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state_notifier と freezed を使って、Flutterのカウンターアプリをつくるよ

Last updated at Posted at 2020-05-16

はじめに

いま、Flutter界隈では、「state_notifier + freezed」を使って開発するのがアツい! と、評判です。

Flutter state_notifierいい感じなので使ったほうが良いですよ
https://qiita.com/_masaokb/items/fe77495db0aeba226d2a

スクリーンショット 2020-05-18 14.42.57.png

「state_notifier」は、providerと組み合わせて使い、Widgetから**「状態」と「ロジック」を簡単に分離し&通知する**ことができるライブラリです。Widgetの状態管理を楽にしてくれたり、無駄なリビルドを抑制したりしてくれます。

「freezed」は、State(状態)を「データを保持するだけのクラス」として変更不可(イミュータブル)なクラスとして表現することができます。

Flutter界隈のエンジニアの方々もオススメされているので、「流行ってるみたいだし、めっちゃよさげだし、私も乗り遅れないようにしないと」と思いました。

私も、実際に使ってみて、めちゃくちゃ良かった ですし、オススメ です。

そこで本記事では、「state_notifier + freezed」について、カウンターアプリを作りながら説明します。

スクリーンショット 2020-05-18 14.32.18.png

本記事のコードについて、以下のGitHubリポジトリに公開しています。
https://github.com/karamage/flutter_state_notifier_freezed_sample

state_notifier について

https://pub.dev/packages/state_notifier
スクリーンショット 2020-05-18 14.42.57.png

state_notifier は、providerでの状態管理 を、より簡単に、楽にするライブラリです。

Flutterで、状態管理のパターンとして、以下のものがよく使われています。

  • setState(StatefulWidget)
  • Redux
  • BLoC(Stream + InheritedWidget/Scoped Model)
  • provider(ChangeNotifier)

現時点で、Flutterの状態管理において ベストプラクティスは、providerを使うこと だと思います。
(※個人の感想です。Flutterは進化が早いし、流行り廃りが激しい分野なので、これからどうなるかはワカランです。)
Google公式においても、providerの使用を推奨しています。
(Pragmatic State Management in Flutter (Google I/O'19))

state_notifierは、providerをより使いやすくコードをスッキリと楽に書けるようにしてくれるパッケージです。

従来のproviderパターンにおいて、ChangeNotifierを使ってゴリゴリとコードを書いていたのですが、コードが少々冗長になり、Widget階層が深くなりがちな問題があります。

state_notifierベースでproviderのコードを書くと、
ChangeNotifierを使用した場合よりコードがスッキリし、
コードを書いていて気持ちが良いです。

私は、これまでChangeNotifierベースでコードを書いていたのですが、
これからはstate_notifierベースに書き換えていこうと思います。

freezed について

https://pub.dev/packages/freezed
スクリーンショット 2020-05-18 14.47.04.png

freezedパッケージは、イミュータブルなデータモデルを作成するのに使います。
Stateは、データを保持するだけのクラスにしたいので、 変更不可(イミュータブル/freezed)なクラスにします。
state_notifierでは、State(状態)をイミュータブルなデータモデルとして扱います。
state_notifierとfreezedは相性が良く、セットで使うのが推奨されます。
freezedを使うと、StateにcopyWith(clone)メソッドが自動的に生えるので、便利です。

state_notifier と freezed をパッケージインストール

pubspec.yaml を以下のように書きます。

pubspec.yaml
dependencies:
  flutter:
    sdk: flutter
  provider: ^4.1.0-dev
  state_notifier: ^0.4.0
  flutter_state_notifier: ^0.3.0
  freezed_annotation:

dev_dependencies:
  flutter_test:
    sdk: flutter
  json_serializable:
  build_runner:
  freezed:

json_serializableは、今回のアプリではJSONを扱わないので入れなくても良いのですが、JSONの扱う際にfreezedとセットでいれとくと便利です。

ターミナルで以下のコマンドを叩くと、state_notifier と freezed パッケージのインストールが完了します。

flutter pub get

カウンターアプリを実装する

ここで、flutter createした際のボイラーテンプレートのカウンターアプリを、「state_notifier + freezed」を使用して実装してみます。

Simulator Screen Shot - iPhone 11 Pro - 2020-05-16 at 17.38.36.png

CounterStateとCounterStateNotifierを定義する

新規ファイル「counter_state.dart」 を作成し、以下のコードを記述してください。

counter_state.dart
import 'package:flutter/foundation.dart';
import 'package:freezed_annotation/freezed_annotation.dart';
import 'package:state_notifier/state_notifier.dart';

part 'counter_state.freezed.dart';
part 'counter_state.g.dart';

@freezed
abstract class CounterState with _$CounterState {
  const factory CounterState({
    @Default(0) int count,
  }) = _CounterState;
  factory CounterState.fromJson(Map<String, dynamic> json) => _$CounterStateFromJson(json);
}

class CounterStateNotifier extends StateNotifier<CounterState> {
  CounterStateNotifier() : super(const CounterState()) {}
  increment() => state = state.copyWith(count: state.count + 1);
}

その後、ターミナルで、以下のコマンドを叩いて、「counter_state.freezed.dart」「counter_state.g.dart」を自動生成してください。

flutter pub run build_runner build

counter_state.dart では、「CounterState」クラスと「CounterStateNotifier」クラスを定義しています。

CounterState

CounterStateは、状態データの入れ物で、イミュータブルなデータクラスとして定義します。

カウンターの値の状態変数として「int count」が定義されています。

デフォルト値を設定するには「@Default(0) int count」のように記述します。

「@freezed」アノテーションをつけることによって、copyWithメソッドが自動で生えます。copyWithメソッドは状態を更新する場合に、新しく状態を生成する(clone)ために使います。

「CounterState.fromJson」メソッドは、今回のカウンターアプリでは使用しませんが、JSONからStateを生成する場合によく使うので記述しています。

CounterStateNotifier

CounterStateNotifierは、状態を操作するロジックを管理し、Widgetに状態の変更を通知します。

MVVMモデルで解釈すると、**「ViewModel」**に相当します。

「inclement」メソッドは、CouterStateのcountを1カウントアップした状態をcopyWithメソッドを使用して、新しく状態を作成し、更新しています。

CounterStateNotifierを使用したWidgetを作成する

main.dartに以下のコードを記述します。

main.dart
import 'package:flutter/material.dart';
import 'package:flutter_state_notifier/flutter_state_notifier.dart';
import 'package:provider/provider.dart';
import 'package:state_notifier_example/counter_state.dart';

void main() => runApp(MyApp());

class MyApp extends StatelessWidget {
  @override
  Widget build(BuildContext context) {
    return MaterialApp(
      home: StateNotifierProvider<CounterStateNotifier, CounterState>(
        create: (_) => CounterStateNotifier(),
        child: HomePage(),
      ),
    );
  }
}

class HomePage extends StatelessWidget {
  @override
  Widget build(BuildContext context) {
    return Scaffold(
      appBar: AppBar(
        title: Text('state_notifier sample'),
      ),
      body: Center(
        child: Text(
          context.select<CounterState, int>((state) => state.count).toString(),
        ),
      ),
      floatingActionButton: FloatingActionButton.extended(
        onPressed: () => context.read<CounterStateNotifier>().increment(),
        label: Text('1'),
        icon: Icon(Icons.add),
      ),
    );
  }
}

Widgetツリーの上層で、StateNotifierProviderを作成すれば、その子Widgetであればどこでも、CounterStateNotifierを取得することができます。

ChangeNotifierを使った場合、Consumer等を挟まなくてはいけなかったのですが、state_notifierの場合スッキリ書けます。

main.dart
      home: StateNotifierProvider<CounterStateNotifier, CounterState>(
        create: (_) => CounterStateNotifier(),
        child: HomePage(),
      ),

CounterStateNotifierを取得したい場合、以下のようにすれば、取得できます。

main.dart
context.select<CounterState, int>((state) => state.count).toString(),

...

onPressed: () => context.read<CounterStateNotifier>().increment(),

context.readとcontext.selectには、以下の違いがあります。

  • context.read<CounterStateNotifier>()

    • State更新時リビルドしない
    • StateNotifierのメソッドを使いたいときに使う
  • context.select<CounterState, int>()

    • State更新時リビルドする
    • 状態が変わったときに画面に反映したい場合に使う

おわりに

「state_notifier」を使用することにより、簡単にWidgetから「状態」と「ロジック」を分離することができました。
「freezed」を使用することにより、Stateをデータを保持するだけのクラス、 変更不可(イミュータブル/freezed)なクラスにすることができました。

コードがきれいでスッキリして、好きです。

超オススメですので、「state_notifier + freezed」を使ってみてはいかがでしょうか。

本記事のコードについて、以下のGitHubリポジトリに公開しています。
https://github.com/karamage/flutter_state_notifier_freezed_sample

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