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3DCGに After Effects でモーションブラーを加える方法

Last updated at Posted at 2017-09-30

はじめに

3DCGでモーションブラー表現を適用する方法を説明します。モーションブラーを加えることで、カクカクした感じが消えてより自然な動きにすることができます。

Screen Shot 2017-09-22 at 8.20.21.png

注意

ここで説明する方法では、 ReelSmart Motion Blur という有償のプラグインを利用しています。フラッシュバックジャパンから購入できます。体験版が無償で利用できますので、効果を試してから購入を検討することができます。

環境

  • Autodesk Maya 2017 Update 5
  • Arnold5.0.1.0 (MtoA 2.0.1)
  • AfterEffects CC 2017

モーションブラーを加える方法

ボケ表現を加える方法として、以下の方法が挙げられます。

  • Arnold でのレンダリング
  • AfterEffects でのコンポジット

レンダリングでモーションブラーを加える方法については、 SolidAngle のマニュアルを参照してください。
ボケ表現を加える方法の投稿で説明したように、レンダリング工程でブラーを適用すると、コンポジットの工程で手戻りが発生する可能性があります。ここでは、コンポジット工程でのモーションブラーの適用について説明します。

モーションベクター

コンポジットの工程でモーションブラー効果を加えるには、モーションベクターを利用します。モーションベクターとは、RGBで表現された動きの情報のことです。Rは横方向、Gは縦方向の情報を含んでいます。Bは通常は使用されません。

Screen Shot 2017-09-22 at 22.29.39.png

上の画像では、動きのない部分は濃い黄色で表されています。濃い黄色部分は RGB で表すと (127, 127, 0) となっています。
モーションベクターの特徴をまとめます。

  • R が横方向
  • G が縦方向
  • B は利用しない
  • 移動量が 0 のとき、色の値の範囲の真ん中(255 が最大のとき 127

上記のモーションベクターを色情報と一緒に Maya から書き出せば、コンポジットでモーションブラーを適用することができます。

手順

大まかに以下の手順でモーションブラーを実現します。

  1. Maya からモーションベクターチャンネルを含む EXR ファイルを出力する
  2. AfterEffects で EXR ファイルを読み込む
  3. AfterEffects でモーションベクターチャンネルを調整する
  4. モーションベクターチャンネルを合成して モーションブラーをかける

OpenEXR については、こちらの投稿を確認してください。

OpenEXR の書き出し

Maya からモーションベクターチャンネルを含む OpenEXR ファイルを出力する方法について説明します。Maya で RenderSetting ウィンドウを開いてください。Common タブで 出力形式を exr に変更します。

Screen_Shot_2017-09-20_at_22_03_11.png

Arnold Render タブの Motion Blur の項目の Enable チェックボックスをオンにします。

Screen_Shot_2017-09-22_at_23_01_51.png

AOVブラウザで motion vector を追加します。

Screen_Shot_2017-09-22_at_23_15_54.png

Select Driver を選択して、アトリビュートエディタを表示します。

Screen_Shot_2017-09-22_at_23_16_58.png

Merge AOV のチェックボックスがオンになっていることを確認します。

Screen_Shot_2017-09-22_at_23_17_22.png

これでレンダリング画像にモーションブラーがかかるようになるのですが、レンダリング結果にブラーをかけたくないので、これをキャンセルする必要があります。Diagostics タブの Feature Overrides 項目にある、Ignore Motion Blur のチェックボックスをオンにします。

Screen_Shot_2017-09-22_at_23_04_35.png

これでレンダリング時のモーションブラーはオフになります。

念のため、動きの激しいフレームを選んで、Arnold RenderView で表示結果を確認してみます。以下のように動きのある場所のみ色がついていれば大丈夫です。

Screen Shot 2017-09-22 at 23.52.51.png

コンポジット

ボケ表現には標準エフェクトが利用できましたが、今回のモーションブラー表現には、ReelSmart Motion Blur という有償のプラグインを導入する必要があります。体験版を公式サイトからダウンロードできますので、購入の前に効果を確認することが出来ます。

プラグインの確認

無事にプラグインがインストールされていれば、Effects & Presets パネルの検索窓に 「RSMB」と入力すると、以下のようにプラグインが表示されます。今回は、この中の RSMB Pro Vectors というプラグインを使用します。

Screen Shot 2017-09-22 at 23.22.46.png

モーションベクターの調整

前回と同様、EXR をフッテージとして読み込み、マルチチャンネルを複数のコンポジションに変換します。
motionvector source というコンポジションを選択します。

Screen Shot 2017-09-22 at 23.51.22.png

ExtractR の Black Point と White Point の調整を行います。

Screen Shot 2017-09-22 at 23.57.39.png

静止しているピクセルの R と G の 値が 127 になるように調整します。

Screen Shot 2017-09-23 at 0.03.25.png

RSMB Pro Vectors の適用

モーションベクター画像の調整が終わったら、assemble コンポジションを開いて、RGBA レイヤーに RSMB Pro Vectors エフェクトを適用します。

Screen Shot 2017-09-23 at 0.09.06.png

Motion Vectors の項目から、 motionvector を選択します。

Screen Shot 2017-09-23 at 0.09.48.png

これでようやくモーションブラーが反映されます。

Screen Shot 2017-09-23 at 0.12.54.png

ブラーなしとブラーありを比較してみます。
同じフレーム数で動きがより滑らかに見えます。

MotionBlurSample.gif

作例

今回の方法で制作した作品を Vimeo で公開しています。

Screen Shot 2017-09-26 at 9.36.19.png 8Ball on Vimeo

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