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海洋大技術系サークルAdvent Calendar 2023

Day 9

飛行ロボコン 3度の出場に至る道のり

Last updated at Posted at 2023-12-09

はじめに

 どうも、ロボット研究会のカパロイドです。主にラジコン飛行機を作ったり水中ロボットを作ったり、たまにC++でゲームを作ったりもしてますが、これまでの活動はどちらかというとハード系がメインです。
という訳でハード系の記事が多くなると思いますが、最近制御の勉強を始めたので、ハードと併せて制御についても「こんなことをやってみたいorやってみた」というような記事を出すと思います。多分

 という事で今回は僕の自己紹介も兼ねて、飛行ロボコンこと、全日本学生室内飛行ロボットコンテストについて、特に大会に至るまでの流れをざっと書いていきたいと思います。

全日本学生室内飛行ロボットコンテストとは

 飛行ロボコン(もしくは"ひこロボ")こと本大会は日本航空宇宙学会が主催する大会で、今年で19回目を迎えました。出場校は大学、高専が多数を占めますが、近年は高校からの参加も徐々に増えています。
「一般部門」「自動操縦部門」「マルチコプター部門」「ユニークデザイン部門」の4部門が設けられており、参加者は各部門のレギュレーションに合わせた飛行ロボット(≒ラジコン飛行機)を製作し、その性能を競い合います。

詳細は大会の公式HP http://indoor-flight.com/
もしくはVtuberの宇推くりあ氏の動画で詳しく解説して頂いています。
https://youtu.be/42dkZnzmcIU

3度の出場

第17回大会

 初出場となった2021年の第17回大会には、沖縄カトリック高校からチーム「南飛鯊(トントンミー)」として出場。普通科高校としては初の出場、また沖縄県内からも初の出場であり、部員全員が本物のラジコン飛行機を一度も見たことが無い状態からのスタートで、開発は困難を極めた。

↑ 大会機当初案。翼型などを正確に出力できるが重量のかさむ3Dプリンター製とし、重量増加分を相殺するため、胴体を短縮。翼根を前進させ揚力中心を尾翼から離すことで安定性の確保を狙った。今考えると初製作、初出場にしていきなり挑戦しすぎな気がする。

↑ 結局初飛行は通常の士の字型機。なおこの時点で大会まで1週間と少し。重量も200g以下の既定を大きく超える300g。出場は本来であれば絶望的であった。

~1週間後~

 色々と無茶をして辛うじて形にし出場が決定
製作の肝であった3Dプリンターでの製作を諦め、当初設計案の平面形のみ採用。超軽量機での参戦!、、、と行きたかったが、何と190g近くあり、さらに他の機体が翼型を有しているのに対し、本機は平板翼であった。
 その後結果的にこの機体は、離陸した直後に空中分解。あまりにもあっけなく1年目の大会は終わってしまったのである。

第18回大会

17回大会を終えた後、まずはノウハウ不足を最優先で解消する事を目的とした。即ち、とにかく色々な機体を製作し、試験飛行を行ったのである。

↑ 17回大会終了後、半年後に行われた18回大会までに試作された機体たち
これにより、ある程度の製作、飛行経験を手に入れた我々は、常に飛行可能な機体が存在する安心感の下、暫く開発を比較的順調に進める事となる。

 この年も引き続き大会の第1目標は3Dプリンター製の機体であった。基本方針は前年と同じであったが、機体軽量化の方法としてこの年は全翼機を採用する事とした。

「3Dプリンター製では重量がかさむ。その中で機体性能を出すには、主翼以外を切り捨て軽量化する他ないが、操作に不慣れなパイロットに合わせラダーは欲しい。しかも、重要のある翼は慣性モーメントが大きく切り返しがしづらい、、、」

 このように考えた結果、逆V字尾翼を有し発射台から飛び立つ全翼機という、なんとも奇抜な形状が採用される事となった。

image.png
 逆V字尾翼とする事でラダーとして操舵する事が可能な他、ラダーを切った際に旋回方向へロールモーメントも発生させる事から、切り返し性能の向上も図った。
 また副次的な効果として、逆V字尾翼前縁から主翼に掛けてカーボンロッドで補強を入れる事により非常に堅牢な造りとなったため、スチロール平板で製作された試作機は何度も墜落したものの、致命的な損傷を受ける事は無かった。

 さらにこの試作機は大会まで2か月近い余裕を持って完成した。これによりパイロットは飛行訓練に専念し、製作陣は3Dプリンター機の開発に注力できる。2か月かければ完成するだろう。そう思っていた。しかし、最終的に我々は200gの壁の突破と機体性能を両立できず(軽量化により飛行に耐えうる強度を下回ってしまったため)、残念ながらこの年もスチロール平板機で出場する事となった。ただしこれは前年度のような急造の機体では無く、2か月の訓練に用いていた機体であったため、そこについては一定の進歩であった。さらに本番においてもメインミッションには成功するなど、飛行性能もある程度は示すことが出来た。

第19回大会

 東京海洋大学へ進学した私は引き続き飛行ロボコンへ出場する事となった。ありがたい事に海洋大ロボット研究会は自由な雰囲気であり、部長も飛行ロボコン出場を許可してくれたため、4月から作業場に入り浸り製作を行う事となる。
 最初の目的は「今年こそ翼型を付ける」「まずはまともな機体を作る」であった。前年度までのスチロール平板機は当初予定とは異なっており、これは非常に悔しかった。また、飛ぶ機体が作れたのは良いものの、特殊な機体が多く、まずは士の字型の通常の機体を作りたいと考えていたのである。
 しかしこちらも一筋縄ではいかない。電装の選定や機体設計などある程度のノウハウは持った状態からのスタートであったが、スチロールを翼型に加工する技術が乏しく、そのための工具や治具も一から作る必要があり、この開発にかなりの時間を要した。また、コロナに罹患するなどしたため最終的に機体の製作が可能になったのは6月末の事であった。本学の1年生は7月末から1か月間の乗船実習がある。結局、飛行試験は8月末月にスタートする事になった。
 今年は3Dプリンター機でこそ無かったものの、「翼面以外の空力に直接関係ない部分を極力排除する」という方針を引き継ぎ、「無胴体機」とも言えるコンセプトの機体となった。具体的には、主翼に後退角の付いた垂直尾翼を直接取り付け、T字に水平尾翼を配置する事で、胴体を無くすことに成功した。またスパン1000mmと、ひこロボ機としては若干小ぶりとはいえ、150gと大きく軽量化する事にも成功した。

 乗船の影響で遅れこそ生じたものの、比較的良いスピードで開発を行うことが出来たと思う。正直、飛行練習の時間はもっと確保したかったというのが率直な思いだが、来年以降の教訓としたい。

終わりに

打ち切りみたいな終わり方ですごめんなさい
ちょっと課題とかに追われてて書ききれなかったです、、、今後余裕を見て追記していきます

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