache policy and origin request policy (recommended)
      • キャッシュポリシー: 0-default (もしくは自分でつけた名前)

STEP 2-2. 管理画面 & 動的ページの設定、3つ

管理画面や、Contact Form 7 などキャッシュできないページの設定です。3つのビヘイビアを作成します。

  • パスパターン
    • /wp-login.php
    • /wp-admin/*
    • /wp-json/*
      • その他動的な動作をするプラグインで wp-json ディレクトリに向かって通信するディレクトリがあれば追加する。
  • オリジン: WordPress サーバーを選択
  • オブジェクトを自動的に圧縮: Yes
  • ビューワー: Redirect HTTP to HTTPS (適宜変更)
  • 許可された HTTP メソッド: GET, HEAD, OPTIONS, PUT, POST, PATCH, DELETE
  • ビュワーのアクセスを制限する: No
  • キャッシュキーとオリジンリクエスト
    • Legacy cache settings
    • ヘッダー: すべて
    • クエリー: すべて
    • cookie: すべて

これで、基本的な WordPress のキャッシュ設定ができます。

追記: より細かいチューニングをしてみよう

サーバーを冗長化していたり、よりキャッシュ率を上げたい場合は、トップページのビヘイビアをつけたり、wp-json のビヘイビアルールをプラグインによってキャッシュをしたりしないルールにしたりとチューンアップしていきます。

/wp-json/* パスは奥が深い

/wp-json/* パスは現在「動的」な動作を行う場所として設定サンプルを提示しています。

ただ、追加でプラグイン・カスタマイズによってもビヘイビアルールを追加する必要がある場合があります。

例えば WordPress をヘッドレスで使用している場合、post (投稿) 関連のエンドポイントはキャッシュしたいパスです。

反対に、Contact Form 7 の様に、フォーム送信時にも/wp-json/* パスが使われるので、そこは動的パスとしての登録が必要です。

Chrome の Developer ツールなどを使い、どのパスをキャッシュするべきかを確認し調整しましょう。

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