能書き
自宅サーバー構築譚:基本構想に基づく自宅サーバー構築の続き。今度は実機にインストールします。
参考文献
参考文献1:自宅サーバー構築譚:Ubuntu on ZFS in Hyper-V (第1世代)
参考文献2:ルートパーティションをZFSにしてUbuntu 20.04 LTSをインストールしてみた - hnakamur's blog
参考文献3:Ubuntu 20.04 Root on ZFS - OpenZFS Documentation - OpenZFS
インストール環境の整備
ハードウェアの仕様は昔書いた記事の通りです。将来的にはこれをセカンダリサーバにする予定ですが、今回はプライマリサーバとして構築します。
しかしこのマシンは古過ぎたようです。手順の通りでは、そもそもブートが途中で止まってしまうという体たらく。なぜかBIOS画面も表示できず、コンセントを抜いて数分待たないと戻らないという訳の分からない状態になってしまいました。原因はどうやらGPTにあった模様。
と言う訳で。前回のHyper-Vを利用した手順確認とは少し異なり、GPTではなくてMBRでパーティションを切るようにしています。
デスクトップインストーラーを起動しsshの環境整備
サーバーをインストールする場合でもデスクトップ版のisoを使用します。Ubuntuのサイトからダウンロードして、USBメモリに焼きます。
私は普段使いのWin10マシンでRufusというツールを使ってみましたが、ここはお好みでどうぞ。
このUSBメモリをインストール対象マシンに挿入して、ここから起動。
GUI インストーラーが立ち上がって Welcome という画面が表示されたら、 TAB キーを押して Try Ubuntu ボタンにフォーカスを移動して(ボタンにオレンジの枠がつきます) Enter キーを押します。
ウィンドウ環境に切り替わったらターミナルを起動しますが、マウスが繋がっていない場合はショートカットキー Ctrl+Alt+T でどうぞ。
主な作業はsshで接続して行いたいので、そのように準備します。sshで接続するのはコマンドをコピペできるから。私もやってみてわかりました。これ良いですな。
ターミナルで下記の2つのコマンドを実行。
sudo apt-add-repository universe
sudo apt update
OpenSSHサーバーをインストール。
sudo apt install --yes openssh-server
ssh接続用にユーザー ubuntu のパスワードを設定。
passwd
ssh接続先のIPアドレスを確認します。
ip a
別のマシンから対象のサーバーに ssh してインストール作業を続行
ssh はほとんどのOSで利用可能でしょう。Windows10でもコマンドプロンプトからsshコマンドを実行できます。
ssh ubuntu@接続先のIPアドレス
インストール作業を同じマシンでやり直してたりすると、ここでエラーが出る事があります。そんな時には .ssh\known_hosts
を削除してから、sshコマンドを実行します。
del %USERPROFILE%\.ssh\known_hosts
rootユーザーになります。
sudo -i
ディスクのフォーマット
起動用のUSBメモリを挿します。ここにブートローダを仕込んで常時付けっ放しにしておく予定。
そのUSBメモリを含めたフォーマット対象ディスクを確認します。
lsblk
今回は下記のように表示されます。
root@ubuntu:~# lsblk
NAME MAJ:MIN RM SIZE RO TYPE MOUNTPOINT
loop0 7:0 0 2G 1 loop /rofs
loop1 7:1 0 219M 1 loop /snap/gnome-3-34-1804/72
loop2 7:2 0 51M 1 loop /snap/snap-store/547
loop3 7:3 0 65.1M 1 loop /snap/gtk-common-themes/1515
loop4 7:4 0 55.4M 1 loop /snap/core18/2128
loop5 7:5 0 32.3M 1 loop /snap/snapd/12704
sda 8:0 0 465.8G 0 disk
├─sda1 8:1 0 465.8G 0 part
└─sda9 8:9 0 8M 0 part
sdb 8:16 0 465.8G 0 disk
├─sdb1 8:17 0 465.8G 0 part
└─sdb9 8:25 0 8M 0 part
sdc 8:32 1 7.5G 0 disk
├─sdc1 8:33 1 2.9G 0 part /cdrom
├─sdc2 8:34 1 3.9M 0 part
└─sdc3 8:35 1 4.6G 0 part /var/crash
sdd 8:48 1 14.9G 0 disk
├─sdd1 8:49 1 1G 0 part
└─sdd2 8:50 1 260M 0 part
sr0 11:0 1 1024M 0 rom
loop0
~loop5
はインストーラによる設定でしょうか。
sda
とsdb
が内蔵HDDで、以前入れたArchLinuxが残っています。
sdc
が今回のUbuntuインストーラでしょう。
sdd
はブートローダを仕込む為のUSBメモリです。
sr0
はCR-ROMドライブと思われますが、今回は無関係です。
ディスクの指定にはIDを使います。
ls -l /dev/disk/by-id
これを変数に設定するのがubuntu流らしいですが、ここは私の流儀で取得する事にします。
BOOTDISK=$(cd /dev/disk/by-id; ls ata-* usb-* | while read d; do if [ "$(readlink -f $d)" = "/dev/sdd" ]; then echo "/dev/disk/by-id/$d"; fi; done)
DISK1=$(cd /dev/disk/by-id; ls ata-* usb-* | while read d; do if [ "$(readlink -f $d)" = "/dev/sda" ]; then echo "/dev/disk/by-id/$d"; fi; done)
DISK2=$(cd /dev/disk/by-id; ls ata-* usb-* | while read d; do if [ "$(readlink -f $d)" = "/dev/sdb" ]; then echo "/dev/disk/by-id/$d"; fi; done)
ブート用USBメモリのパーティションを全削除します。
wipefs -a $BOOTDISK
パーティションを作成。GPTではなくてMBRにします。
sfdisk $BOOTDISK <<___
,1G,bf
,
___
設定を確認するコマンドは下記になります。
sfdisk -l $BOOTDISK
$DISK1
と$DISK2
はパーティションに分けません。
wipefs -a $DISK1 $DISK2
いよいよzfsフォーマットします。ここが今回最大のコピペポイント!これをコピペする為にssh経由で接続していると言っても過言ではありません。
因みにこのzpool名はbpool
固定らしい。
※なお2回目以降でエラーが出る際には、コマンドの末尾かどこかに -f
オプションを付加します。
zpool create -o ashift=12 -d \
-o feature@async_destroy=enabled \
-o feature@bookmarks=enabled \
-o feature@embedded_data=enabled \
-o feature@empty_bpobj=enabled \
-o feature@enabled_txg=enabled \
-o feature@extensible_dataset=enabled \
-o feature@filesystem_limits=enabled \
-o feature@hole_birth=enabled \
-o feature@large_blocks=enabled \
-o feature@spacemap_histogram=enabled \
-o feature@userobj_accounting=enabled \
-O acltype=posixacl -O canmount=off -O devices=off \
-O normalization=formD -O relatime=on -O xattr=sa \
-O mountpoint=/ -R /mnt bpool $BOOTDISK-part1
参考文献には下記のように書かれていました。
normalization=formD
は Unicode の normalization の NFD に相当します。 昔 Subversion で Windows は NFC, Mac OS X は NFD と違うせいで全角カナの濁点が分かれない、分かれるで苦労したので NFC にしようかと思いましたが、 formD でも Windows と mac から繋いで問題ないと聞いたので formD にしておきました。
私は最近この件で苦労したのでformCにしたいのですが、そもそものwikiには改変しない方が良いと書いてあったので止めておきます。
そして内蔵HDDもzfsフォーマットします。こちらはオプションがすっきりしてますが、2つ1組のHDDをミラーリングに設定します。
こちらのzpool名は何でも良いそうです。zfsの伝統に則ってtank
にしてみました。
zpool create -o ashift=12 \
-O acltype=posixacl -O canmount=off \
-O dnodesize=auto -O normalization=formD -O relatime=on -O xattr=sa \
-O mountpoint=/ -R /mnt tank mirror $DISK1 $DISK2
作成したプール一覧の確認は下記。このコマンドはコピペではなくて zpool list
zpool status
と手打ちでお願いします。別に良いよねこの位は。
root@ubuntu:~# zpool list
NAME SIZE ALLOC FREE CKPOINT EXPANDSZ FRAG CAP DEDUP HEALTH ALTROOT
bpool 960M 576K 959M - - 0% 0% 1.00x ONLINE /mnt
tank 464G 600K 464G - - 0% 0% 1.00x ONLINE /mnt
root@ubuntu:~# zpool status
pool: bpool
state: ONLINE
scan: none requested
config:
NAME STATE READ WRITE CKSUM
bpool ONLINE 0 0 0
usb-SanDisk__Cruzer_Fit_4C530000180129117161-0:0-part1 ONLINE 0 0 0
errors: No known data errors
pool: tank
state: ONLINE
scan: none requested
config:
NAME STATE READ WRITE CKSUM
tank ONLINE 0 0 0
mirror-0 ONLINE 0 0 0
ata-WDC_WD5003ABYX-50WERA1_WD-WMAYP7972470 ONLINE 0 0 0
ata-WDC_WD5003ABYX-50WERA1_WD-WMAYP7949276 ONLINE 0 0 0
errors: No known data errors
システムのインストール
ディレクトリ構造に合わせたデータセット作成
ルート用データセットを作成します。
zfs create -o canmount=off -o mountpoint=none tank/main
zfs create -o canmount=noauto -o mountpoint=/ tank/main/ubuntu
zfs mount tank/main/ubuntu
ブート用データセットを作成します。
zfs create -o canmount=off -o mountpoint=none bpool/boot
zfs create -o canmount=noauto -o mountpoint=/boot bpool/boot/ubuntu
zfs mount bpool/boot/ubuntu
一般的なデータセットを作成します。
zfs create -o canmount=off tank/sub0
zfs create -o mountpoint=/home tank/sub0/home
zfs create -o mountpoint=/root tank/sub0/root
zfs create -o canmount=off tank/sub0/var
zfs create -o canmount=off tank/sub0/var/lib
zfs create -o mountpoint=/var/log tank/sub0/var/log
zfs create -o mountpoint=/var/spool tank/sub0/var/spool
zfs create -o mountpoint=/var/snap tank/sub0/var/snap
zfs create -o canmount=off tank/sub0/usr
zfs create -o mountpoint=/usr/local tank/sub0/usr/local
zfs create -o com.sun:auto-snapshot=false -o mountpoint=/var/lib/docker tank/sub0/var/lib/docker
debootstrap
debootstrap
ではなくてmmdebstrap
を使ってみようかと考えたのですが、残念ながら失敗しました。mdebstrap
ではインストール先ディレクトリが空でなければならないようです。
参考文献:第594回 mmdebstrapで最小のルートファイルシステムを作る - Ubuntu Weekly Recipe
そういう訳で、debootstrap
を入れてから Ubuntu 20.04 LTS 通称 focal をインストール。
apt install --yes debootstrap
debootstrap focal /mnt
終わったら以下のコマンドを実行します。
zfs set devices=off tank
システム設定
マシン名
まずはマシン名を決めます。
HOSTNAME=<マシン名>
echo $HOSTNAME >/mnt/etc/hostname
ネットワーク関連
hostsファイルを修正。
sed -i -e"/^127.0.0.1/a 127.0.1.1\t$HOSTNAME" /mnt/etc/hosts
netplan のネットワーク設定ファイル/mnt/etc/netplan/01-netcfg.yaml
を作成します。今回はIPv6は使わないようにするので下記のようにしてみました。
このマシンはNICを2枚持っています。片方はオンボードで、もう片方はギガビットイーサのPCIネットワークカードです。オンボードの方は遅いのでケーブルを外してあります。
root@ubuntu:~# ip a
1: lo: <LOOPBACK,UP,LOWER_UP> mtu 65536 qdisc noqueue state UNKNOWN group default qlen 1000
link/loopback 00:00:00:00:00:00 brd 00:00:00:00:00:00
inet 127.0.0.1/8 scope host lo
valid_lft forever preferred_lft forever
inet6 ::1/128 scope host
valid_lft forever preferred_lft forever
2: enp2s1: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc fq_codel state UP group default qlen 1000
link/ether 00:16:01:5c:19:df brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
inet 172.16.2.22/16 brd 172.16.255.255 scope global dynamic noprefixroute enp2s1
valid_lft 83861sec preferred_lft 83861sec
inet6 2408:211:1283:500:1aa3:2163:dfcb:c720/64 scope global temporary dynamic
valid_lft 602255sec preferred_lft 83327sec
inet6 2408:211:1283:500:9cce:f37a:54a3:5efa/64 scope global dynamic mngtmpaddr noprefixroute
valid_lft 2591903sec preferred_lft 604703sec
inet6 fe80::2fff:e4:2986:a19c/64 scope link noprefixroute
valid_lft forever preferred_lft forever
3: enp0s25: <NO-CARRIER,BROADCAST,MULTICAST,UP> mtu 1500 qdisc fq_codel state DOWN group default qlen 1000
link/ether 00:21:9b:1a:5f:94 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
以前の記事の通りにIPアドレスを割り振ります。
参考文献:固定IPアドレスの割当(IPv4、IPv6) - Netplanの使い方 - komeの備忘録
cat > /mnt/etc/netplan/01-netcfg.yaml <<___
network:
version: 2
renderer: networkd
ethernets:
enp2s1:
dhcp4: no
addresses: [172.16.0.3/16]
gateway4: 172.16.0.1
nameservers:
addresses: [172.16.0.1]
enp0s25:
dhcp4: no
addresses: [172.16.0.4/16]
gateway4: 172.16.0.1
nameservers:
addresses: [172.16.0.1]
___
参考文献には/mnt/etc/apt/sources.list
の変更に言及がありますが、省略可との事ですし、今回は省略します。
chroot
Live CD 環境の仮想ファイルシステムをバインドマウントして、上記でセットアップした環境に chroot します( --bind ではなく --rbind を使っていることに注意)。
mount --rbind /dev /mnt/dev
mount --rbind /proc /mnt/proc
mount --rbind /sys /mnt/sys
chroot /mnt /usr/bin/env BOOTDISK=$BOOTDISK bash --login
chroot 環境内の apt のインデクスを更新します。
apt update
ロケール
en_US.UTF-8 と ja_JP.UTF-8 と、後は個人的な好みで。
locale-gen --purge en_US.UTF-8 ja_JP.UTF-8 ja_JP.EUC-JP
update-locale LANG=en_US.UTF-8 LANGUAGE=en_US
dpkg-reconfigure --frontend noninteractive locales
タイムゾーン
日本なら Asia/Tokyo です。
ln -sf /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime
dpkg-reconfigure -f noninteractive tzdata
カーネルイメージなど
Linux のカーネルイメージと ZFS を chroot 環境にインストールします。
apt install --yes --no-install-recommends linux-image-generic zfs-initramfs
上記のコマンド実行の出力の最後に以下のようなメッセージが出ます。 update-initramfs
が/boot/initrd.img-5.4.0-26-generic
を生成したという点が重要だそうです。この後 grub のインストール時に必要になる為です。
update-initramfs: Generating /boot/initrd.img-5.4.0-26-generic
GRUB をレガシー BIOS 用にインストール
参考文献に従って以下のコマンドを実行。
DEBIAN_FRONTEND=noninteractive apt-get -y -o Dpkg::Options::="--force-confdef" -o Dpkg::Options::="--force-confold" install grub-pc
rootパスワード
パスワードを設定します。
passwd
zfsのzpool関係
tank_boot を確実にインポートするためのサービスのユニットファイルを作成します。
cat >/etc/systemd/system/zfs-import-bpool.service <<___
[Unit]
DefaultDependencies=no
Before=zfs-import-scan.service
Before=zfs-import-cache.service
[Service]
Type=oneshot
RemainAfterExit=yes
ExecStart=/sbin/zpool import -N -o cachefile=none bpool
[Install]
WantedBy=zfs-import.target
___
このサービスの自動起動を有効にします。
systemctl enable zfs-import-bpool.service
tmpfs
次回起動時に tmpfs を /tmp にマウントするようにします。
cp /usr/share/systemd/tmp.mount /etc/systemd/system/
systemctl enable tmp.mount
GRUB のインストール
ZFS のブートファイルシステムが認識されていることを確認します。zfs
と出力されれば OK です。
grub-probe /boot
grub の設定ファイルを修正します。sed コマンドにすると少々複雑ですが。
sed -i -e '/^GRUB_TIMEOUT=/{s/=.*/=5/;a\
GRUB_RECORDFAIL_TIMEOUT=5
}
/^GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT=/s/quiet splash//
s|^GRUB_CMDLINE_LINUX=.*|GRUB_CMDLINE_LINUX="root=ZFS=tank/main/ubuntu"|
/^#GRUB_TERMINAL=console/s/#//
' /etc/default/grub
修正結果は下記の通り。
# If you change this file, run 'update-grub' afterwards to update
# /boot/grub/grub.cfg.
# For full documentation of the options in this file, see:
# info -f grub -n 'Simple configuration'
GRUB_DEFAULT=0
GRUB_TIMEOUT_STYLE=hidden
GRUB_TIMEOUT=5
GRUB_RECORDFAIL_TIMEOUT=5
GRUB_DISTRIBUTOR=`lsb_release -i -s 2> /dev/null || echo Debian`
GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT=""
GRUB_CMDLINE_LINUX="root=ZFS=tank/main/ubuntu"
# Uncomment to enable BadRAM filtering, modify to suit your needs
# This works with Linux (no patch required) and with any kernel that obtains
# the memory map information from GRUB (GNU Mach, kernel of FreeBSD ...)
#GRUB_BADRAM="0x01234567,0xfefefefe,0x89abcdef,0xefefefef"
# Uncomment to disable graphical terminal (grub-pc only)
GRUB_TERMINAL=console
# The resolution used on graphical terminal
# note that you can use only modes which your graphic card supports via VBE
# you can see them in real GRUB with the command `vbeinfo'
#GRUB_GFXMODE=640x480
# Uncomment if you don't want GRUB to pass "root=UUID=xxx" parameter to Linux
#GRUB_DISABLE_LINUX_UUID=true
# Uncomment to disable generation of recovery mode menu entries
#GRUB_DISABLE_RECOVERY="true"
# Uncomment to get a beep at grub start
#GRUB_INIT_TUNE="480 440 1"
この設定変更を反映します。
update-grub
が、この結果はエラーが発生します。osprober でbusyエラーが出ますが OK らしい。Found linux image と Found initrd image の行が出ていれば大丈夫との事。
root@ubuntu:/# update-grub
Sourcing file `/etc/default/grub'
Sourcing file `/etc/default/grub.d/init-select.cfg'
Generating grub configuration file ...
cannot open 'bpool/BOOT/ubuntu': dataset does not exist
Found linux image: vmlinuz-5.4.0-26-generic in tank/main/ubuntu
Found initrd image: initrd.img-5.4.0-26-generic in tank/main/ubuntu
device-mapper: reload ioctl on osprober-linux-sda1 failed: Device or resource busy
Command failed.
device-mapper: reload ioctl on osprober-linux-sdb1 failed: Device or resource busy
Command failed.
grub-probe: error: cannot find a GRUB drive for /dev/sdd1. Check your device.map.
done
レガシー BIOS 用に GRUB をインストールします。
grub-install $BOOTDISK
ZFS のモジュールがインストールされていることを確認します。
ls /boot/grub/*/zfs.mod
初回のブート
スナップショット
初回インストールのスナップショットを作成しておきます。こういう事をしたいが為にZFSを使うのです。
zfs snapshot bpool/boot/ubuntu@$(date +%Y%m%d_%H%M%S)_install
zfs snapshot tank/main/ubuntu@$(date +%Y%m%d_%H%M%S)_install
zfs snapshot -r tank/sub0@$(date +%Y%m%d_%H%M%S)_install
スナップショットの一覧を表示して確認します。
zfs list -t snapshot
リブート
chroot 環境から抜けて Live CD 環境に戻ります。
exit
Live CD 環境でマウント中のファイルシステムを全てアンマウントします。
mount | grep -v zfs | tac | awk '/\/mnt/ {print $3}' | xargs -n 1 -r umount -lf
zpool export -a
なぜかエラーが出る事があります。
root@ubuntu:~# zpool export -a
umount: /mnt: target is busy.
cannot unmount '/mnt': umount failed
そんな時にはもう一度実行。
mount | grep -v zfs | tac | awk '/\/mnt/ {print $3}' | xargs -n 1 -r umount -lf
zpool export -a
成功したらシャットダウン。
shutdown -h now
その後、インストールメディアを取り出して、それからマシンの電源を入れます。
rootログイン
ここからはsshは使えません。
サーバーのコンソールで root ユーザーでパスワードを入力してログインします。
日本語キーボード配列
記号を打ってみるとわかりますが、英語配列になっています。日本語配列に変更する手順は以下の参考文献を参照。バージョンは古いですが、画面キャプチャがあるのでわかりやすいです。
参考文献:Ubuntuでキーボードレイアウト変更 - Ragnite Blue
コマンドは下記。
dpkg-reconfigure keyboard-configuration
設定後、次のコマンドを打つ必要があるようです。
setupcon
スワップ
物理メモリを十分に積んでいてもスワップは重要だそうです。
容量(4G
の箇所)はマシンの状況に合わせて検討して下さい。
zfs create -V 4G -b $(getconf PAGESIZE) \
-o logbias=throughput -o sync=always \
-o primarycache=metadata -o secondarycache=none \
-o com.sun:auto-snapshot=false tank/swap
次にスワップを設定します。
mkswap -f /dev/zvol/tank/swap
echo /dev/zvol/tank/swap none swap discard 0 0 >> /etc/fstab
echo RESUME=none > /etc/initramfs-tools/conf.d/resume
スワップを有効にします。
swapon -av
有効になったかどうか確認。
swapon --show
フルのソフトウェアインストール
ミニマムインストールをアップグレードします。
apt dist-upgrade --yes
サーバ用としてコマンドライン環境のみをインストールします。
apt install --yes ubuntu-standard
再起動して確認
reboot
まだ一般ユーザーが居ないので、rootでログインします。
そして色々確認。
- キーボードが日本の配列になっている事。アットマーク @ を打ってみて確認。
- スワップが有効になっている事。上述の
swapon --show
コマンドで確認。 - ネットワ-クが有効になっている事。仮想環境など状況によってNICの名称が変わる事があり、その場合は上述の設定
/etc/netplan/01-network.yaml
のNIC名eth0
を変更する必要があります。
ネットワークに関しては、次のようなコマンドを試してみればわかります。
※ example.com はドメインの例示の際に使うべしとRFC2606で定められています。何か適当なサーバーを選んで下さい。
ping -c2 example.com
失敗した場合には、上述のネットワーク設定ファイル/mnt/etc/netplan/01-netcfg.yaml
を修正します。その為のNIC名取得は下記のコマンドで。
参考文献:Linux から認識されている、すべてのネットワークインターフェイス名だけを取得する - Qiita
for d in `find /sys/devices -name net | grep -v virtual`; do ls $d; done
手打ちのコマンドとしてはip a
の方が簡単ですが、上記のコマンドならNIC名だけを取り出せますので自動化が可能です。
結び
これで本当に最小限のUbuntuサーバをセットアップできました。これからサーバとして育てていく予定です。