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イギリスに来てから5年かけて給料を3倍にした話

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背景

こんにちは。 かりんとうマニア(@karintozuki)です。
タイトルの通り、2019年に渡英してから2024年現在、当時の3倍のお給料のオファーを頂けるようになったので、その間での自分のスキルセットの変化をまとめます。

自己紹介

かりんとうマニアと申します。プログラマとして働き始めて、7年目になりました。
正直、プログラマとしての実力は7年目にしては大したことないと思いますが、海外で働けるレベルというのは意外と高くないよ、ということを知って欲しいので正直に書こうと思います。

転職歴

イギリスに来てから二回の転職をしており、今回の三回目の転職で3倍の給料のオファーを頂きました。
この章では各社ごとにどんなことをしていたかと年収の推移をまとめます。

イギリスに来る以前

イギリスに来る前は新卒で独立系のSIerに入社して2年くらい働いていました。研修でJava、初めての案件がPHPでそれ以外はRPAというノーコード案件をしていたので、PHPはほぼ素人でした。たくさん残業をしていた思い出があります。

イギリス1社目

日系企業でPHPプログラマとして始めました。開発環境としては、いわゆるレガシーな環境でした。テストやGitを使っていない環境でしたが、勉強不足だった当時の自分にとっては良いスタートでした。
また、業務が7割日本語、3割英語くらいの感じだったので、英語の面でも自分の実力に合っていた環境だったと思います。
ここでは一年半くらい働きました。

イギリス2社目

二社目は完全に英系企業でした。ここで一回昇級を受けて一社目の2倍くらいの給料をもらえるようになりました。(とはいえPHPerとしては人並みくらいの給料でした。)
技術的にはGitはもちろんPHPのフレームワークであるLaravelをしっかり使い始めました。また、業務が完全に英語になったので、業務中は常に英語の勉強、という感じでした。
ここも1年半くらい在籍しました。

イギリス3社目

3社目も英系企業です。一社目の2.6倍くらいの給料が出ていました。テストを書いたりCI/CDを使ったりいわゆるモダンな開発環境です。また、今までは割とLaravelをMVCとして使うタイプのWebシステムを作っていたのですが、この会社ではフロントエンド(Next.js)とバックエンドを分業していました。
英語的には、2社目と比べてロンドンど真ん中にある企業だったので、色々な人種の人が混じっていました。(2社目はロンドン郊外に合ったので、生まれも育ちもイギリスの人が多かったです。)いろんなアクセントが混じっていたので、その勉強になりました。
ここには2年在籍しました。

イギリス4社目

今年の9月から働き始める会社です。一社目の3倍の給料をオファーしていただきました。2社目と同様にモダンなPHPを開発することになります。また、シニアエンジニアらしいこと(より大きな技術的判断をする、ジュニアの育成)ができるように頑張りたいです。

技術

ここでは技術力の変化を

  • (渡英時にすでに)できていたこと
  • (現在)できるようになったこと、
  • まだできないこと

に分けて書いていきます。

できていたこと

  • 簡単なコードを書くこと。FizzBuzzみたいなのとか、簡単なExcelマクロみたいなのは作れていました。
  • SVNが使えました。Gitではなく。。。
  • SQLは割と書けてました。(普通のCRUDシステム書くのに十分なくらい)
  • Excel方眼紙で資料作成。イギリス来てから一切使ってないので腐ってます。

できるようになった

  • Gitが使えるようになった
  • Dockerが使えるようになった
  • 書くコードがスパゲッティではなくなった
  • SOLIDを意識してコードを書けるようになった
  • モダンなPHPが書けるようになった
    • Laravelを覚えた
    • テストを書くようになった
    • CI/CDとかを設定できる
  • Webシステムをスケーリングするための知識が増えた。
  • Vimを使い始めた
  • 個人プロジェクトで人に見せられるレベルのものができるようになった
  • アジャイルで働けるようになった

まだできないこと

  • LeetCode的なコーディング問題はあまりできません。これ以上年収を上げたい場合はLeetCodeをやるかマネジメントができるようにならないとダメかなーと思っています。
  • マネジメント全般は経験がないです。
  • PHP以外の言語。いまだにPHPerです。
  • 勤怠管理とか納期の見積もりとかSIerでプロジェクトに必要とされていたことはいまだに一切できないです。

英語について

イギリスでエンジニアとして生きていく上では、英語が技術と同じくらい(というか技術より以上)に大事です。
ここでも

  • (渡英時にすでに)できていたこと
  • (現在)できるようになったこと、
  • まだできないこと

に分けてまとめていきたいと思います。

できていたこと

  • TOEICは765点でした。大学のときにとったものでした。卒業後は特に英語を勉強したわけではなかったので、渡英時のレベルも同じようなものだと思います。
  • スピーキングはカタカナ英語で単語をちょっとずつ喋る感じでした。

できるようになったこと

  • 仕事に必要なレベルのリスニング・スピーキング。
    正直、イギリス来てすぐは英語でコミュニケーションするのが怖かったです。
    4年経った現在、仕事に必要な口頭でのコミュニケーションは問題なくできるようになりました。
    今回の面接でも、自分の経歴の説明やシステムデザインの討論など日常会話以上のコミュニケーションが求められましたが、英語がボトルネックになるようなことはなかったかと思います。
  • ドキュメントとか技術書を読めるようになった。
  • メールやSlackなどのライティング。正しい英語が書けるようになったのと、今はChatGPTもあるので非同期コミュニケーションが楽になりました。

まだできないこと

  • ネイティブみたいな発音で喋る。いまだに文法とか発音は完璧ではありませんし、めちゃくちゃ日本語アクセントです。
  • 海外ドラマを字幕なしでみる。字幕なしだと6、7割くらいしか理解できません。

勉強したこと

ここではイギリス来てからどんな勉強をしていたかを振り返ります。

プログラミング

個人開発とブログを書くことが勉強になることが多かったです。
あとは業務で自分がやりたい範囲のプロジェクトに参加できるように頑張るとかその辺でしょうか。プログラミングに関しては実践が大事と思います。
それと技術書は何冊か読んだだけですが効果が高いと感じたので、もっと読もうと思っています。コードを書くことにそこそこ慣れたら、ただ漫然とコードを書くよりも、本を読んで学んだことをコーディングに使うのが一番学びが大きいと思います。

コードを書く練習と並行で面接対策も随時していました。面接で聞かれる質問は割とパターンがあるので、典型的な質問をググって答えられるようにしていました。面接対策は良いコードを書くことと別に勉強が必要と思っています。

英語

英語の勉強はポッドキャストを聴くのが個人的には結構良かったです。British Councilが出しているポッドキャストから初めて耳が慣れてからは技術系のポッドキャストを聞いていました。
https://learnenglish.britishcouncil.org/general-english/audio-series/podcasts

日本の英語教育はとにかくリーディング重視なので、リスニングから勉強するのが会話ができるようになるための第一歩だと思います。
これは持論ですが、会話において、伝えたいことを伝えるのは結構簡単な単語と気合でなんとかなるのですが、相手の言っていることが聞き取れないと会話として詰むので、やはりリスニングが大事だと思います。

発音に関してはあいうえおフォニックスにお世話になりました。一番わかりやすいと思います。
https://www.youtube.com/@aiueophonics

想定FAQ

ここでは私が勝手に質問を想定して考えてそれに答えていきます。

3倍って基準の給料が低いだけでは?

それはそうかもしれません。まあ、でも3倍になったのは嘘ではないので。

結局いくらもらっているのか?

具体的な年収を言及するのがいいことがどうかわからないので、特に明示しないようにしています。ただ、ロンドンのPHPデベロッパーの給料の分布はGlassdoorとか見れば調べられますし、そこの下限に近いところから上限に近いところに推移したんだろうなーと思っていただければ良いです。

この記事は日本でも参考になるか?

正直、日本でこれだけ短期間に何回も転職すると嫌な顔をされると思います。
イギリス人、特に技術者は、転職して給料を上げていく考えが普通なので、たくさん転職しました。

また、私が日本で経験した限りでは、日本企業はマネジメントの経験を技術より重視する感じがしたので、私のように技術を伸ばしてもお給料に直結しづらいのかな、とも思います。
プログラムだけ書いていたい人はイギリス、というか海外に来るのもありかもしれませんね。

3倍の給料をもらうために3倍の仕事量をしなくてはいけないか?

当たり前ですが違います。イギリスにきてからは給料が低かったときも今もずっと9:00-17:00死守です。
仕事量は変わりませんが、専門性は高くなったと思います。3倍の知識量を期待されている、というのが正しいのかなと感じます。

その他

おまけで技術も英語も関係ない変化を書いておきます。

  • 飯がまずい&高いので自炊のスキルが上がった。スクラッチから(豆腐も自作)麻婆豆腐を作れるようになった
  • 天気がいつも悪いので憂鬱になった。日光大事。
  • 余暇時間が増えたので漫画を描くようになった。Twitterに上げているので興味があれば見てください。

まとめ

以上です!
何か役に立てれば幸いです。また、こんなことが知りたい、などありましたらコメントお願いします。

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